黄金(きん)と壮麗の華

リナ

Wonder 現在編-4 不穏な影

読んで下さり、ありがとうございます!
それでは、本編始まります。


あれから、二週間が経った。

未だに通り魔は捕まっていない。

かといって、5人目の殺人が起きてから、被害者はいなかった。

通り魔の話題は世間から、少しずつ消えかけていた。


碧)「麗花、今日は一緒に事務所へ行くよね?迷い猫探ししなきゃだし…」

麗花)「うん。行くよ。学校終わったらすぐ行こう。」



放課後

碧)「じゃあ、行こう。」

碧)「ねえ、麗花。通り魔は今、どこにいるんだろう?」

麗花)「そういえば、あれから話題にはあまりならなくなったね…」

碧)「でもまだ捕まってないんでしょ?急に出くわしたらどうしよう。」

麗花)「大丈夫だよ。その時は私が碧を守ってあげる。」

碧)「ふふふ。ありがとう。」

正直、こうやって笑い話にしてしまったけど、私は本当は不安だった。

これから起こる何かが私達を変えてしまいそうな気がして……




麗花)「あっ、碧。着いたよ。」

碧)「ふぇっ。」

ゴン

しまった…  ぼうっとしていたせいで電柱におでこをぶつけてしまった。

碧)「いったぁぁぁ。」

麗花)「碧、大丈夫?怪我してない?」

碧)「う、うん。ごめん、ぼうっとしてた。」

麗花)「あはは。ドンマイ。そういうこともあるよ。」

碧)「ありがとう。」

麗花は本当にいい子だ。

私は思わずじーんとした。

碧)「麗花、大好き!」

勢い余って麗花に抱きついてしまった。

麗花は最初、驚いていたが、笑いながら乗りに乗ってくれた。

麗花)「私もだよっ。」

ガチャ

琥珀)「おまっ、お前ら何いちゃついてんの?早く中入れよ。」

碧)「ああ、ごめん。何、琥珀も入りたい?」

琥珀)「ばかっ!そんなわけないだろ。」


凜紅)「実は、さっきたまたま依頼の迷い猫に蒼馬が出くわして依頼が解決しちゃったんだよ。」

碧)「そうなの?じゃあ、やることなくなっちゃったね…。」

蘇芳)「いや、それがその猫の鈴がなくなったらしく、探して欲しいらしいんだ。」

麗花)「じゃあ、今から行こう。」

蒼馬)「そうだな。支度してくるから碧達はここで待ってて。」

碧)「うん。ゆっくりでいいよ。」


30分後

蒼馬•琥珀•蘇芳•凜紅)「「「「お待たせ!」」」」

碧•麗花)「うん。行こう!」



碧)「で、鈴の場所って検討ついてるの?」

蘇芳)「ああ、それが面倒なことに東の森の奥らしい。」

碧)「え、結構近いね!!」

麗花)「でも、広いから探すのは大変だよ。」

琥珀)「まあ、とりあえず行ってみよう。」


~東の森~

琥珀)「着いたけど、どうやって探す?」

蘇芳)「二人一組になって探そう。」

琥珀)「ペアはどうする?」

麗花)「はい、くじ!」

麗花)「こんなこともあろうかと持ってきた!」

蘇芳)「おお、流石!」


碧)「えっと、蘇芳と私、蒼馬と凜紅、琥珀と麗花ってことでいいよね?」

碧以外)「「「「「うん。いいよ。」」」」」


琥珀)「じゃあ、行こう。麗花。」

麗花)「うん!」


蘇芳)「碧、行こうぜ。」

碧)「うん。」


蒼馬)「じゃあ、俺らもいくか。」

凜紅)「ああ。」



琥珀)「ねえ、麗花…。」

麗花)「うん?どうかした?」

琥珀)「………もしかしてアリスっていう親戚の人いる?」

麗花)「えっ?」

琥珀)「えっと、アリス姉とは小さい頃沢山遊んでもらったんだけど、ある時を境に
    連絡が取れなくなったんだ。」

琥珀)「麗花はそのアリス姉にそっくりだから……。」

麗花)「もしかしてとは思ってたけど、私のことを知ってる人に出会うとはね…」

琥珀)「えっ、アリス姉なの?」

麗花)「そうだよ。私のこと覚えてたんだ。琥珀。」

琥珀)「えっでも、アリス姉にしては昔のまま過ぎるよ!」

麗花)「ふふっ。ごめん。冗談だよ。」

麗花)「アリスっていう親戚はいないなぁ… ごめんね…」

琥珀)「いやいいよ。このことは忘れて。」

麗花)「わかった。あっ、碧達が鈴を見つけたみたいだよ。私達も行こう。」


碧)「まさか、こんな崖のところに鈴が落ちているとはね…」

蘇芳)「確かにな。」

ガサガサガサガサ

碧)「きゃあっ。」

蘇芳)「碧っ!」

蘇芳)「誰だ。お前は!」


蒼馬)「何かあったのか?って碧!?」

琥珀)「お前は、殺人犯の……」

殺人犯)「僕のことを知っている人がいるとはね…」

殺人犯はそう言ってニヤリと笑った。

凜紅)「何故ここに‥…」

殺人犯)「お前達、少しでも動いたら、コイツを殺す。」

蘇芳)「そんな………」


ガサガサガサガサ

殺人犯)「誰だ!」

???)「はぁっ!!」

蘇芳)「麗花!」

麗花)「碧、今助けるわ。」

麗花はそう言って、殺人犯の下の地面を力強くけった。

すると、地面にひび割れができる。

その拍子に殺人犯の足がぐらついた。

すかさず私は逃げようと試みる。

しかし、崖に落ちそうな殺人犯に引っ張られ、私は真っ逆さまで落ちていく。

碧)「いやっ!助けて!!」

麗花)[やばい。間に合うの…?ううん、絶対間に合わせる!]

麗花)[・・・たとえ、私のことがばれてしまったとしても……。]

麗花は殺人犯に向かって手加減無しの蹴りを入れた。

そして、万が一のために持っていたロープを蘇芳に投げつけ叫んだ。

麗花)「蘇芳!それで殺人犯を縛って。碧は私が助ける!」

そう、不幸中の幸いで殺人犯は気絶していたのだ。

蘇芳は戸惑いを隠せない様子だったが、素直に麗花の指示に従っていた。

そして、麗花は私に向かって崖を飛び降りた。



読んで下さり、ありがとうございました。
次話もよろしくお願いします!























コメント

  • リナ

    読んで下さり、ありがとうございます!!
    これからもよろしくお願いします。
    私も読ませて頂こうと思います!

    1
  • 真京(旧:間虚羽

    まだ途中までしか読んでませんが面白いです!
    よかったら私の作品も読んでみてください!

    2
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