俺の考えはあたらない

大空 ヒロト

文化祭

「おーいまだできないかー?」

「すまん、すこしまってくれ!」

俺は今メイドカフェの裏方としてはたらいている。ほんとはやるはずじゃなかったんだが急に仕事ができたやつがいてそいつのかわりだ。

「結構人がきてるなー」

「佐藤君とかのおかげだよ。こんなにみんなをまとめてくれたり準備してくれたりありがとっ」

「副委員長として仕事をしただけだよ」

「佐藤君そろそろ休憩はいっていいよ」

「え、まだすこしはやくない?」

「いいから!ほらあそこで待ってる人もいることだし」

「!わかった。わるいな」

俺はそこで待っている人物のもとに歩いて行く。

「ごめん、まったか?紅葉」

「ううん、大丈夫。竜介君は休憩にはいったの?」

「ああ、だから一緒にまわろうぜ」

俺達はそれからほかのクラスのだしもの、スタンプラリー、お化け屋敷、体育館では演劇部や吹奏楽、歌うま選手権などをすべてかたっぱしからみてまわった。

「楽しかったな紅葉」

「うん。歌うまとかみんなすごかったね~」

「おまえは珍しくいろんな食いもんにも飛びついてたな」

「だって~とってもおいしそうだったから~」

「確かにおいしかったな。特にカレーはやばかった。家のカレーをはるかにこえていた」

「そんなこといって~お母さんにわるいよ~」

「そうかー?とりあえずクラスにいったん戻るか」

「うん」




「うわっ!すげぇお客さん」

「ほんとだね~すご~い」

「あっ竜介!これすごくねぇか?全然おさまんねぇんだよ」

「すごいな」

「おまえもちょっと手伝ってくれないか」

「あ、ああわかった」

俺は裏に向かおうとした。だがそれはかなわなかった。
ぐらっ
俺は頭が急に真っ白になった。そしてばたーーーん、俺は盛大に倒れた。

「りゅ、竜介君!?」

「竜介!」

「佐藤君!?」

「おいなんの騒ぎだー?」

「竜介が倒れた!大丈夫か!?おい竜介、竜介!」

……………………私は涙がとまらなかった。





「っ!?ここはどこだ?」

俺は起き上がり周りを見渡すとそこは保健室のベッドだった。そうだ俺は倒れたんだったな。目の前には涙をながしながらこっちをみている紅葉がいる。

「もみっ!?」

「竜介君!ごめん私のせいだ~うぅ…ぐす…」

「おいどうしたんだよ紅葉」

「佐藤君、君はちょっと頑張りすぎたみたいだ」

「先生」

そこには保健の先生もいた。

「それで彼女は責任を感じているんだよ」

「紅葉…いいんだよ俺がやりたくてやったんだからそれにめっちゃ楽しかったしな」

俺はそういって笑いかける。

「うぅ…ぐすぐすうわ~~~~ん」

泣きつづける紅葉をやさしくやさしく俺はなで続けた。

「落ち着いたか?」

「ん、ごめん」

「だーかーらいいって、みんなはもう帰ったのか?」

「うん。私が見てるから帰っていいよって」

「そうか。じゃあ俺たちも帰るかぁーほら紅葉帰るぞ。先生ありがとうございました」

「いいよいいよ、気をつけてかえれよー」

「はい」

俺たちはそう言って学校をあとにした。



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