地球にダンジョンがやってきたので、モンスター娘達とやりたい放題で世界最強冒険者になることを目指す
ダンジョンクリアした件
誰でもボクシングは知ってるいだろう。
足を使うとキックボクシングとなるが、通常のボクシングは拳で戦う。
殴って、勝てばいい。
俺はボクシングなんてしたこともない。拳で語り合う、ツッパリの喧嘩もしたことない。
もちろん、なりたかったわけでもない。と言うか、俺は昭和の人間ではない。
なりたかったと言えば、戦国武将の織田信長か──かの有名な三国志の武士で政治家・軍師の諸葛亮だ。
頭がいい諸葛亮。鉄砲を使った足軽戦法を考えた織田。
でも俺は頭は良くない。良かったら大学に行って、もっと頑張っているさ違うところで!
だから肉体派だ。関羽だ関羽。
荒い性格で、喧嘩ごとが大好きな関羽だ。
肉体派だ俺も。
「もうダンジョンはこれっきりでいいが、またお世話になるなら──これにもお世話になるだろうさ。だから俺はこれをの天下無双モード……PeerlessModeと名付けよう!」
「よく分からないですけど、多分それでいいと思います!」
「さぁギミック達! やりたい放題やると決めたこの俺とモンスター娘を襲った罰として天誅を喰らわすぞ!」
なんてカッコイイこと言って、顔が残念だからセリフだけが一人で歩いていく。
ギミックを十五体。ただ殴ればそれで終わる。
だから俺から仕掛けるのはまずありえない。
俺の方へ集団で飛びかかってきた、そこを纏めて叩く。
手を食われないように、ストレートではなくフックで。
「よっしゃこい!」
「「…………ギ?」」
「来いよー! てか来てくれ、飛びかかって来てくれ倒せないから! なんか俺が痛い奴で終わるから頼むから来てくれ!」
空気を全く読んでくれはしないギミック達は、隣の奴と目を合わせるなり「?」マークを浮かべてくれた。
今俺は、痛いただの中二病患者だ。
「あーもう! 俺から行ってやるこんチクショウ! ──覚悟しろよおおおおおお!」
「「──ギギギィ!」」
俺が力強く地面を一蹴りしてギミック達に飛びかかると、それに応えてくれた。
しっかりとギミック達は一つの集団となって俺に向かってきてくれたのだ。
やればできる奴らだと俺は信じていた。うん、これ本当。
そして右拳に力を入れ、青い風を纏わり付かせてギミックを一体……三体……十体……十五体! とぶん殴って倒した。
拳でモンスターを倒す。訳の分からない力が、テイナちゃんの胸のおかげで働いた……ありがたやありがたやだ。
サンキュー神様、さらばギミック。
「さて、ギミックは倒したし……行こうか」
「はい! あ、手繋ぎます!?」
「……いいよ。ほら、おいで」
多分俺は今、テイナちゃんの手を握って正解だったのだと思った。
もし繋いでいなかったら……何かが起こることが確定していただろうからだ。
超巨大人食いフラワー? アナコンダ? ピンク色のクソゴリラか? この中に無くとも、確定的にテイナちゃんが危機に直面することだっただろう。
だってほら──現に巨大山猿に出会ってしまったのだから。
「ギミックの次はコイツか!」
「コイツはボスファンキーです!」
「そのままなのか!? 捻りはどこへ風と共に吹けていったんだ!?」
※※※
とりあえず、ここが今何処なのか分かる奴は説明して欲しい。
初心者ダンジョン? 練習施設? 笑わせないでくれ。あんなデカ物、どう勝てばいい。明らかモンスターバランスが狂っている。
「何とか……何とか……ハァ……ハァ……逃げ切りましたね」
「あんなの居ていいのかよ……ハァ……ハァ……。死ぬかと思った」
「少なからず、一撃で死んでいましたよあのデカさ。ボスファンキーでも、体長五メートル以上は成長しすぎです!」
ボスファンキーは体長二メートル後半が一般的で、五メートルまで成長すると希少種認定される中型モンスターだと言う。
まぁ、二メートル後半でも猿の域を超えているけどな。
「モンスター娘が、私以外に居たら……役立たずの私より強い人が……」
息を整えたテイナちゃんは、木に背中をつけて座り込み、一人で落ち込んでしまった。
