《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする
第7話~3人のメイド~
「レフィーさま」
頭上から声がした。
大きな影が落ちてきた。見上げる。巨大な生物が空を飛んでいた。白銀のウロコに包まれており、巨大な翼が生えていた。そして、長大な尻尾が生えている。
「まさか……。ド、ドラゴン!」
あれもモンスターなのかと思って、セイは腰を抜かした。ドラゴンなんて神話でも登場しない、架空のモンスターだと思っていた。しかし、レフィール伯爵は平然としていた。
「案ずることはありません。あれは私の手の者です。どうやら間に合ったようです」
「ドラゴンが――ですか?」
「いいえ。あれは人です」
「ひ、人ぉ?」
どう見てもドラゴンだ。
ドラゴンは強大な風圧とともに着地した。レフィール伯爵が吹き飛ばされぬように、セイはレフィール伯爵の華奢なカラダを抱き寄せた。手近な木にしがみついていた。
ドラゴンは、着地するやいなや周囲のモンスターたちを蹂躙していった。踏みつけ、食いちぎり、尻尾で叩きとばしている。
ドラゴンの上から2人の女性が跳び下りてきた。2人とも、黒いドレスに白い前掛けをつけていた。
「メイド?」
と、セイは疑問を口にした。あまりに場違いな感があった。
「レフィーさま。御無事でありますか?」
と、紫色の髪を真ん中分けにしている女性が言った。背が高くてセイと同じぐらいの身長があった。走ってくるさいに、凶悪なまでに大きな胸が揺れていた。
「ええ。セイに護衛してもらっていましたので、私は無事です」
レフィール伯爵は両者を紹介した。
女性はフォルモル・ラレンチェと言うそうだ。フォルモルには大人の女性の色気があった。品定めをするような目を送ってきた。全身を見透かされているような心地だった。
「彼は〝英雄印〟の持ち主です」
と、レフィール伯爵はセイのことを紹介した。
「では、この殿方が?」
「ええ」
レフィール伯爵の言葉を受けると、フォルモルの目つきが変わった。面白いものを見つけた。そんな目をしていた。
「なんでしょうか?」
あまりにブシツケな目を送ってくるので、セイはやや鼻白む思いでそう問うた。
「〝英雄印〟を見せてもらってもよろしいかしら?」
「こんな時にですか?」
周囲にはモンスターたちがいるのだ。
「心配ないわ。見ての通りよ」
たしかにドラゴンが暴れまわっているので、モンスターたちは潰走をはじめていた。
「これです」
セイは舌をベーッと突き出した。
正直、あまり他人に見せたいものではない。だが、躊躇するとよけいに照れ臭い。平然をよそおって、舌を出した。
「まぁッ。キレイな六芒星。これが〝英雄印〟ね!」
ビックリした。
フォルモルは顔を接近させると、セイの舌をつまんできたのだ。
セイはあわてて顔を離した。
「な、なにするんですか」
「これは失礼したわ。珍しいから興奮しちゃって。ごめんなさいね」
「つっ……」
セイはワキバラをおさえた。ゴブリンの爪の突き刺さった痛みが、ぶり返してきたのだ。
フォルモルは、傷を治療できるチカラがあるということだった。フォルモルは手のひらに白い光をまとった。その手が傷口を触れると、たちまち傷口が閉じた。同時に痛みも引いた。
「キシャァァァッ」
ゴブリンが1匹、跳びかかってきた。
セイは治療を受けていたので、咄嗟に反応できなかった。
「せやァ」
と、もう1人いたメイドが、ゴブリンを殴り飛ばしてきた。
そのコブシを受けたゴブリンは木端微塵に粉砕していた。緑色の肉片が飛散した。
「す、すご……」
「私はキリア・ユーナだ。一時的に筋力を増強する魔法が使える。よろしく。〝英雄印〟を持つ者よ」
ゴブリンを殴りつけたその手で、握手を求めてきた。緑の血に染まった手と握手するのは抵抗があったが、拒否するのも失礼かと思って握手に応じた。
「どうも」
キリアは黒い髪をポニーテールにしていた。フォルモルの大人びた色気はなかった。だが、凛然とした美しさがあった。目つきは鋭く、戦場におもむく騎士のような面持ちをしていた。まるで刀剣の切っ先のような横顔だ。
「グラァァァッ」
と、吠えていたドラゴンが歩み寄ってきた。
もしや襲ってくるのではないかと身構えた。が、ドラゴンは人の姿になった。やはりメイド服をまとっている。
「ドラゴン――少女?」
「私は、シラティウス・チロ。ドラゴンに変身する魔法を使える」
純白の髪をロングストレートに伸ばしていた。女性というよりかは、少女と言える風貌をしていた。フォルモルのような妖艶さもなく、キリアのような凛然さもなかった。そのかわり、可憐さがあった。桜色の唇や丸い鼻は、子供のような幼さを残している。
フォルモル、キリア、シラティウス――3人とも、レフィール伯爵の女騎士兼メイドだということだった。
頭上から声がした。
大きな影が落ちてきた。見上げる。巨大な生物が空を飛んでいた。白銀のウロコに包まれており、巨大な翼が生えていた。そして、長大な尻尾が生えている。
「まさか……。ド、ドラゴン!」
あれもモンスターなのかと思って、セイは腰を抜かした。ドラゴンなんて神話でも登場しない、架空のモンスターだと思っていた。しかし、レフィール伯爵は平然としていた。
「案ずることはありません。あれは私の手の者です。どうやら間に合ったようです」
「ドラゴンが――ですか?」
「いいえ。あれは人です」
「ひ、人ぉ?」
どう見てもドラゴンだ。
ドラゴンは強大な風圧とともに着地した。レフィール伯爵が吹き飛ばされぬように、セイはレフィール伯爵の華奢なカラダを抱き寄せた。手近な木にしがみついていた。
ドラゴンは、着地するやいなや周囲のモンスターたちを蹂躙していった。踏みつけ、食いちぎり、尻尾で叩きとばしている。
ドラゴンの上から2人の女性が跳び下りてきた。2人とも、黒いドレスに白い前掛けをつけていた。
「メイド?」
と、セイは疑問を口にした。あまりに場違いな感があった。
「レフィーさま。御無事でありますか?」
