異世界貴族は自由を望む
二人の気持ち
ここはレイの私室。
レイが、今日あったことをファルに伝えている所だ。
リアに秘密がバレたこと。そしてリアに告白されたこと。そのままの流れで承諾してしまったこと。キスされたことは伏せた。
 リアは本気で告白している。リアの家は、王家だ。どういう理由で身分を偽っているのか、レイは知らないが、王家の人間が、わざわざ脅してまでレイを恋人にする必要はない。つまりは、あれはリアの本心なのだ。それを理解できたからこそ、レイも悩んでいる。
そしてさらに、彼女がレイの秘密について知った。彼女の家の情報網を使われれば、計画はバレているだろう。しかし計画を知ってなお、レイから離れることもなく、寧ろ距離を縮めようとしてきた。それには相当な覚悟が必要なのではないか。それにどう答えるべきか。しかしその答えを出すには、レイには人生経験が足りなかった。
実は、リアは計画については知らない。知っているのは、自身の目で見たことだけだ。しかし彼女の背後の存在や、秘密の一つがバレたというハプニングなどのせいで、レイが深読みし過ぎたのだ。このずれは、小さいようで、とても大きい。
それを聞き終えたファルは、レイにこう返した。
「つまりあの娘は、レイ様の計画を知った上で、告白してきたと。なら、計画については悩む必要はありません。遠ざける理由は無くなったのですから。つまりは、レイ様がどうしたいかです」
「私...が...どう...したい...か...」
レイは考える。
何もかもを包み込んでくれそうな、深い紺色の髪をポニーテールで纏め、その瞳は綺麗な緋色に染まっている。
口調はとても馴染みやすいのだが、育ち故か、どこか気品あるオーラがある。
胸も大きく、女性なら誰でも羨みそうな綺麗な体型をしている。
ここまで来て、レイは自覚する。
レイは、リアに異性として、好意を抱いている。恐らく、一目惚れなのだろう。
レイは、区別は得意だ。しかし一度そう見ると、そうとしか見れなくなる欠点でもある。
つまりは、今までレイは、リアのことを、『厄介者』『警戒人物』というフィルターで区別して見ていた。そのため、リアの女性としての魅力は、頭に入っていなかった。正確には、入っていても意識していなかった。そのため、自身の気持ちにも気付けなかったのである。
レイは、気持ちを整理する。
その顔は、今までよりも、少し明るくなっていた。
リアは、ベッドの上で、悶えていた。
あっちへゴロゴロ、こっちへゴロゴロ。しまいには、ベッドから転げ落ちてしまった。
しかしそれが逆に、リアを冷静にさせる。
「私、ついに告白してしまいましたぁ~」
レイは知らないことだが、リアは学園に入る前から、レイを知っている。レイは知らないが、助けられたことがあるのだ。リアはその時一目惚れしたした。リアが実家を離れて生活しているのも、レイに会うためだったりする。乙女の行動力を舐めてはいけない。
その時からずっと、リアはレイのことを想い続けていた。そして今回のことを利用し、想いを伝えたのだ。リア自身、卑怯だと分かっている。レイに言う前も、言った後も、こうでよかったのかと何度も考えた。しかし折角手に入れたチャンスを、リアは逃すことはできなかった。
「しかし、私も隠していることは多いですし......少しずつレイさんに明かしていかないと、ですね」
そう、レイと同じく、リアも秘密は多い。学園では、態度も素とは違うし、身分もおいそれと知られる訳にはいかない。それでもレイには話そうと、リアは考えていた。実は既にレイが知っているなど、リアは知らない。
「それより、これからどうしましょうか......恋人らしいこと......恋人らしいこと......ぐへへぇ」
リアは他人には決して見せられないだらしない顔で、今夜も妄想に耽っていった。
こうして、今日も平和な夜が明けていく。
レイが、今日あったことをファルに伝えている所だ。
リアに秘密がバレたこと。そしてリアに告白されたこと。そのままの流れで承諾してしまったこと。キスされたことは伏せた。
 リアは本気で告白している。リアの家は、王家だ。どういう理由で身分を偽っているのか、レイは知らないが、王家の人間が、わざわざ脅してまでレイを恋人にする必要はない。つまりは、あれはリアの本心なのだ。それを理解できたからこそ、レイも悩んでいる。
そしてさらに、彼女がレイの秘密について知った。彼女の家の情報網を使われれば、計画はバレているだろう。しかし計画を知ってなお、レイから離れることもなく、寧ろ距離を縮めようとしてきた。それには相当な覚悟が必要なのではないか。それにどう答えるべきか。しかしその答えを出すには、レイには人生経験が足りなかった。
実は、リアは計画については知らない。知っているのは、自身の目で見たことだけだ。しかし彼女の背後の存在や、秘密の一つがバレたというハプニングなどのせいで、レイが深読みし過ぎたのだ。このずれは、小さいようで、とても大きい。
それを聞き終えたファルは、レイにこう返した。
「つまりあの娘は、レイ様の計画を知った上で、告白してきたと。なら、計画については悩む必要はありません。遠ざける理由は無くなったのですから。つまりは、レイ様がどうしたいかです」
「私...が...どう...したい...か...」
レイは考える。
何もかもを包み込んでくれそうな、深い紺色の髪をポニーテールで纏め、その瞳は綺麗な緋色に染まっている。
口調はとても馴染みやすいのだが、育ち故か、どこか気品あるオーラがある。
胸も大きく、女性なら誰でも羨みそうな綺麗な体型をしている。
ここまで来て、レイは自覚する。
レイは、リアに異性として、好意を抱いている。恐らく、一目惚れなのだろう。
レイは、区別は得意だ。しかし一度そう見ると、そうとしか見れなくなる欠点でもある。
つまりは、今までレイは、リアのことを、『厄介者』『警戒人物』というフィルターで区別して見ていた。そのため、リアの女性としての魅力は、頭に入っていなかった。正確には、入っていても意識していなかった。そのため、自身の気持ちにも気付けなかったのである。
レイは、気持ちを整理する。
その顔は、今までよりも、少し明るくなっていた。
リアは、ベッドの上で、悶えていた。
あっちへゴロゴロ、こっちへゴロゴロ。しまいには、ベッドから転げ落ちてしまった。
しかしそれが逆に、リアを冷静にさせる。
「私、ついに告白してしまいましたぁ~」
レイは知らないことだが、リアは学園に入る前から、レイを知っている。レイは知らないが、助けられたことがあるのだ。リアはその時一目惚れしたした。リアが実家を離れて生活しているのも、レイに会うためだったりする。乙女の行動力を舐めてはいけない。
その時からずっと、リアはレイのことを想い続けていた。そして今回のことを利用し、想いを伝えたのだ。リア自身、卑怯だと分かっている。レイに言う前も、言った後も、こうでよかったのかと何度も考えた。しかし折角手に入れたチャンスを、リアは逃すことはできなかった。
「しかし、私も隠していることは多いですし......少しずつレイさんに明かしていかないと、ですね」
そう、レイと同じく、リアも秘密は多い。学園では、態度も素とは違うし、身分もおいそれと知られる訳にはいかない。それでもレイには話そうと、リアは考えていた。実は既にレイが知っているなど、リアは知らない。
「それより、これからどうしましょうか......恋人らしいこと......恋人らしいこと......ぐへへぇ」
リアは他人には決して見せられないだらしない顔で、今夜も妄想に耽っていった。
こうして、今日も平和な夜が明けていく。
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