フリーフォールみたいな性格をしているな。
「誰もそんなこと思っていないぞ? テイナちゃんの知識が無かったら、俺はモードが切れた中でも調子に乗って戦っていたからありがとうな」
「本当ですか? ……私、両親亡くして冒険者になったまではいいけど、役立たずで。レベル上げに来たここでモンスター粒子に侵食されたんです。実力が無いんです……弱いんです」
こういう軽いシリアス過去に言うてあげることは一つ。
「強くなればいい」
絶対にチョイスを間違えた。
「そうですね! 頑張りますよー!」
いや、間違えていない様だった。
フリーフォールが一番最頂点まで昇ったと様で俺は安心する。
他にモンスター娘が増えても、一人も二人も変わらないが、できるならテイナちゃん一人を地上で世話するくらいの家事力は無い。
金銭面は全然大丈夫。
両親は事故で同日他界、マンションの部屋は広めでむしろ寂しいくらい。
増えても増えなくてもいいのだが、家事を俺が全てするのは嫌だ。
「まぁ、モンスター娘が増えるなら増えるで、家事をしてくれないとな」
「私も家事をするのですか!?」
「当たり前だ驚くなよ! てか、タダで住めると思ったら間違いだぞ? 働かざるもの食うべからずだ」
「働かざるもの食うべからず。それは昔の人の考えです」
「今も変わらーん」
そう、働かざるもの食うべからず。母によく言われた言葉だ。
元引きこもり体質だった俺は、父母を亡くしてからその言葉を聞くことが無くなった寂しさからか働こうと通信制高校に通って就職できた。
肉体派かと言われるとそうではないが、営業も稀にあって肉体派の時もある。
もしこの仕事が無断欠勤二日記録で辞めることになったら、肉体派のところにでもいこう。
……いや、ダンジョンで生きるのもいいかもしれない。まぁ、存在しないから今回の一度きりだろうがな。
「なぁ、地上に出たら仕事どうしようか俺」
「ダンジョンのランキング報酬とかはダメですか?」
「地球に存在しないと聞いているぞ?」
「あ、それに関しては大丈夫かと──ゴールポイントですよ! ゴールポイント!」
何だかんだこうだあーの言いながら歩いていると、ゴールポイントに出た。
が! ダンジョン……どうした? なんかショボかった割に楽しかったぞ!?
ゴールポイントに出た俺とテイナちゃんだが、出ることを少し互いに躊躇う。
俺は、仕事をどうしよう……。
テイナちゃんは、本当に地上に出ていのか……だろう。
不安にならないで欲しい。
俺が良いのだから、いいんだ。
モンスターにさえ、人前ではならないと誓ってくれるなら。
「怖い? それとも、不安? ……俺に迷惑かけるとか?」
「はい……」
「じゃあ──出たらもう心配することはないっ!」
俺も仕事の件についてはすっ飛ばし、テイナちゃんの手を握ってゴールポイントの七色に光るゲートを抜けた。
そしてゲートは、ただの岩壁と化した。
「もう帰れないぞー?」
「強引ですよ! ……フフッ! でも好きです、そう言うところ……フフフッ!」
「……さぁ、そこのカウンターで色々とやって出ようか。早いけど、ようこそ地球へ! これから変わるだろうことを期待できる青い星へ!」
俺とテイナちゃんは、二日間のショボくて久しぶりに楽しむことのできた初心者ダンジョンをクリアした。
だがこの時の俺は、自分がβ版ダンジョンのテスターに選ばれたことと、地球に何万というダンジョンが出現して社会現象にまで発展していることを知らなかったのだ。
足を使うとキックボクシングとなるが、通常のボクシングは拳で戦う。
殴って、勝てばいい。
俺はボクシングなんてしたこともない。拳で語り合う、ツッパリの喧嘩もしたことない。
もちろん、なりたかったわけでもない。と言うか、俺は昭和の人間ではない。
なりたかったと言えば、戦国武将の織田信長か──かの有名な三国志の武士で政治家・軍師の諸葛亮だ。
頭がいい諸葛亮。鉄砲を使った足軽戦法を考えた織田。
でも俺は頭は良くない。良かったら大学に行って、もっと頑張っているさ違うところで!
