俺の考えはあたらない

大空 ヒロト

カウントダウン

あれから紅葉にさらに詳しく話を聞いた。中学の時のこと、この世界のこと。おかげですこしだけ記憶がもどってきていた。そしてこの世界についてはおそらく紅葉が願ったことでできたものだということだ。この世界では紅葉の願いが本当になるらしい。ならこの世界がずっと続くように願えばいいんじゃないかと言ってみたのだがやはりそうあまくはないらしい。その願いだけはとどかずやはり消えてしまうそうだ。そしてこの世界はもってあと1ヶ月。つまり今年までだと言う。俺はその時間を紅葉のため俺のために使うときめた。はずだがまたもやいつもとかわらずテスト勉強をしている。すぐに2学期の期末テストがあるからだ。

「相変わらずバカだな」

「さっきからいつにもましてひどいよ~」

「わるいなほんとにバカだからさ」

「も~~~~~~~~~~」

「あはは、わるいわるい。わぁばか、たたくな分かったから」

「竜介君がわるいんだよ」

「だからわるかったって。でもまじで頑張らないと赤点だらけになっちゃうぞ」

「うぅ………」

「よしまたやるぞ、ほら」

いつもと同じようにテスト勉強。いつまでも続くと思っていた幸せな時間。でももうこうやって一緒に勉強することはないのだろう。俺は泣きそうになったがなんとかこらえ笑顔を作る。だって紅葉がこんなに笑顔なんだから。紅葉が最後まで楽しく一緒にいたいって言ってくれたんだから。

「竜介君。もうあと1ヶ月しかないんだね」

「え、あ、ああ」

紅葉からその話がでるとはおもってなかった。俺は顔をすこしそらした。紅葉の顔を見るとさっきまでの笑顔ではなかった。

「この話はしないっておもってたんだけどやっぱりだめだね。やっぱりとっても…とっても…か…悲しいよ」

そう言いながら紅葉の目からぽろ…ぽろ…と涙がおちていた。俺は紅葉を抱きしめた。もう俺の目からも涙がおちてとまらなかった。

「あと1ヶ月がなんだ!最高に幸せになるんだろ!?俺がずっといるから。だから笑え!おまえは笑っているときが、楽しんでるときが1番可愛いんだよ!」

俺がそう言うとまだ涙がながれたままだったが俺に顔をむけるととっても可愛い笑顔を見せてくれた。そして俺はキスをした。


そしてむかえた期末テスト。紅葉は頑張った。そしてあいつはすべての教科で今までの最高点を記録した。それをみた俺達はだきあって喜びを共有した。その一方で時間はどんどん進んでいく。



       残り約3週間

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