僕と異世界と主人公と

ノベルバユーザー269454

入学試験 - after

試験が終わり家に帰ってきた。早く帰ろうとしたらサリウス兄さんを待たないといけなかったため既に日が暮れている。


「「ただいまー」」

あー、疲れた。サリウス兄さんも疲れているみたいだ。3学年以上は入学試験のテスト配りなど手伝いと片付けがあったらしい。まったくお疲れさまである。


「「おかえりー!」」

すっとんで来たのは我が家の双子ちゃんである。いつも元気な二人を見ているとちょっと元気がでる。


「荷物をお預かり致します。晩御飯の準備が出来ております。」

このできる男はセバスチャンだ。もちろん執事である。正確には「セバスルツ・を・チャン」らしい。略してセバスチャン。ちなみにセバスチャンの父は「セバスリオン・を・チャン」という。セバス~~チャンという名前は固定らしい。「を級」の名前は代々執事を任される家系のみが名乗ることを許されている。王宮で働く執事のセバスチャンもマルフォイの家で働くセバスチャンもうちのセバスチャンの親戚らしい。もはやゲシュタルト崩壊レベルなので考えるのをやめた。


「みんな席に着いたね。では神と自然に感謝を」

父さんが挨拶する。


「「「「「「神と自然に感謝を」」」」」」

この世界に転生して5年もたつのに[いただきます]と言いそうになる。


「シリウス。試験はどうだったんだい?」

「ああ、父さん。平均77点とれるぐらいには出来たはずだよ」

「平均77点?」

やばい。また墓穴を掘った。真面目な父さんは手を抜くのが大嫌いなんだ。さてどうする。

「い、いやぁ~、ラッキー7の並んだ数字が取れたら今後の学園生活は楽しくなるだろうなって思って平均77点って言ってみただけだよ~」

く、苦しい。我ながら苦しい言い訳だ。


「まあ今回は入学できれば問題ないけど次手を抜いたら許さないからね。シリウスはやれば何でも出来る子なんだから。」

「はーい(いや、本気出したらこの世界ぶっこわれるから。手を抜くのがデフォルトだから!西門の先にある山に空いた穴も実は僕のせいだら!ほんとごめんなさい!これからも全力で手を抜きます!)」


「サリウスは今日は入学試験の手伝いだったんだろう?お疲れだったね」

父さんはこうやって家族に話をかけるのがいつもの流れになっている。


「はい!今日は新入生になるであろう人たちの前だったのでより一層気を引き締めてお手本となるような振る舞いを致しました!」


「サリウスは僕に似て真面目だからね。信頼してるよ。でもたまには気を抜かないと疲れちゃうよ」

父に信頼されていると分かりニヤけるサリウス兄さん。横を見ると背中で隠しながらガッツポーズをしている。

そのガッツポーズを見ている僕に気づいて照れ隠しするように笑うサリウス兄さん。


「スリウスとセリナは今日は何したのかな?」

「ムグムグモゴ」

スリウスとセリナは食べることに夢中で口にご飯が入っているため喋れないようだ。


「今日はソリウスと遊んであげたのよね~」

母さんがパスを出す。

「そうか、スリウスとセリナはもう立派にお兄ちゃんとお姉ちゃんだね」

父さんの言葉に嬉しそうにするスリウスとセリナ。でもご飯を食べる手は止めない。

僕もそうだが、魔力が多い人ほど大食いの傾向があるようだ。双子ちゃんは飛び切り魔力が多いため食べても食べても足りないんだろう。今度自然から魔力を体内に取り込む方法を教えてあげないとな。


「合格発表は10日後だったね。10日後はホワイトタイガーのお肉でも取り寄せようか」

やめて父さん!うれしいけど!120%受かってるけど!落ちてたらどうしようとか考えちゃうから盛大に祝うのはやめて!


「はい、では冒険者ギルドへ依頼を出しておきましょう。今であればA+ランクの[小鳥たちの宴]パーティとA++ランクの[更なる高みへ]パーティが街に滞在しております」

さすがセバスチャン。なんでも知ってる。もしかしたら誰よりもチートなのかもしれない。


「そうか、[更なる高みへ」は強いけど男ばっかりで雑なんだよね。残滅戦では活躍するけど、、、今回は食用に欲しいから仕事が丁寧な[小鳥たちの宴]に任せようか」


「かしこまりました。ではそのように手配しておきます」

...







...

ベッドに入ってからギルドのことを考える。

ギルドに早く登録したいが登録可能年齢が10歳以上なのだ。初等部5年を卒業してからじゃないと登録できないのだ。早く中等部に上がりたいものである。


ちなみにギルドのシステムとしてランクは上から

S++

S+

S

A++

A+

A

B++

B+

B

C

D

E

F

となっている。

考え出すと眠れないのでギルドのことは初等部5年になってから考えよう。


今日も楽しい一日だった。僕は意識を手放した。



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