クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

覚醒

見る影もなく変わってしまった才道を見上げてると声が聞こえてきた。

「まだ立てたか,だが貴様もコレで終わりだ。」

そう言うと再び龍が出てきた,しかし先程より数も大きさも全然違った。
ゼンは空間をズラしその攻撃を避けるが,ゼンの目や鼻から血が出てきた。

「どうやらかなり無理をしているようだなだが,すぐ楽にしてやる。」

すると、黒くでかい球体が才道の前から現れそこから色々出てくる。
(なんだアレは?)
見ると,黒い泥のようなモノが次々出ていた。
泥は地面に落ちると人の形をしてゼンに襲いかかる!
ゼンはそれを地面をせり上げ行く手を阻む。
すると、泥人間は壁にぶつかるがなんと泥人間が触れた場所が溶けていく!
(マスター,アレは危険です!
1回この場を離れてください!)

(そうしてえのはこっちもだがもうほとんど操る力も残ってねえよ。)

泥人間たちはそのままゼンに向かっていきゼンを次々襲う。
なす術なくゼンは襲われ最終的に泥人間たちによって才道の前に張り付けにされる。

「死ぬ前によ1つ教えてくれ,一体コイツらはなんなんだ?」

ゼンがそう言うと才道は少し考え,

「………。そうだなコイツらは俺の理想を叶えるもの達だ。」

「なんだそりゃあ。」

「人には必ず理想があるだがほとんどの理想は己1人では達成できないだろう。
そしてコイツらは理想を持ちつつも達成できなかった奴らの成れの果てだ。
そして俺はコイツらの理想に対する異常なまでの執着心を力に変えれるわけだ。」

「バカだなぁお前らは。
理想てのはあくまで目標だろ。
それに達成も何もねえよ。
あるのはどれだけ頑張ったか,だろ。」

すると,泥人間は怒ったようにゼンを締め付ける。

「お前の言う通りかもしれない。
だが,やはり人は傲慢なんだよ。
どんだけ叶わないとわかっていても叶えたくて仕方ない。それが人間だ。
さて,これ以上お前と話しても仕方ない。
泥人間たちよソイツを食え!」

才道がそう言うと泥人間たちは待ってました!とばかりにゼンを喰った。
数分後,ゼンがいた場所にあったのは飛び散ったゼンの血だけだった。

「やっと終わったか。」

才道は仕事終わりのサラリーマンのようにひと息はきながらそう言った。



数分前


才道と話している最中ゼンはもう1人と連絡を取っていた。

(リリィ,エルにリンクしてくれ。)

(?,マスターの考えはわかりませんが少し時間がかかります。)

(わかった。じゃあこのまま時間稼ぎしておくからそっちは頼んだぞ。)

泥人間たちが怒ったようにゼンを締め付ける。

(どうしたのお兄ちゃんコッチも苦戦してるんだけど?)

(エルか。時間がねえから用件だけ言う。
お前の力でモードを解放してくれ。)

(いいの?確かに私の力なら解放できるけどモードについては何もわかっていないから何が起こるかわかんないんだよ。)

(構わねえやってくれ。)

(わかった。)

数秒後,『スキル,モードが解放されました。説明はいりますか?』

そんな機械みたいな声が聞こえた。
(すぐ頼む。ただし出来るだけ短めに。)

『わかりました。それでは説明を始めますが,声で教えるのは時間がかかるので直接頭に情報を流します。』

すると,頭の中に情報が入ってくる。


スキル,モード

スキル効果
条件が満たしている変身ができる。
種類は個人に差があります。
後,これは個人スキルです。
細胞全てが変化するので死ぬ必要があります。
慣れれば思うだけで変身できます。
なお,変身状態を完全に操れるまで他のスキルは使えません(変身状態特有のスキルは使える)。
最後に少し(個人に差があるが)興奮状態になる。

というものだった。
ちなみにこの間3秒。
(へっ,死ぬ必要があるのか,今の俺には好都合だな。)



才道は自分の目を疑った。
なぜなら数量の血しかない場所に黒い血が集まり人の形をしてきたからだ。

すると,そこには先程までとは姿が違うゼンがいた。
目のまわりには黒いアザが浮かび体の至る所に赤黒い線が走っている,髪も伸びていてしかも上に逆立っている。
いきなり腹に衝撃をうけた。
見るとゼンが才道の腹を蹴っていた。
才道はすぐさまゼンのもとに龍と泥人間を向かわせるがゼンが黒い衝撃波を出し全てかき消した!
才道はテレポートし少し離れたところで姿はそのまま大きさを元の自分に戻した。
あの大きさだと不利だということがわかっていたからだ。
(しかし,なんだアイツのあの姿は?
変わった瞬間,先程までとは全然違う戦闘をし始めたぞ。)
しかし、ゼンは才道に考える時間を与えない再び才道の前に出現すると前では考えられないほどのスピードで攻撃を乱打する。
才道はさばこうとするがゼンのスピードに追いつけず徐々に打たれ始める。
一旦離れるがゼンが1秒もたたず追いつき再び攻撃をし始める。
才道は自分をシェルターで囲むがゼンは攻撃を止めずどんどんシェルターが凹んでいく。
考えれば当たり前だ。
はっきり言ってシェルターより硬い才道をあれだけ傷つけているのだ,才道より硬くないシェルターなど簡単に壊れてしまう。
しかし、ゼンがシェルターを壊す数秒間で才道はテレポートし,現思想と理想の体現者を同時に使いエクスカリバーなどの物語の中に出てくる武器を召喚しゼンの方に飛ばす。
ゼンは拳でそれを撃ち落としていく!
才道は繰り返しテレポートしいろんな方向から剣や魔法(最上級)を打ち出していく。
ゼンは拳で撃ち落とすのを止め避けながら才道の方に向かう。
時には黒い衝撃波で全て落としながら,才道もこれではキリがないと考え現思想と理想の体現者を自分に付与し英雄を思わせる力でゼンに自ら向かう。
2人がぶつかり互いに吹き飛ぶがすぐに再びぶつかりそこから嵐のような打撃の乱打が始まる。

「「ウワァァァァァァァァァ!」」

2人は叫びながらラッシュを繰り出す。
才道は時に下がり魔法を打ち出したりするがゼンはそれをくらいながらも才道に突っ込む。

このやり取りを数回繰り返した後

ゼンが黒い衝撃波を出し才道を吹き飛ばす。
吹き飛んだ才道はテレポートでゼンの後ろに回り込み攻撃をするがゼンはそれを受け止め才道を殴る。
互いにダメージを負いながらも全く攻撃を緩めない。
すると,才道が勝負を決めたかったのかはるか遠くにテレポートすると全魔力,全エネルギーを使い白色の巨大な球を自分の上に出しゼンに向けて飛ばした!
ゼンは自分の右腕に自分が出せる全ての黒い衝撃波を纏わせ才道が飛ばした白い球体に突っ込んで行く。
そして体を白い炎で焼かれながらも貫きゼンの右の拳が才道のお腹に直撃した!

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