と、紫色の髪を真ん中分けにしている女性が言った。背が高くてセイと同じぐらいの身長があった。走ってくるさいに、凶悪なまでに大きな胸が揺れていた。
「ええ。セイに護衛してもらっていましたので、私は無事です」
レフィール伯爵は両者を紹介した。
女性はフォルモル・ラレンチェと言うそうだ。フォルモルには大人の女性の色気があった。品定めをするような目を送ってきた。全身を見透かされているような心地だった。
「彼は〝英雄印〟の持ち主です」
と、レフィール伯爵はセイのことを紹介した。
「では、この殿方が?」
「ええ」
レフィール伯爵の言葉を受けると、フォルモルの目つきが変わった。面白いものを見つけた。そんな目をしていた。
「なんでしょうか?」
あまりにブシツケな目を送ってくるので、セイはやや鼻白む思いでそう問うた。
「〝英雄印〟を見せてもらってもよろしいかしら?」
「こんな時にですか?」
周囲にはモンスターたちがいるのだ。
「心配ないわ。見ての通りよ」
たしかにドラゴンが暴れまわっているので、モンスターたちは潰走をはじめていた。
「これです」
セイは舌をベーッと突き出した。
正直、あまり他人に見せたいものではない。だが、躊躇するとよけいに照れ臭い。平然をよそおって、舌を出した。
「まぁッ。キレイな六芒星。これが〝英雄印〟ね!」
ビックリした。
フォルモルは顔を接近させると、セイの舌をつまんできたのだ。
セイはあわてて顔を離した。
「な、なにするんですか」
「これは失礼したわ。珍しいから興奮しちゃって。ごめんなさいね」
「つっ……」
セイはワキバラをおさえた。ゴブリンの爪の突き刺さった痛みが、ぶり返してきたのだ。
フォルモルは、傷を治療できるチカラがあるということだった。フォルモルは手のひらに白い光をまとった。その手が傷口を触れると、たちまち傷口が閉じた。同時に痛みも引いた。
「キシャァァァッ」
ゴブリンが1匹、跳びかかってきた。
セイは治療を受けていたので、咄嗟に反応できなかった。
「せやァ」
と、もう1人いたメイドが、ゴブリンを殴り飛ばしてきた。
そのコブシを受けたゴブリンは木端微塵に粉砕していた。緑色の肉片が飛散した。
「す、すご……」
「私はキリア・ユーナだ。一時的に筋力を増強する魔法が使える。よろしく。〝英雄印〟を持つ者よ」
ゴブリンを殴りつけたその手で、握手を求めてきた。緑の血に染まった手と握手するのは抵抗があったが、拒否するのも失礼かと思って握手に応じた。
「どうも」
キリアは黒い髪をポニーテールにしていた。フォルモルの大人びた色気はなかった。だが、凛然とした美しさがあった。目つきは鋭く、戦場におもむく騎士のような面持ちをしていた。まるで刀剣の切っ先のような横顔だ。
「グラァァァッ」
と、吠えていたドラゴンが歩み寄ってきた。
もしや襲ってくるのではないかと身構えた。が、ドラゴンは人の姿になった。やはりメイド服をまとっている。
「ドラゴン――少女?」
「私は、シラティウス・チロ。ドラゴンに変身する魔法を使える」
純白の髪をロングストレートに伸ばしていた。女性というよりかは、少女と言える風貌をしていた。フォルモルのような妖艶さもなく、キリアのような凛然さもなかった。そのかわり、可憐さがあった。桜色の唇や丸い鼻は、子供のような幼さを残している。
フォルモル、キリア、シラティウス――3人とも、レフィール伯爵の女騎士兼メイドだということだった。
「《完結》男が絶滅していく世界で、英雄は女の子たちをペロペロする」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
5,217
-
2.6万
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
2,534
-
6,825
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
89
-
139
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
3,548
-
5,228
-
-
6,199
-
2.6万
-
-
2,860
-
4,949
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
62
-
89
-
-
14
-
8
-
-
450
-
727
-
-
65
-
390
-
-
2,629
-
7,284
-
-
3,653
-
9,436
-
-
1,000
-
1,512
-
-
344
-
843
-
-
398
-
3,087
-
-
4
-
1
-
-
614
-
1,144
-
-
71
-
63
-
-
86
-
288
-
-
23
-
3
-
-
183
-
157
-
-
33
-
48
-
-
218
-
165
-
-
3,224
-
1.5万
-
-
2,431
-
9,370
-
-
116
-
17
-
-
164
-
253
-
-
62
-
89
-
-
42
-
52
-
-
2,799
-
1万
-
-
4,922
-
1.7万
-
-
408
-
439
-
-
7,474
-
1.5万
-
-
1,301
-
8,782
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
5,039
-
1万
-
-
27
-
2
-
-
4
-
4
-
-
1,658
-
2,771
-
-
104
-
158
-
-
34
-
83
-
-
51
-
163
-
-
88
-
150
-
-
42
-
14
-
-
1,391
-
1,159
-
-
265
-
1,847
-
-
213
-
937
-
-
614
-
221
-
-
83
-
2,915
-
-
9,173
-
2.3万
-
-
220
-
516
-
-
215
-
969
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント