黄金(きん)と壮麗の華

リナ

Wonder 現在編-32 転校生は・・・

読んで下さりありがとうございます。
それでは本編始まります。



ザワザワ ザワザワ

隣のクラスがやけに騒がしい。

碧)[何かあったのかな。]

私のこの疑問に答えてくれたのは意外にも先生だった。

「隣のクラスが騒がしいが気にしないでくれ。転校生が来ただけだから。」

碧)[へぇー。転校生が………。最近多いな。]

キーンコーンカーンコーン

私がそう思っているとチャイムが鳴る。

碧)「麗花、転校生のこと、見に行かない?」

私は気になる気持ちが抑えられず、麗花にそう言った。

麗花)「うん。いいよー。」

麗花は頷く。


私達が隣のクラスへ向かうと、丁度転校生が廊下に出てくる所だった。

碧)「あっ、あれじゃない?転校生!」

私は麗花に言った。

麗花)[あれって……………もしかして!]

麗花)「ごめん、碧。ちょっと行ってくる!」

碧)「えっ、う、うん。」

私は驚きながらも素直に頷いた。


麗花)「レオンッ。レオン、だよね?」

碧)[レオンって、確か、麗花の………。]

転校生が麗花の声に反応して振り返る。

レオン)「麗、花…………?」

麗花)「うん!会いたかったよ、レオン!」

麗花はそう言って、レオンに抱きつく。

気付いた時には、麗花は泣いていた。

レオンは目を丸くする。

麗花)「本当に良かった……。あの時、死んじゃったかと思った。」

レオン)「死なないよ、麗花を置いて死なない。」

レオンは麗花のことを優しく抱きしめる。

その二人の姿は、完璧に似合っていた。



数日後

数日経つと、麗花とレオンは8年間離れていたのが嘘のように、息がぴったりだった。

ここ数日の麗花の姿は誰が見ても、とても幸せそうだった。

私は琥珀のことを少し残念に思いながらも、微笑ましく見守っていた。



そのまた数日後

麗花)「レオン、この前紹介した琥珀達が一緒に遊ぼうって言ってくれてるの!どうする?」

麗花が廊下で楽しそうにレオンに話しかけていた。

レオン)「うん、いいね…………。でもその前に・・・。」

レオンは急に麗花のことを抱きしめる。

麗花)「えっ、ちょ、レオン?」

麗花が不思議そうにしていると、私の視界に目を疑うような光景が映った。




そう。

急に麗花が血を吐き、その場に倒れ込んだのだった。


・・・幸せは長くは続かない。


読んで下さり、ありがとうございました。
次話もよろしくお願いします!


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