《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする

執筆用bot E-021番 

103話~入江へ向かう道中~

 入江へ向かう道中――。



 木々の茂みにはさまれた小道を歩いた。シドは大人しくついて来た。髪の色は違うがシラティウスとシドは並ぶと、ますます酷似していることがわかった。



神の図書館アカシック・レコードとやらへが目的か?」
 と、セイは切り出した。
 それについて、何か情報を引き出せるかと思った。



「そう」
「なんなんだ。神の図書館ってのは」



「シルベ教の古い聖典に記されている。神の図書館にはすべての〝印〟が保管されている。そのなかに、〝完全印〟という印があるそうです」



「〝完全印〟……?」



「手にいれると、完璧な個体になれると聞いています。永遠の命が、手に入る」



「マジか」



「私はドラゴンハンターとして、すべてのドラゴンを屠るために、人を越えたチカラが欲しい。そのためにヤツらに手を貸しているのです」



 ヤツら――というのは、タギール・ジリアルやマッシュ・ポトトのことだろう。



「よほどドラゴンが憎いんだな」
「男も嫌いです」
 と、シドはセイのことを睨んできた。



「やっぱり、オレが男だって気づいてたか」
 そう言ってセイは〝男女印〟による変装をといた。



「ドラゴンから男に、そして女になっているところを、私は目撃しています」
 シドは淡々と述べる。



「はじめて会ったときだな」
「そう」



 だからフィーの姿になって、シドはセイに接触をはかってきたのだ。



「父親がドラゴンと駆け落ちしたってのは、まあ、無責任なことだとは思うが――しかし、シラティウスを憎むってのは、チョット筋が違うだろう」



 セイがそう言った。



 シラティウスとシドの視線が衝突していた。2人とも無表情のままだ。が、その視線には互いへの敵意が込められているようにも見えた。



「ここまで来れば、もう邪魔は入らないのです
 と、シドが足をとめた。
 いつの間にか小道を抜けて、入江に到着していた。

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