見ていてね、生きていてね

未硝詩 うい

好き…

好きってどんな気持ち?喜怒哀楽、どれに当てはまる?

いいえ、当てはまらない。時に嬉しくて、時に悲しくて、時に怒りたくなる…。私にとってはそんな不思議な感じかな。

私にとっては?じゃあ人によって違うの?

うん。たぶん違うよ。君も早くわかるといいね。

僕の好きか…。どんな感じだろう。少し気になる。

あ、そろそろ時間だ…。じゃあねりんちゃん!また会おうね。

うん。バイバイ。早姫姉さきねえ!帰ってきてね!

………

………………

それから三年が経って、僕は早姫姉にもう二度と会えなくなった。

…………

早姫姉は僕に会うために帰ってこようとしたのに…。

……………………

早姫姉はテロに巻き込まれた。

留学から帰ってきて、ようやく会えて、うれしいって言いたかった。

あっちの国の空港でのことだった。

僕の家族と早姫姉の家族は謝られた。早姫姉を留学させたこと。

あのとき早姫姉はたった一人で店に入っていたという。僕のためだ。

早姫姉は、優しかった。きっと自分が巻き込まれたことが悪いとテロリスト達も憎まないだろう。

いや、厳密には死んでいない。


植物状態


ほぼ死んだに近かった。会えるけど話ができないじゃあそうだ。

僕は、早姫姉がテロに巻き込まれたことを聞いてから二ヶ月が経った今まで一度も泣いていない。

泣けない。

それほど信じられなかったんだ




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