クラス転移でみんな勇者なのに俺だけ魔王だった件

ニートは引きこもりたい

苦戦

ゼンが才道と戦っている間エルの方も本格的に戦闘が始まっていた。
1度に数十体の魔物がそれぞれスキルを使うもエルは,

「反射」

そう一言唱えるだけでほとんどの攻撃はそれを破れず放った本人へと跳ね返っていく。

「はあ、お兄ちゃん大丈夫かなぁ。」

つまらなそうにため息をつきながらエルはそう言う。
その間も魔物たちは攻撃を繰り返すが,

「無駄だ,お前たちの敵う相手ではない。」

静かに放たれたその一言で魔物たちの攻撃が止まる。

「アナタはだあれ?」

「俺は,イムフル。
ムラクモの上魔だ。」

(ムラクモ?
あぁ,お兄ちゃんが倒した悪魔か。)

「上級悪魔じゃ私に勝てないよ。」

そうエルが宣言すると,
イムフルは笑い,

「ふっ,奴は上級悪魔でも赤だった。
私は黒だ。
キサマはどこまでの上級悪魔に勝てるのだ?」

イムフルがそう聞くと、

「なにそれ?
赤でも黒でも同じじゃないの?」

エルは首を傾げながらそう言った。

「なんと,階級の設定を知らないのか。
ならば聞くことはない。」

「ちゃんと教えてよ!」

「敵のキサマに教える義理などない。」

そう言うと黒い炎がエルを襲った。



エルはそれを跳ね返そうとしたが反射が破られはね返せず少し攻撃をくらってしまった。
  しかし,少しも慌てずエルが,

「光,雨。」

と唱えると,イムフルの遥か頭上から無数の光の雨が降り注ぐ,それを霧状になり避け,次は黒い玉を無数に作りエルに飛ばした。
  エルは光のバリアで自分を守った後,

「爆発,剣。」

と唱えイムフルの目の前を爆発させると,爆発の中から無数の剣がイムフルを襲った。
それをイムフルは,

「部下のお返しをさせてもらおう。
『反射』」

そう唱え,剣を全てエルに跳ね返した。
エルはそれを飛んで避けて,

「弾丸,空気,触れる,爆発。」

そう唱え,空気の弾丸をイムフルに飛ばす。
  イムフルは避けず爆発をくらったが,何事もなかったかのようにエルに近づき黒い風の玉を右手に集めエルのお腹に当てる。
  当たった瞬間,エルは吹き飛ぶが,

「雷,龍,追跡。」

すると,空から雷の龍が降臨した。
イムフルは,それを避けるが,龍は意思があるかのようにイムフルを追いかけた。
  その間にエルは,自分にヒールをかけダメージを回復した。
  イムフルは,風の龍を出し雷の龍と真正面から相対させた。
  すると,一気に大雨になるがエルの雷竜は,弱ってはいるがまだ存在していた。
  エルは,その弱った雷竜を雷球にしイムフルに向かって飛ばした。
  イムフルは,それをバリアで回避した。

「ふむ,こちらは,相性が良くないですねぇ。
ではそろそろ本気で行きますか。」

そう言うと,イムフルは自身に風を纏わせ,

「バースト。」

そう言い地面に向けて纏わせた風を放った。
  すると,地面にぶつかった風が地面をはしり魔物たちを空に浮かばせた。
そして,先程の影響で今も落ちる雷を見て,

「アナタの雷利用させてもらいますよ。
『雷嵐』」

そう言うと,竜巻に雷が纏わりエルの方に向かってくる。
  エルは、防御に集中するが、耐えきれずかなり後方に吹き飛んだ。


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