『理外の無才者』〜不利すぎる状況でおれは強くなる〜

アルエスくん@DeusVtuber

勇者編 第三話 レベルシステム

勇者編 第三話 レベルシステム
 
 
 
 ふぅ、なんか少し驚いてしまったな。おれらしくもない。
 もう一回、もう一回だけステータスを見て現実を受け止めよう……。
 
 
 
ーーーーーーーーーー
ステータス
名前
 ■■■■■
種族
 『異世界人』
ジョブ
 なし
レベル0
 HP 0
 MP 0
 STR 0
 VIT 0
 INT 0
 MIND 0
ギフト
 『レベル0の虜囚』
 『スキル自力取得禁止』
 『男性機能喪失』
 『X・エスケイプ』
スキル
 なし
称号
 『全無才者』
 『被召喚者』
ーーーーーーーーーー
 
 
 
「……ほんと何これ……。いろいろツッコミどころがありすぎだろぉ。
 まずなんで名前が非表示になってるんだよ……。そう、おれの名前は……。あれ?」
 
 黒く塗りつぶされて非表示になっている名前欄を見てはたと気づく。
 おれの名前は……なんだっけ?
 
「思い出せない……。どうしておれの名前が思い出せないんだぁ!
 ……はぁ、はぁ、少し周りを見て落ち着こう。気持ちを切り替えよう。」
 
 ということで、気持ちを切り替えて、周りを見回そう。
 
 周りを見回すと、何やらみんな騒がしい。
 
『ステータスオープン』という文字が空中に出現したり、消えたりを大量に繰り返していた。
 
あと、金髪不良だけなにか椅子の上に立って目立っている。
 
「本当に宙に浮いた窓が浮いている。これが『ステータスウィンドウ』か……!」
 
「すげぇ、すべてのステータスが1000を超えてるぜ!」
 
「あ、ほんとにギフト欄に4つあるわ。」
 
「お、『神の威圧』ってギフトなんか強そうだな!」
 
「ジョブ欄が『勇者』になってるぜ!」
 
「種族が『異世界人』になってるわ!」
 
「『経験値2倍』のギフトもある!」
 
 クラスメイトたちが騒いでいる。
 驚いているものもいれば、喜んでいるものもいる。
 
「みんな各々騒いでるなぁ……。なんか聞いた感じすげえ強そうなステータスだなぁ……。」
 
「ねえ。」
 
「おれのステータスはなんで弱そうなんだ……?種族が『異世界人』なのは納得できるけどさぁ……。」
 
「ちょっと!」
 
「ジョブがなしって……。なしって……!みんなジョブが勇者になってるらしいし、ジョブをあとから変更とかできるのかなぁ……?」
 
「聞いてってば!」
 
「あと、レベルがゼロでしかもステータス値もすべてゼロじゃん……。え、これHPまでゼロだけどなんでおれいま動けているの?HPは生死には関係しないのか?」
 
「無視すんな!」
 
「あとなんか呪いのようなギフトが3つあるし……。最後のギフトだけ名前だけじゃあ、わけわからんし……。スキルも何も持ってないし……。」
 
「もう怒ったよ!」
 
「更には称号に『全無才者』って!もしかして、才能がある勇者の集団を召喚するとか言っていたから、おれの周りに才能があるやつがたくさんいて、おれだけ才能がなかったけど、召喚に巻き込まれたなんてありうるのか?」
 
「幼馴染でも許してあげないんだから!」
 
「…………これがラノベとかなら、きっとステータスが低すぎて、役立たずで追放されて、それで追い出されたあとに覚醒して強くなるなんてのがテンプレだけどさぁ……。」
 
「ほんとに話をきいてよぉ……。」
 
「人生そんなにラノベみたいに都合よく行くなんておれは思ってないからなぁ……。そうそうに死にそうだ……。」
 
 なんか水樹がうるさいが放っておく。
 
 みんなが各々騒いでいると、法王が口を開き、
 
「みんな静かに!」
 
『オート発動『ジョブスキル『法王の威厳』』』
 
 みんな口を閉じ、静かになった。
 
「オート発動?ジョブスキル?まだ、そんなのがあるのか、もしかしたらステータスが弱くても装備を強くしたり、弱くても強くなれるシステムがあるかもな……。希望を捨てるにはまだ早い……。」
 