だから肉体派だ。関羽だ関羽。
荒い性格で、喧嘩ごとが大好きな関羽だ。
肉体派だ俺も。
「もうダンジョンはこれっきりでいいが、またお世話になるなら──これにもお世話になるだろうさ。だから俺はこれをの天下無双モード……PeerlessModeと名付けよう!」
「よく分からないですけど、多分それでいいと思います!」
「さぁギミック達! やりたい放題やると決めたこの俺とモンスター娘を襲った罰として天誅を喰らわすぞ!」
なんてカッコイイこと言って、顔が残念だからセリフだけが一人で歩いていく。
ギミックを十五体。ただ殴ればそれで終わる。
だから俺から仕掛けるのはまずありえない。
俺の方へ集団で飛びかかってきた、そこを纏めて叩く。
手を食われないように、ストレートではなくフックで。
「よっしゃこい!」
「「…………ギ?」」
「来いよー! てか来てくれ、飛びかかって来てくれ倒せないから! なんか俺が痛い奴で終わるから頼むから来てくれ!」
空気を全く読んでくれはしないギミック達は、隣の奴と目を合わせるなり「?」マークを浮かべてくれた。
今俺は、痛いただの中二病患者だ。
「あーもう! 俺から行ってやるこんチクショウ! ──覚悟しろよおおおおおお!」
「「──ギギギィ!」」
俺が力強く地面を一蹴りしてギミック達に飛びかかると、それに応えてくれた。
しっかりとギミック達は一つの集団となって俺に向かってきてくれたのだ。
やればできる奴らだと俺は信じていた。うん、これ本当。
そして右拳に力を入れ、青い風を纏わり付かせてギミックを一体……三体……十体……十五体! とぶん殴って倒した。
拳でモンスターを倒す。訳の分からない力が、テイナちゃんの胸のおかげで働いた……ありがたやありがたやだ。
サンキュー神様、さらばギミック。
「さて、ギミックは倒したし……行こうか」
「はい! あ、手繋ぎます!?」
「……いいよ。ほら、おいで」
多分俺は今、テイナちゃんの手を握って正解だったのだと思った。
もし繋いでいなかったら……何かが起こることが確定していただろうからだ。
超巨大人食いフラワー? アナコンダ? ピンク色のクソゴリラか? この中に無くとも、確定的にテイナちゃんが危機に直面することだっただろう。
だってほら──現に巨大山猿に出会ってしまったのだから。
「ギミックの次はコイツか!」
「コイツはボスファンキーです!」
「そのままなのか!? 捻りはどこへ風と共に吹けていったんだ!?」
※※※
とりあえず、ここが今何処なのか分かる奴は説明して欲しい。
初心者ダンジョン? 練習施設? 笑わせないでくれ。あんなデカ物、どう勝てばいい。明らかモンスターバランスが狂っている。
「何とか……何とか……ハァ……ハァ……逃げ切りましたね」
「あんなの居ていいのかよ……ハァ……ハァ……。死ぬかと思った」
「少なからず、一撃で死んでいましたよあのデカさ。ボスファンキーでも、体長五メートル以上は成長しすぎです!」
ボスファンキーは体長二メートル後半が一般的で、五メートルまで成長すると希少種認定される中型モンスターだと言う。
まぁ、二メートル後半でも猿の域を超えているけどな。
「モンスター娘が、私以外に居たら……役立たずの私より強い人が……」
息を整えたテイナちゃんは、木に背中をつけて座り込み、一人で落ち込んでしまった。
フリーフォールみたいな性格をしているな。
「誰もそんなこと思っていないぞ? テイナちゃんの知識が無かったら、俺はモードが切れた中でも調子に乗って戦っていたからありがとうな」
「本当ですか? ……私、両親亡くして冒険者になったまではいいけど、役立たずで。レベル上げに来たここでモンスター粒子に侵食されたんです。実力が無いんです……弱いんです」
こういう軽いシリアス過去に言うてあげることは一つ。
「強くなればいい」
絶対にチョイスを間違えた。
「そうですね! 頑張りますよー!」
いや、間違えていない様だった。
フリーフォールが一番最頂点まで昇ったと様で俺は安心する。
他にモンスター娘が増えても、一人も二人も変わらないが、できるならテイナちゃん一人を地上で世話するくらいの家事力は無い。
金銭面は全然大丈夫。
両親は事故で同日他界、マンションの部屋は広めでむしろ寂しいくらい。
増えても増えなくてもいいのだが、家事を俺が全てするのは嫌だ。
「まぁ、モンスター娘が増えるなら増えるで、家事をしてくれないとな」
「私も家事をするのですか!?」
「当たり前だ驚くなよ! てか、タダで住めると思ったら間違いだぞ? 働かざるもの食うべからずだ」
「働かざるもの食うべからず。それは昔の人の考えです」
「今も変わらーん」
そう、働かざるもの食うべからず。母によく言われた言葉だ。
元引きこもり体質だった俺は、父母を亡くしてからその言葉を聞くことが無くなった寂しさからか働こうと通信制高校に通って就職できた。
肉体派かと言われるとそうではないが、営業も稀にあって肉体派の時もある。
もしこの仕事が無断欠勤二日記録で辞めることになったら、肉体派のところにでもいこう。
……いや、ダンジョンで生きるのもいいかもしれない。まぁ、存在しないから今回の一度きりだろうがな。
「なぁ、地上に出たら仕事どうしようか俺」
「ダンジョンのランキング報酬とかはダメですか?」
「地球に存在しないと聞いているぞ?」
「あ、それに関しては大丈夫かと──ゴールポイントですよ! ゴールポイント!」
何だかんだこうだあーの言いながら歩いていると、ゴールポイントに出た。
が! ダンジョン……どうした? なんかショボかった割に楽しかったぞ!?
ゴールポイントに出た俺とテイナちゃんだが、出ることを少し互いに躊躇う。
俺は、仕事をどうしよう……。
テイナちゃんは、本当に地上に出ていのか……だろう。
不安にならないで欲しい。
俺が良いのだから、いいんだ。
モンスターにさえ、人前ではならないと誓ってくれるなら。
「怖い? それとも、不安? ……俺に迷惑かけるとか?」
「はい……」
「じゃあ──出たらもう心配することはないっ!」
俺も仕事の件についてはすっ飛ばし、テイナちゃんの手を握ってゴールポイントの七色に光るゲートを抜けた。
そしてゲートは、ただの岩壁と化した。
「もう帰れないぞー?」
「強引ですよ! ……フフッ! でも好きです、そう言うところ……フフフッ!」
「……さぁ、そこのカウンターで色々とやって出ようか。早いけど、ようこそ地球へ! これから変わるだろうことを期待できる青い星へ!」
俺とテイナちゃんは、二日間のショボくて久しぶりに楽しむことのできた初心者ダンジョンをクリアした。
だがこの時の俺は、自分がβ版ダンジョンのテスターに選ばれたことと、地球に何万というダンジョンが出現して社会現象にまで発展していることを知らなかったのだ。
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