『理外の無才者』〜不利すぎる状況でおれは強くなる〜
勇者編 第二話 ワールドインテリジェンス
勇者編 第二話 ワールドインテリジェンス
法王が話しはじめた。
「では、この世界について……どこから話そうかの。まずこの世界は先程も言ったとおり君たちがいた世界とはまったく別の世界じゃ。」
「あの、すいません、質問いいですか?」
光輝が手を上げた。
勇気あるなぁ、普通こんな状況で手を上げられる人いないよ。精神が強いのか、それとも鈍感なのやら。
「あの、僕たちは元の世界に、地球に帰れるんですか?」
「そのことは聞かれると思ったわい。答えはYESでもありNOでもあるんじゃ。」
「それはどういうことで?」
「わしたちは、神様から力を借りて、勇者召喚魔法陣を起動させて、君たちを召喚したんじゃ。」
「ほう。」
「つまり、我らが神様たちと同じくらいの力を持ったものなら帰れるじゃろう。」
「なるほど。」
「じゃが、知らない場所から召喚するよりも、知らない場所へ送還するほうが難しいのじゃ。」
「確かにそんな気が……」
「だから、わしらのなかに君たちを元の世界へ戻すことができるものはおらん。これでいいかの?」
「わ、かりました……」
光輝が落ち込みながら手を下げた。
簡単には帰れないと知って追い込んでるのだろう。だが、なにかがおかしい。
そもそもなぜこいつらは落ち着いている?
なんでこんなにもパニックを起こさずに静かに聞いていられる?
なにかおかしい気がする。
「では、続きを話すとするかの。まず君たちを召喚した理由は、神様から神託が降ろされたからじゃ。」
「神様から?」
「神様によると、いまこの世は災厄に満ちあふれておる。」
「それはいったい?」
「魔王や邪神などのことだと思われる。他にも過去に封印された悪しきものたちの封印も解けかけていることがわかっている。」
「つまり……」
「我らには力がなく、どうしようもないのじゃ。だから、強い才能を持つ勇者たちを召喚したのじゃ。」
まぁ、ありふれた理由だよな、魔王が迫っているから勇者を召喚なんて。
ていうか、神様が実在するならその神様が倒せばいいのに、倒せない理由でもあるのかな?
「また、君たちはこの世界に召喚される際に、神様たちから、ギフトを与えられておる。」
「ぎふと?」
「別の世界であるこの世界のわしたちと会話できているのも、神様から与えられた『自動翻訳』というギフトのおかげなのじゃ。」
「他には何があるんですか?」
「他にも勇者たちはみんな、それぞれ『神』とつく固有のギフトに『経験値2倍』のギフト、『神々の加護』の4つのギフトを与えると神託からお告げが出ておる。」
今度は金髪不良が立ち上がった。
「ギフトぉ?それって何なんですかぁ?役に立つんですかぁ?」
「ギフトとは、他者から与えられた能力のことを言うのじゃ。」
「他人からぁ?」
「『自動翻訳』のギフトは文字通り自分が意味を把握していない言語について、勝手に自分がわかる意味の言葉に翻訳してくれるのじゃ。」
「便利じゃねえか。」
「『神』と名のつくギフトは……すまんのぅ、こればかりは個人それぞれで違うギフトが付くらしいので効果はわからんのじゃ。」
「わかんなきゃ意味ねえじゃん!」
「じゃが、強力な能力のギフトということは確かじゃ。なにせ『神』とつくぐらいじゃからのう。」
「それじゃわかりませんよぉ?」
「詳しいことはステータスウィンドウにてギフトを確認すればよい。」
「あの、口を挟んですみません。ステータス画面とは……?」
と、光輝が口を挟んだ。
「おっと、そういえば、勇者たちの世界にはステータスを見ることがない世界もあるんじゃのう。うっかりしておったわい。」
「ない世界もある、ですと……?」
「この世界では自分の力を補正する力を見ることができるんじゃ。」
「ほう。」
「補正する力を『ステータス』と呼び、『ステータス』を見たいと思いながら『ステータスオープン』と言えば、この世界では『ステータス』を見ることができる画面、通称『ステータスウィンドウ』が出てくるんじゃ。」
「ゲームみたいですね。」
「『ステータスウィンドウ』では名前や種族、ジョブ、レベル、ステータス値、ギフト、スキル、称号などをチェックできるんじゃ。」
「ほんとにゲームみたいな内容だ……。」
「試しにチェックしてみい。」
法王からまたよくわからん単語がいくつか出てきたが、とりあえずはその『ステータスウィンドウ』を見てみようか。
「なんか厨二病くさい気がするな。『ステータスオープン』!」
『起動『ステータス』』
またあの空中に浮かぶ文字だ。
そして目の前にMMORPGで見るような水色の浮かぶ透明な板が出てきた。
いや、正確には『窓』なのだろう。なにせステータス『ウィンドウ』なのだから。
ーーーーーーーーーー
ステータス
名前
■■■■■
種族
『異世界人』
ジョブ
なし
レベル0
HP 0
MP 0
STR 0
VIT 0
INT 0
MIND 0
ギフト
『レベル0の虜囚』
『スキル自力取得禁止』
『男性機能喪失』
『X・エスケイプ』
スキル
なし
称号
『全無才者』
『被召喚者』
ーーーーーーーーーー
自分のステータスがステータスウィンドウに書き記されている。
……が、あれ?なにこれやばくね?
なんか聞いてた話しと違うんですけど。
法王が話しはじめた。
「では、この世界について……どこから話そうかの。まずこの世界は先程も言ったとおり君たちがいた世界とはまったく別の世界じゃ。」
「あの、すいません、質問いいですか?」
光輝が手を上げた。
勇気あるなぁ、普通こんな状況で手を上げられる人いないよ。精神が強いのか、それとも鈍感なのやら。
「あの、僕たちは元の世界に、地球に帰れるんですか?」
「そのことは聞かれると思ったわい。答えはYESでもありNOでもあるんじゃ。」
「それはどういうことで?」
「わしたちは、神様から力を借りて、勇者召喚魔法陣を起動させて、君たちを召喚したんじゃ。」
「ほう。」
「つまり、我らが神様たちと同じくらいの力を持ったものなら帰れるじゃろう。」
「なるほど。」
「じゃが、知らない場所から召喚するよりも、知らない場所へ送還するほうが難しいのじゃ。」
「確かにそんな気が……」
「だから、わしらのなかに君たちを元の世界へ戻すことができるものはおらん。これでいいかの?」
「わ、かりました……」
光輝が落ち込みながら手を下げた。
簡単には帰れないと知って追い込んでるのだろう。だが、なにかがおかしい。
そもそもなぜこいつらは落ち着いている?
なんでこんなにもパニックを起こさずに静かに聞いていられる?
なにかおかしい気がする。
「では、続きを話すとするかの。まず君たちを召喚した理由は、神様から神託が降ろされたからじゃ。」
「神様から?」
「神様によると、いまこの世は災厄に満ちあふれておる。」
「それはいったい?」
「魔王や邪神などのことだと思われる。他にも過去に封印された悪しきものたちの封印も解けかけていることがわかっている。」
「つまり……」
「我らには力がなく、どうしようもないのじゃ。だから、強い才能を持つ勇者たちを召喚したのじゃ。」
まぁ、ありふれた理由だよな、魔王が迫っているから勇者を召喚なんて。
ていうか、神様が実在するならその神様が倒せばいいのに、倒せない理由でもあるのかな?
「また、君たちはこの世界に召喚される際に、神様たちから、ギフトを与えられておる。」
「ぎふと?」
「別の世界であるこの世界のわしたちと会話できているのも、神様から与えられた『自動翻訳』というギフトのおかげなのじゃ。」
「他には何があるんですか?」
「他にも勇者たちはみんな、それぞれ『神』とつく固有のギフトに『経験値2倍』のギフト、『神々の加護』の4つのギフトを与えると神託からお告げが出ておる。」
今度は金髪不良が立ち上がった。
「ギフトぉ?それって何なんですかぁ?役に立つんですかぁ?」
「ギフトとは、他者から与えられた能力のことを言うのじゃ。」
「他人からぁ?」
「『自動翻訳』のギフトは文字通り自分が意味を把握していない言語について、勝手に自分がわかる意味の言葉に翻訳してくれるのじゃ。」
「便利じゃねえか。」
「『神』と名のつくギフトは……すまんのぅ、こればかりは個人それぞれで違うギフトが付くらしいので効果はわからんのじゃ。」
「わかんなきゃ意味ねえじゃん!」
「じゃが、強力な能力のギフトということは確かじゃ。なにせ『神』とつくぐらいじゃからのう。」
「それじゃわかりませんよぉ?」
「詳しいことはステータスウィンドウにてギフトを確認すればよい。」
「あの、口を挟んですみません。ステータス画面とは……?」
と、光輝が口を挟んだ。
「おっと、そういえば、勇者たちの世界にはステータスを見ることがない世界もあるんじゃのう。うっかりしておったわい。」
「ない世界もある、ですと……?」
「この世界では自分の力を補正する力を見ることができるんじゃ。」
「ほう。」
「補正する力を『ステータス』と呼び、『ステータス』を見たいと思いながら『ステータスオープン』と言えば、この世界では『ステータス』を見ることができる画面、通称『ステータスウィンドウ』が出てくるんじゃ。」
「ゲームみたいですね。」
「『ステータスウィンドウ』では名前や種族、ジョブ、レベル、ステータス値、ギフト、スキル、称号などをチェックできるんじゃ。」
「ほんとにゲームみたいな内容だ……。」
「試しにチェックしてみい。」
法王からまたよくわからん単語がいくつか出てきたが、とりあえずはその『ステータスウィンドウ』を見てみようか。
「なんか厨二病くさい気がするな。『ステータスオープン』!」
『起動『ステータス』』
またあの空中に浮かぶ文字だ。
そして目の前にMMORPGで見るような水色の浮かぶ透明な板が出てきた。
いや、正確には『窓』なのだろう。なにせステータス『ウィンドウ』なのだから。
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ステータス
名前
■■■■■
種族
『異世界人』
ジョブ
なし
レベル0
HP 0
MP 0
STR 0
VIT 0
INT 0
MIND 0
ギフト
『レベル0の虜囚』
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なし
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『全無才者』
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