黄金(きん)と壮麗の華

リナ

Wonder 現在編-18 アリスであるということ

読んで下さりありがとうございます。
それでは本編始まります。


麗花は、翌日学園に登校して来た。

麗花の足は治っていた。


ただ、麗花は今までのように黒髪のウィッグを付けては来ず、アリス・・・の姿で登校して来た。

そのことが、学園中の生徒に動揺を与えていた。


「えっと…………あの……すみません、あなたはもしかしてアリス様ですか?」

クラスメイトの一人が麗花に話しかける。

おかしい。クラスメイトの口調がいつもと違う。

アリス(麗花))「うん。そうだよ。」

麗花がそう答えるとクラス中がざわめいた。


私は今麗花に話しかけた子と話しに行った。

碧)「ねぇ、何で麗花に対してそんな言葉遣いなの?」

「何でって、碧もアリス様のことは知ってるでしょ?」

碧)「えっ。うん。でも麗花だよ。」

「そうかもしれないけど、そんな風に呼ぶなんて、恐れ多すぎるよ。」

碧)[でも、それじゃ麗花は……。]

そして、私は気づいた。

碧)[そうか、麗花はずっと一人で。一番恵まれていそうでそうじゃなかった。ずっと、寂しかったんだ。]

碧)[なら、今私が麗花に話しかけなきゃ。それじゃないと、何も変わらない!]

私は麗花に話しかけに行った。


碧)「麗花っ、おはよう!足はもう大丈夫?」

麗花(アリス))「碧・・・。やっぱり碧は、私に壁を作らないでいてくれるんだ。」

麗花(アリス))「……ありがとう。」

碧)「えっと、どういたしまして?って変なの。」

私達は笑い合った。

その時の麗花の笑顔は澄んでいて、とても綺麗だった。

私はその時、初めて麗花の本当の笑顔を見た気がした。



放課後

私達は、事務所に寄った。

私達がピンポンを押すと珍しく琥珀が出た。

琥珀)「麗花っ、元気?」

麗花)「うん。みんながいてくれれば、それだけで私は元気だよ。」

碧)「もう、嬉しいこと言ってくれるね…!」

麗花)「琥珀、蘇芳達いる?」

琥珀)「えっと、蘇芳は今買い出しに行ってる。そのうち帰ってくるだろうから、中で待ってれば?」

麗花)「うん。そうするね。」

私達は事務所の中に入れてもらった。



数十分後

蘇芳)「ただいまー。」

蘇芳が帰って来た。

蘇芳以外)「「「「「おかえりー。」」」」」

蘇芳)「って、みんな勢揃いじゃないか。碧・麗花、どうかした?」

碧)「あっ、麗花が話があるって。」

麗花はコクリと頷く。

麗花)「……本当にみんな、昨日はごめんなさい。」

麗花以外)「「「「「えっ!?」」」」」

麗花)「あんな態度をとってしまって。ごめんなさい。」

「みんなが帰った後、考えてみたの。私は本当は何をすべきか。」

「そしたら気づいたの。」

「私はみんなに信じてもらっている分、みんなの期待に応えて頑張らなきゃいけないんじゃないかって。」

「だから、安心して。みんなは私が守るから!」

碧)「ふふふ。ありがとう。」

琥珀)「でも、あんまり頑張りすぎんなよ。何かあったら、俺達を頼ってくれればいいから。」

麗花)「うん。ありがとう。」


私達の絆はこの日を境に更に深まったのだった。





「ここだよな……。碧と、あの天使と百鬼の血縁者のアリスっていうのがいる学園は……。」

「うん。そうだね。」

「ねぇ、本当にやるの?」

「ああ。今更、お前に異論は許さない。計画通り行くぞ。」

「……うん。」

暗黒の世界が広がる中、怪しい人影が姿を現していた。



読んで下さりありがとうございました。
次話もよろしくお願いします!











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