適当に強そうなスキルを選んで転生したけれど、8000年も生きる間にすっかり忘れてしまったので無自覚チートでスローライフを送ります

御丹斬リ丸

第8話 なんか壮大な話になって来たぞ…





財宝を用意しよう。
そう思ってちょっとまて、そう自分にツッコミをいれた。
石しかねぇのにどうすんだよ…。
確かにこの石は硬い。もしもこの石で出来た剣を作ったらどうだろう。
超頑丈な上、切れ味もいい、そして刃こぼれもしない。
こんなに素晴らしい性能はほかにないだろう。
そう言う意味で見れば石で作っても財宝のうちに入るだろう。
しかし、ビジュアルを考えた時に、どうだろう。
壮大な地下神殿で発見したお宝は石の剣。
嫌だね。


例えるならば超難易度のダンジョンを攻略して手に入れた聖剣がなまくらだった並みに酷い。
これではこの石の剣で長老の首が物理的に飛びかねない。


だが俺が用意できる材料は石と木と水と苔しかない。
いくら死なないからと言って骨を材料にするのは嫌だ。
それに骨と木は風化して無くなってしまいそうだし。除外で。
水と苔は論外だ。
とするとやっぱり、石しかない。
石は工夫しても石だ。
石を粉にして素材加工で人工の石に出来ないかとやってみたがダメだった。


《何かの粉》
そう出てくるだけで加工をしようともスキルが発動しなかった。
どうやら素材加工先生も万能ではないようだ。
それ以前に石を素材加工で粉にしたのに"何かの粉"とはどういうことだよ。
ポンコツ過ぎないこの鑑定機能っぽいやつ。
だが収穫があった。
完全に副産物であったが、水にこの粉を溶かすと絵の具的なものになりそうな感じがした。
岩絵具と言った感じで水を入れたら青紫色色に変色したのだ。


死なないからと言って4ヶ月くらい寝ていない所為、それとも、もともと隠し持っていた暗黒(アビス)が這い出ていたのかわからないが中二病なのか精神的なものなのかわからないくらいに俺の精神は深刻だった。


邪神像は最奥地にあるドーム型の部屋に安置されており、その手前には邪神教徒が多目的で使える空間があった。
が、そこに俺は何を思ったかその青紫色色の塗料で۞こんなのを書いていた。
書いてしまった、凄い時間をかけて。


まず完成して思ったのはやっち待っただったが、ここはファンタジーな世界だしまだこの世界に知的生命体は俺しかいなさそうだからセーフだとまたもや自己完結をして終わった。


財宝を置くことを築くために《ある転生者の冒険記》とか言う話を考えていたように、俺は話を考えるのが得意だ。
話を考える言うよりは設定を考えるほどが好きなんだが、俗に言うと設定厨である。
もちろん、魔法陣にもちゃんと設定があるし、そこから連想して石の財宝の取り扱いの解決策も思いついた。




時代は神がまだ地上に降臨していた頃に遡る。
神話の時代、世界を作り出した創造神と世界に知恵を与えた遊戯神は仲良く世界を管理していた。
ところが、次第にその2柱が悪くなり始め、ハルマゲドンがまで陥った。
創造神は邪悪そのものと化した遊戯神を討つため人々に聖なる武器を授け、天使を召喚した。
ところが遊戯神は異界より悪魔なる存在に自らの力を与え、魔王を作り出した。
16体の魔王達は猛威を振るい次々に天使を葬っていった。
それらの一体、死石の蛇女(メデューナ)と呼ばれる魔王がいた。
人型の見た目でありながら全身に蛇の特長を持ち、頭には鬼のような二本角、額に存在する第三の眼は視覚に入るものを全て石化する能力があった。
てんしを容易く葬っていたものの、聖なる武器を与えられた人々を葬ることはできなかった。
勇者、そう呼ばれた彼らは聖なる武器の持つ魔王の力を封殺するという効果でジリジリと追い詰めトドメを指した。
とどめを刺し死んだ筈のメデューナの石化の力のみは消えることなく残り続けた。
魔王の死体を使い第二第三の魔王が現れては困ると勇者に封印を命じた。
地下に隠された神殿の最奥地の下にメデューナを埋め、その上から聖なる武器を突き刺さし封印をした。
剣が抜かれることがないよう鎖で固定し、世界は平和になった。
とはいかなかった。
聖なる武器であった剣から力が失われ始めると魔王の力が封印から漏れ出し、鎖を破壊し、剣もろとも石化した。
そして聖剣ともに安置されていた勇者の宝具までもが石化をしただの石となった。



という設定がある。
この設定ならばおかしくないはずだ。
石化した聖剣の周りに存在する魔法陣や巨大な邪神像はまだ設定とか考えていない。
最悪思いつかなかったら、ここに来た人に考えて貰うとしよう。

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