“無能”から始まる世界最強

つかっちゃ

No.19 狐人族の村

「転移魔法を使うといったが何かする事は無いのか?」
「あ、なら私に触れていてください。転移できなくなるので」 
「「分かった(のじゃ)」」
転移魔法テレポート

すると一瞬の浮遊感の後、別の場所まで転移した。村の中心に出たみたいで皆からとても驚いた表情をした。もしや敵なのでは!?と身構えられたがエマを見た途端皆安心したようで何事も無かったかのようにした。

「ようこそ!ここが狐人族の村です!」
「へぇ、自然が豊かで村と森が調和しているいい所だな」
「うむ。空気も澄んでいていいのじゃ」
「そうでしょう。自慢の村なんですよ!」

周りを見渡すと大きな木が空を覆い被さんばかりに葉を広げていて、隙間からの空の風景、木漏れ日がより一層この村の綺麗さや雰囲気がよく見える原因の一つだろう。そしてある事に気が付いた。

「ん?皆髪の毛とか耳とか尻尾は金色なんだな」
「そうじゃな。妾も会った時から思っておったのじゃ」
「その話は後でしますのでお礼を兼ねて私の家に是非来てください!」
「それじゃお言葉に甘えるとするか」
「じゃな」

そうしてエマの先導の元付いていった。途中で小川があり、そこには見た事もない花や知らない鳥などが居て心が和んでいくのが分かった。──うん。いい所だな。






5分ほど歩くと他の家とは少し雰囲気の違う家があった。

「ここが私の家です!遠慮なく上がってくださいね」

中に入るとエマの親と思われる人が居た。

「おや?そこのお二人はどうしたんだい?」
「えっとね、命の恩人、かな」
「…何があったの?」
「えっとね…」

街に出かけると色んな人が注目してくるので裏道に近いところに居たら見知らぬ3人組が気配を消して近づいてきていて、突然首に何かがつけられたと思ったら奴隷化の首輪だった。身体能力でどうにかしようとしたら麻痺毒の塗ってあるナイフで切られてしまい、気づけば強姦されそうになった。そこにエマの叫び声に気づいた雅久とリオが助けてくれたことなど大まかに説明していた。

「そんな事が…すまない。雅久殿、リオ様ありがとう。心から感謝するよ」
「たまたまだ。」
「たまたまだったとしても救ってくれたのは事実です。私からも、本当に有難うございます」

とエマの父と母がお礼を言ってきた。悪い気はしないがむず痒い。ので早く話を変えたかったので名前や気になっていたことを聞いた。

「ああ、自己紹介がまだだったな。俺はこの村の村長を務めている、エルミス・シャミールという。今後共よろしく頼むぞ雅久殿」
「私はエルミスの妻のナーシャ・シャミールと言います。よろしくお願いしますね」
「村長だったのか。よろしく頼む。」

二人ともとても若く見える。エルミスは金色の髪を後ろに回してオールバックのようにしていてナーシャはポニーテールのように後ろでまとめている。まだ二十代前半だと言われても素直に信じるほど二人とも若く見えた。しかし、

「ああ。こう見えてももう俺達は200歳を超えているからな。と言ってもエマはまだ16歳だがな」
「エマはやっと出来た私達の自慢の娘なの」
「へぇ、大事にされてるようで何よりだ。それよりも聞きたいのだが、エマだけなぜ黒髪なんだ?」
「それは自分の事なので私が話しますね。狐人族は本来、人によって誤差はありますが金色の毛をしています。ですが私は所謂“先祖返り”なようで普通の狐人族と違う能力やステータスを持っています。」
「へぇ、興味あるな。詳しく頼む」
「はい。まず狐人族は皆ほぼゼロに等しいほど魔力を保有しません。しかし狐人族は全員持っているスキル“幻術”があり、自身の精神力、体力を削りますが魔法と同等の技が使えます。でも私は先祖返りの影響で魔力を持っていて魔法を使うことが出来ます。他には恐らく誰も持っていないであろうスキル“本能解放クルサイオン”という獣本来の姿になるスキルを持っています。このスキルを発動すると九尾になってステータスが跳ね上がる強力な物なんですが…」
「ここからは言いにくいわよね。代わりに私が説明します。今では余り目立ってはいませんが、ちょっと前まではその余りの特異な存在故に同族ですら迫害の対象にしてしまい、とても辛い人生を送ってきました。人間にもその能力の事がしれてしまって昔住んでいた村も帝国兵がやってきて滅ぼそうとしたのですがこの子が命をかけて皆を守ってくれました。その後から帝国は狐人族を攫うようになり、このままではいけないと、村のみんなでここまで来て狐人族総出で巨大な結界をはり、今に至るのです。」

迫害の対象、か。雅久は無意識にエマの頭に手を乗せてしまった。

「そうか。辛かったんだな」
「っ!……はい」

拒絶されなかったが嬉しかったのか涙を目に溜めた。ここまで言ってくれた事のお返し(?)として雅久も自分の能力について話た。

本能解放クルサイオン、ね。別に恐れる事でもないと思うがな。」
「「「え?」」」
「俺とリオは人間じゃないしな。竜人族だ」
「「「竜人族!?」」」
「竜人族って、あの伝説の!?!??」
「なんだ?伝説って。まあいいか。つまり俺もリオもそれと似たような事ができるから別に怖がる事でもないと言う事だ」
「……なるほど。道理でびっくりしないわけだ」
「ああ。」
「君たちのような人に救ってもらえて本当に助かったよ。改めて礼を言う。礼と言ってはなんだがしばらく泊まっていかないか?」
「そうか?ならお言葉に甘えるかな」
「よろしくなのじゃ」

そうしてエマの家に泊まることになった。

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コメント

  • ノベルバユーザー274598

    いつも通りに静かに読み続けてたら面白く成ってきましたな

    0
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