見ていてね、生きていてね

未硝詩 うい

錦戸恵太

朝が来た。いつも通り八時半に起床。朝食をとって九時十五分に家を出る。すると学校に九時半について二時間目から授業に参加。

「皇さん…」

いつも通り僕に向けられる異物を見る目。その目は僕に出てけと言っていた。まあこれもいつもの事、もう慣れた。

いつも通り、窓際一番前の席。自席に着いた。財布しか入っていないカバンを席の脇にかけると授業が始まるまででも始まってでも寝た。






「皇さん! 」

授業が始まったらしく、教師が僕を呼んだ。

「なんですか? 」

「もう授業が始まってるので起きていてください」

教師は僕を見て怒りそうになったがぐっと堪えて落ち着いて言った。

僕は起きたが授業を受ける気もなく、窓の外の代わり映えのない景色を眺めていた。


キーンコーンカーンコーン


チャイムがなった。それを聞いた教師は授業をやめ、挨拶をした。

「明日からテストの二週間前なのできちんと復讐しておいてください」

そっか、もうそんな時期か。テスト前なら家で勉強する方が効率がいい。それにここにいても何も学ぶことなんてないし。


ガタッ


僕は席から立ち上がって教室からでた。手にはカバンだけを持っている。

「あ、皇さん! 」

後ろから男の声がした。私が舌打ちをして不機嫌に振り返ると、どこかで見たような気がする人物が立っていた。

「あ? 誰? 」

「錦戸恵太です! 皇鈴さんだよね? 」

思い出した。昨日のやつだ。

「話しかけんな。鬱陶しい」

それにまわりがヒソヒソとしていてそれも鬱陶しい。転校してきたばかりで変に思われるのもいい気がしないだろうし何よりウザイ。

「昨日のお礼がしたいんだけど」

「僕は帰る。邪魔すんな」

僕は錦戸恵太を突き放してとっとと帰ろうとした。

しかし、

「体調大丈夫?」

錦戸恵太はいきなり腕を掴んでそう言ってきた。

「離せ! 」

僕は錦戸恵太を思いき睨んで言った。それでも手を離さなかった。

「保健室に行こう」 

手を離さないどころか人の話も聞かずに保健室まで強制連行された。

「体調悪くねえよ、いい加減離せ」

保健室の前まで連れてこられてようやく言えた。人の話を聞かずにずっと引っ張るから冷静になれず言えなかった。

「え、そうなの? じゃあ帰るって…」

「チッ…サボりだよ! 悪いか? 」

ここまで言えばもう何も言ってこないだろ。それでいい。

「よかった…」

「………は? 」

「体調悪いと思って心配したよ」

予想とかけ離れた答えに少し戸惑った。こんな反応されたことないし予想をしたこともなかったからだ。

「は? サボるって言ってんのにそれは無いだろ」

「それは人それぞれだと思うよ。少なくとも俺はね」 

ダメだ。この男のそばにいたら僕まで変な人になる。

「僕は帰るからそろそろ手を離してくれないか? 」

「あ、ごめんごめん。またね」

もう話すことはねえよ。どうせこんな明るい性格なら人気も出るだろうし、僕に近ずきたくもなくなるだろうよ。

僕は錦戸恵太のその言葉を無視して学校からでた。こんな奴にはもう関わりたくもない。

もうテスト当日まで家とコンビニを往復するだけで引きこもるか。



二週間後、テスト当日に錦戸恵太がどんな対応するか、この時の僕は知るよしもなかった。







佐々木です

どっかで見たことのある終わり方だなー

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