 おれがボソボソ呟いていると、法王が話し始めた。
 
「では、続きを話し始めようかの。さっきまで話してきたのは……、」
 
「ギフトについてですよ。」
 
 光輝が口を出した。
 
「そうそう、勇者たちのギフトについてじゃったの。勇者たちの3つ目のギフトは『経験値2倍』じゃ!」
 
「けいけんち?」
 
「経験値というものはな、この世界にある『レベルシステム』において、レベルを上げるために必要なものじゃ。」
 
「ここはゲームの世界なのか……?」
 
「レベルが上がるための『必要経験値』は上がったあとのレベルの数値と同じだけ必要じゃ!」
 
「それって楽すぎでは?」
 
「『経験値の入手方法』は、誰かと戦ったり、なにかを経験するだけでいいんじゃ!別に戦って負けても経験値は手に入るしの!」
 
「負けてもいいって、それはゲームにはなさそうですね。」
 
「『経験値の入手量』は才能によって決まっておる。才能の数値と同じだけ経験値がもらえるのじゃ!」
 
「才能……」
 
「ゆえに、才能の数値と同じ数値までは『簡単にレベルが上昇する』!また、レベルにもいろんなものがあるのじゃ。」
 
「いろんなもの?」
 
「まずは自分のステータスに乗っている『ステータスレベル』じゃ。」
 
「これ以外にも存在すると?」
 
「『ステータス値』は『レベル×項目それぞれの才能値』じゃ!」
 
「才能値……才能を数字で表すのか……。」
 
「才能値が高ければ高いほどステータス値が高くなり、レベルが高くなればなるほどステータスに掛けられる数値が増えるのじゃ!」
 
「才能をは上げられますか?」
 
「才能値を上げる方法は、残念ながらあるにはあるのじゃが、数値を1上げるだけでも大変での、レベルを上げたほうがステータスの上昇速度が早いのじゃ!」
 
「レベルを上げたほうが簡単、天才とはいえ、私に戦えるのか……?」
 
「次に『ジョブレベル』じゃ。ジョブレベルはレベルの数だけ『ジョブに関することへの補正』がかかるんじゃ。」
 
「ジョブ、そんなものまで!」
 
 まるっきりゲームの世界じゃねえか。光輝も珍しく驚いてるし。
 
「また、ジョブレベルを上げる『ジョブ経験値を入手する方法』もジョブに関することをするのじゃ。」
 
「その、例えばどんな?」
 
「例えば、お主たちのようにジョブが『勇者』だとしたら、ジョブに関することがらは『勇気を持ってなにかをすること』じゃの。」
 
「勇気……。」
 
「他にも、ありふれたジョブでは『村人』とかなどは、『村でなにかをする』だけでレベルが上がるのじゃ。」
 
「勇者のほうが感情が関わるのか……。」
 
「主に戦闘をするジョブのなかでのありふれたジョブは『剣士』かの、これは『剣を使ったなにかをすること』で経験値を入手できるのじゃ。」
 
「ジョブの経験値関係は?」
 
「これらのジョブも『経験値の入手量』や『必要経験値』はステータスレベルと同じで勇者たちじゃったら、『勇者の才能』の数値が関係しておるの。」
 
 勇者の才能って。極端な才能すぎるだろ。
 
「他にも『ジョブレベル』はジョブレベルの数値と同じだけの『ジョブスキル』を使うことができるぞい。」
 
「ジョブ専用のスキルというわけですか……。」
 
「しかし、通常のスキルに存在する『スキルレベルの数値だけスキルに関することにかかる補正』は『ジョブスキル』には存在しないからの。」
 
「普通のスキルには補正は存在する、と。」
 
「それと『ジョブスキルのレベル』は必ず『ジョブレベル』と同じ数値じゃからここはわかりやすいぞ。」
 
 ジョブにもスキルがあるなら、スキルにもレベルはありそうだな。
 
「最後に『スキルレベル』じゃ!」
 
 やっぱりあった。てか、この法王さっきから、光輝の言葉ほとんど無視して、熱中してる。
 
「そもそも『スキル』とは入手すると、そのスキルに関することを簡単に発動できるようになるのじゃ。」
 
「例えばどんなスキルが?」
 
「例として、『斬撃』スキルにしよう。」
 
 以外と種類ありそうだな、スキルって。
 
「スキルをまったく持たないものの剣の斬撃と、『斬撃』スキルを持ったものの剣の斬撃は、当然スキルを持ったほうが強い。」
 
「スキルを持っていたほうが有利、差別がありそうですね……。」
 
「簡単に発動でき、スキルなしではできないこともできるというのもメリットじゃ。」
 
「できないこと?」
 
「例えば、人間は手からビームを出せないが、『ビーム』スキルを発動すれば、ビームを放てるのじゃ。」
 
「手からビーム!?」
 
「そして、『スキルレベル』の数値だけ、そのスキルに補正がかかるのじゃ。補正とは、主に『威力』『射程』『範囲』の3つじゃな。」
 
「射程と範囲は似たようなものっぽいんですが。」
 
「『威力』とは、例えば攻撃系統のスキルならダメージ量、回復系統のスキルなら回復できる傷の深さ、防御系統なら受けるダメージの減少、などじゃ。」
 
「スキルによって、強くなる威力が違うわけですか。」
 
「『射程』とは、スキルが及ぶ距離じゃの。自分から『スキルレベルの数値×1メートル分スキルを発生させる』ことができるのじゃ。」
 
「それってめちゃくちゃやばいんじゃ……。」
 
「『範囲』とは、例えば斬撃の大きさだったり、回復の効果範囲だったり、詳しく言えば、『スキルの発生地点からレベル×1メートル大きくできる』のじゃ。」
 
「射程と組み合わせたら、チートになりそうなんですけど。」
 
「実は、逆に、範囲を狭めれば『威力をあげる』ことができるぞい。」
 
 さらに威力があがったら、ひどいことになりそうだ。
 
「『範囲限界÷範囲=威力倍率』じゃ。一点に集中すれば、威力も高くなり、広く及ばせれば、範囲は広いが効果は低くなるぞい。」
 
 調節とかどうやってやるんだろ?異世界独自の感覚かな?
 
「『スキルレベル』の『必要経験値』や『経験値の入手量』、『経験値の入手方法』もレベルやジョブレベルと基本的には同じじゃ。」
 
「基本的?」
 
「じゃが!『スキルレベル』のみ、同じスキルをもう一度入手した場合は『スキルレベルを入手さた数だけ数値を上げれる』のじゃ!あとでスキルの入手方法についても話すからの。ここまででなにか質問はあるかの?」
 
 みんなが手を上げないからおれが手を上げよう!言いづらいことを!
 
「あの、覚えきれないんですけど……。」
 
言ったぞ!きっとみんなが言いづらいことを言ってのけたぞ!
 
「安心せい。あとで『システム辞典』を渡すからそれで見ればよい。」
 
「辞典とかあるのかよ!?」
 
 ものすごいびっくりしました。
 
 
 

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