異界共闘記

totoma

潜入





   日が傾き、影が伸び始めた頃2人は行動を開始した

   黒いローブを身にまといフードは深くまで被っている

   怪しいように感じるかもしれないが、貴族のお忍びや上流階級の平民、冒険者などもこういった格好をことが多いため街の人間にはそこまで怪しくは映らない。


「聞いていませんでしたが潜入方法はどうされるのですか?」



「俺が屋敷全体に《睡眠スリープ》をかける。
   その後正面から入る」


「分かりました
   私は何かすることはありますか?」


「いや、特にないから俺の後ろにでも居とけ」




   そうこう言っているうちにストルペ伯爵の屋敷が見えてきた


「それじゃあ魔法かけるぞ
   《睡眠》」

   そう言うとレイの魔力が屋敷全体を覆うように広がっていった


「行くぞ」


   《監視者》で下見をしていたおかげで伯爵の部屋にすぐ到着した


   部屋の扉を開けると伯爵は眠りにつき、先程の奴隷は床で眠っていた


   金庫の前まで進むと


「やっぱり普通の鍵式だったな」

   探せばどっかにあるんだろうけど面倒だな


《製土》《硬化》
「これで鍵の完成っと」


   このようにただの鍵式だと土属性魔法を使って土を鍵の形にすれば簡単に開けることが出来る。



「毎回思うけどこれ金庫としての価値ないだろ…」

   こうは言っているが実はうちにも同じものがある



   金庫の中を覗いてみると、ゼイルート領への嫌がらせの証拠や、奴隷売買、侯爵への賄賂など色々な書類が発見出来た



「これだけあれば大丈夫だな」


   その書類を部屋の真ん中の大きな机の上に広げて置いた


「それじゃあ帰るぞ」


「その書類は持って帰らないのですか?」


「ああ、必要ない」



   そう言って部屋を出た




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