《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする
第61話~朝食~
3人の乙女が目をさました。
冒険者ギルドで朝食をとることにした。冒険者ギルドのロビーでは食事も出していた。セイは豚の生姜焼きとポテトサラダをいただいた。生姜焼きは甘辛く、ポテトサラダはほんのりとジャガイモの甘味があった。
美味しい。
いくらでも食べられる。
値段は4シルバーと50カッパー。
安い。
お金は既存のものを使っている。金貨、銀貨、銅貨の3種類がある。紙幣と違って硬貨には、それ相応の価値がある。とはいえ、この混乱の中で、通貨がどこまで通用するのかはわからない。
都市サファリアでは問題なく機能しているが、他では強盗などが横行していることだろう。都市サファリアだけで通じる紙幣を配るのか、それとも、このまま硬貨でやっていくのかは、自治都市を運営している者たちが考えることだろう。
「おはようございます。セーコさま」「他にも何かお持ちしましょうか?」「良ければ私の分も食べてください」
女たちは、セイにたいして媚びへつらっている。男だと正体がバレているわけではない。それはない。
《キングプロテア級》の冒険者として尊敬されているのが1つ。しかしそれよりも何より、セーコがクロカミ・セイの姉だという設定にしたのが原因だ。
女たちは決まってこう言うのだ。「どうかセイさまに、私が良い女だとお伝えください」「私のもとに会いに来るように言っておいてください」「いいえ。私こそセイさまの女として相応しいかと」……。
「なによ、あんたなんか」「あんたはセイさまに見向きもされないわよ」「私と逢瀬をかわしてくださるに決まってるのよ」
口論になる。
それをいさめるのは、セイの役目だ。
「まあまあ」
と、仲裁に入る。
疲れる。
セイは私の弟だが、居場所を知っているわけではない――と何度も言っているのだが、媚びへつらいゴマをすりすり、女たちは寄ってくる。
うれしくないわけではない。セイだって本性は男。異性から熱望されるのは有りがたい。有りがたいのだが、あまりに激しすぎるのだ。実際に会ったら、四肢をもがれるんじゃないかとさえ思う。
「相変わらず人気ものだな。貴殿は」
キリアがそうつぶやいた。
「姉なんて設定にしなけりゃ良かったですよ」
「仕方あるまい。当たり前だが、どことなく面影はあるし、名前にもひねりがないのだからな」
クロカミ・セイとクロカミ・セーコである。
名前をもっと工夫すれば良かった。
実際いい男だから仕方ないわよ――とフォルモルが口をはさんだ。ケルベロス騒動の一件があってから、フォルモルは熱っぽい視線をセイに注ぐようになった。
「いい男――か。強いことは認めるが、私はもう少し年上で筋骨隆々の男が好みなのだがな」
キリアが言う。
「キリアも、アソコをナめさせたんでしょう」
「は、破廉恥な言い方をするな。印を重ねた。それだけだ」
キリアは食べていたトーストを口に押しこんでいた。
どうもキリアは性的なことにたいして嫌煙している節がある。淫らなことを嫌っているのか、照れ隠しなのかはわからない。一方、シラティウスは無表情のまま、ホットミルクをすすっていた。
冒険者ギルドで朝食をとることにした。冒険者ギルドのロビーでは食事も出していた。セイは豚の生姜焼きとポテトサラダをいただいた。生姜焼きは甘辛く、ポテトサラダはほんのりとジャガイモの甘味があった。
美味しい。
いくらでも食べられる。
値段は4シルバーと50カッパー。
安い。
お金は既存のものを使っている。金貨、銀貨、銅貨の3種類がある。紙幣と違って硬貨には、それ相応の価値がある。とはいえ、この混乱の中で、通貨がどこまで通用するのかはわからない。
都市サファリアでは問題なく機能しているが、他では強盗などが横行していることだろう。都市サファリアだけで通じる紙幣を配るのか、それとも、このまま硬貨でやっていくのかは、自治都市を運営している者たちが考えることだろう。
「おはようございます。セーコさま」「他にも何かお持ちしましょうか?」「良ければ私の分も食べてください」
女たちは、セイにたいして媚びへつらっている。男だと正体がバレているわけではない。それはない。
《キングプロテア級》の冒険者として尊敬されているのが1つ。しかしそれよりも何より、セーコがクロカミ・セイの姉だという設定にしたのが原因だ。
女たちは決まってこう言うのだ。「どうかセイさまに、私が良い女だとお伝えください」「私のもとに会いに来るように言っておいてください」「いいえ。私こそセイさまの女として相応しいかと」……。
「なによ、あんたなんか」「あんたはセイさまに見向きもされないわよ」「私と逢瀬をかわしてくださるに決まってるのよ」
口論になる。
それをいさめるのは、セイの役目だ。
「まあまあ」
と、仲裁に入る。
疲れる。
セイは私の弟だが、居場所を知っているわけではない――と何度も言っているのだが、媚びへつらいゴマをすりすり、女たちは寄ってくる。
うれしくないわけではない。セイだって本性は男。異性から熱望されるのは有りがたい。有りがたいのだが、あまりに激しすぎるのだ。実際に会ったら、四肢をもがれるんじゃないかとさえ思う。
「相変わらず人気ものだな。貴殿は」
キリアがそうつぶやいた。
「姉なんて設定にしなけりゃ良かったですよ」
「仕方あるまい。当たり前だが、どことなく面影はあるし、名前にもひねりがないのだからな」
クロカミ・セイとクロカミ・セーコである。
名前をもっと工夫すれば良かった。
実際いい男だから仕方ないわよ――とフォルモルが口をはさんだ。ケルベロス騒動の一件があってから、フォルモルは熱っぽい視線をセイに注ぐようになった。
「いい男――か。強いことは認めるが、私はもう少し年上で筋骨隆々の男が好みなのだがな」
キリアが言う。
「キリアも、アソコをナめさせたんでしょう」
「は、破廉恥な言い方をするな。印を重ねた。それだけだ」
キリアは食べていたトーストを口に押しこんでいた。
どうもキリアは性的なことにたいして嫌煙している節がある。淫らなことを嫌っているのか、照れ隠しなのかはわからない。一方、シラティウスは無表情のまま、ホットミルクをすすっていた。
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