クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

始まりのプロローグ

目が覚めるとすぐそばでエレンが才道の介護をしていた。
才道はまだ目覚めてないみたいだ。
周りを見るとどこに行ったのやら魔物たちの姿もなければ気配もなかった。
エレンに知らないか聞いてみると,

「30分くらい前に目覚めたけどなにもなかったわよ。」

らしい。
まぁまたエルがなにかやったのだろうと思うし後で聞くことにしよう。
とりあえず才道の容体チェックだな。
リリィと一緒に才道とリンクし精神も含めて隅々まで確認してみたけど残っているケガは俺が与えたものだけだった。
どうやら最後に聞こえたあの人がしっかり後処理したらしい。
才道の診察が終わったのと同じ頃エルがリーシャとロウさんを連れてゼンたちと再会した。
リーシャとロウさんは俺とエルにすごく感謝の言葉をくれ,報酬もちゃんと後日王都で渡すと言ってくれたが、正直言ってどうでもよかった。
宿に戻るのもアレだしここの方が誰にも話しを聞かれなさそうだという事で才道が目覚めるまでとりあえず休憩することにした。{エルに事情を聞いたところ魔物は全て異次元に飛ばしたらしい。(やっぱエルさんコエー。)}
その後数分で才道は目覚めた。
はっきり言ってなにも覚えてないらしい。
コレもあの人が消していったのかもしれない。
ちなみにエレンは才道に告白したが見事に振られていた。(まぁドンマイ。)
さて,どこから話せばいいやら(特に才道に)
仕方ない俺がクラスメイトってとこから話すか。
全てを話し終えた後,俺とエル以外はみんなビックリしていた。(俺とエルが魔王と天使ってところはいちおう伏せた)
話し終えたし宿にみんなで戻ると,(部屋割りは,俺とエル,リーシャとロウさん,才道とエレンだ。エレンはすごく喜んでいた。)

その夜,

「黒火いやゼンか?
とりあえず外に出てくれないか?」

才道がゼンの部屋を訪ねそう誘ってきた。
断る理由もないのでゼンは付き合うことにした。
2人でベランダに出て,

「それで何の用だ?」

「まず,最初に謝っておく,悪かった。
ほんとなにも覚えていけど俺が黒火に迷惑をかけたことに違いはない。」

綺麗な90度で頭を下げてきた。

「いや,だからそれはもういいって,後俺のことはゼンって呼んでくれ。」

まぁ頭を下げても背の違いのせいで謝ってる感ないしな。

「それで,本当の要はなんだ?」

ゼンがそう聞くと,

「これからお前はどうするんだ?
もしよかったら俺と一緒に「それはねーよ。」

俺が先に断ると,

「なぜだ!
なんで断るんだ!
俺はお前を仲間と思っているしお前を守りたいんだ!」

ゲイ発言ですか。

「……………………。」

ゼンが言葉を失っていると,
才道が慌てて,

「……,はっ!違う!違うぞそういう意味じゃない!
ただ純粋にお前と一緒に冒険したいだけだ!」

「言葉を選べよ。」

ゼンがため息をつくと,

「それでなんで断るんだ?」

ゼンは少し悩んでから,

「まぁ,今回のことはお前の記憶にはないだろうけどお前の意思は少しはある行為だと俺は思った。
それを見て例えば俺がお前みたいな体験していてもこんな事は多分しなかった。
だから俺とお前はおそらく意見が合わねえと思う。
そんなけだ。」

まぁ,本音を言えばなんで勇者と魔王が一緒に旅すんなよって話だ。
絵的にアウトだ。

「さて,お前も謝ったしなー,俺も謝るか。」

ゼンがそう言うと才道は?と首を傾げた。

「実はお前を助けるためにお前の3年間を見ちまって,いやあー大人になりましたね才道さん。
そんでもってすいませんでしたー。」

ドン!?
綺麗な土下座である。

「お、お、お前まさかアレを見たのか!
俺とミーシャのアレを!」

ミーシャさんって言うのか。

「まぁ,それは良い。
俺を助けるためだったんだろ。
後出来る限り早く忘れろ!」

「いやあ,あんな激しい行為簡単に忘れられるわけないじゃないですか!」

「いいから忘れろー!」

「さて,冗談はこの程度にして,今度はこっちからお願いだ。
エレンと一緒にいてくれねえか?」

「なぜだ?」

「疑問も最もだよな。
お前は忘れているかもしれないけどお前は一度アイツを助けたんだ。
それでも納得できねえかもしれねえけどよ恩返しと思ってくれ。
いちおうアイツがいなかったらお前はもっと酷いことをやっていたかもしれねえし。
アイツがいたからあの程度で済んだんだ。
だから,な!」

渋々ではあるが,

「わかったよ。
たしかに助けられたのは事実だしな。」

そう答えてくれた。
その後適当に日本について雑談した後ゼンと才道は別れた。
その後,ゼンはエレンを呼び出した。

「何の用?」

「お前は知らないかもしれないけど,お前に力が宿っている可能性がある。
今,ここで確かめてくれないか?」

ゼンがそう言うとエレンは素直に「ステータスオープン」と言い確かめた。
すると,

「たしかにある。
なんでわかったの?」

「それは置いといて,なにがあったんだ。」

「言うより見せた方が早い。」

結果はコレだ。


エレン 

18歳  (魔族(下級悪魔))

職業 魔術師

固有スキル
愛の力

特殊スキル
特殊付与

スキル
身体強化

闇魔法  火魔法  水魔法  風魔法

姿隠蔽



愛の力
愛せば愛するほど望む力が愛した人のためだけに使える。

特殊付与
特殊な力を付与出来る。
使える付与
魔王の力

付与相手
才道 勇気

姿隠蔽
その名の通り姿を隠せる。



変なのもあったが,恐らくあの人が言った力は特殊付与だろう。
付与が魔王だし,それに付与相手才道だし。

「ありがとう。
悪かったなこんな夜遅く呼んで,」

「構わない。」

エレンはそう一言言うと部屋に戻った。

ゼンは部屋に戻らず1人ベランダに座り,もたれかかり,あの人がくれた記憶を見ようとリンクを使っていた。(才道戦の途中自分1人でも使えるようになっていた。)











「ッハ!?」

そう驚き全身汗だくになりながらゼンは苦笑いをしていた。

「ハッハッハ,まだ始まってもいなかったのかよ。
コレがプロローグだってよ,ふざけてるよな。
一体,神さまは俺たち日本人になにさせようって気なのかねー?」

誰も聞いているはずないのにゼンは独り言を誰かに説明するかのように言いそのままベランダで寝てしまった。


















???

「やっと交わってくれたね2人共♪」

そう楽しそうに言う1人の少年がいた。
彼の周りにはなにもない。
草も動物も人間も街も空も地面も空気でさえ,あるのは只々真っ白な景色。
360度白の世界。

「コレでやっと物語が始まる。
待ちくたびれたよもう何千年何万年いやもう年なんていう概念がない時から。」

「まぁそんな事はもういいや。
だってこれからそんな過去なんて全て忘れられる。
楽しみだなぁ2人と出会う時が。
その時まで僕も準備を進めておくよ。
2人も楽しみにしてね。
君たち2人には最高のパフォーマンスをしてもらうから。
これから大変だなぁ。」

そう言いつつもやはりどこか楽しそうにそして感動したような声になっていた。

さあ、再びルーレットは回りだす。

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