転生から始まる生活

キグチユウタ

2話

僕は市役所を出たあと、とりあえず創造魔法を試した。(僕の知ってる創造魔法と同じなら、頭の中で思い描き、そして呪文を唱える事で、思い描いたものが作り出せる、というものだ。頼む同じであってくれ……。)と祈りつつ、とりあえずカバンを思い描き、「プロデュース」と唱える。すると、手の平が光だし、カバンが出来上がった。どうやら成功したようだ。とりあえず今作ったカバンに手持ちの物を入れ、1枚目のクエスト用紙に目をやった。











Gランククエスト
マットモンキー20体の討伐
賞金:鉄貨2枚
場所はしげ〜みの森












(とりあえず行ってみるか)とやる事を決め地図を見ながら、目的地であるしげ〜みの森に足を運んだ。
しけ〜みの森に着いたので、辺りを見渡してみる。特に何かいるわけではなかった。そして頭の中で、剣を思い浮かべて呪文を唱える。
「プロデュース」
そして剣を作り出して、それを構えて慎重に森の奥へと足を進めた。数分ぐらい進んだ辺りで敵が現れた。恐らく鑑定スキルが発動したのだろう。知らないはずの目の前のモンスターの名前とレベルが頭の中に現れた。

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マットモンキーLv5
マットモンキーLv6
マットモンキーLv3
マットモンキーLv2
             :
             :

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数にして10以上が現れる。そして一斉に襲いかかってきた。これはまずいかなと思い逃げようとして振り向くと後ろに既に回り込まれていた。逃げられなくなり、仕方なく覚悟を決め戦う。まず1匹、また1匹、さらに1匹と、冷静に敵の動きを観察しながら仕留めていく。勿論敵の攻撃は何とか交わしたりして、どうにか対処していた。そして残った数が5くらいになるまで敵を蹴散らした。すると、 残ってた奴らは退散して行った。
とりあえず僕は「ふぅ〜」息を整え倒した奴らのドロップアイテムを回収し他の受けているクエスト全てクリアした。
市役所で換金してもらうと銀貨12枚、小銀貨8枚、銅貨4枚、小銅貨3枚、鉄貨90枚となった。この世界の金銭感覚はこんな感じだ。
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安い方から、
鉄貨→小銅貨→銅貨→小銀貨→銀貨→小金貨→金貨→白金貨の系8種類である。
そして価値は、
鉄貨100枚→小銅貨1枚
小銅貨10枚→銅貨1枚
銅貨100枚→小銀貨1枚
小銀貨10枚→銀貨1枚
銀貨100枚→小金貨1枚
小金貨10枚→金貨1枚
金貨10枚→白金貨1枚
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ということらしい。とりあえず無料配布されてたパンフを取ってから、市役所をあとにした。その後とりあえず少し歩いたところにあるベンチに腰掛けて、お金入れを作る。
「プロデュース」と唱えて作って先程入手したお金を入れてカバンにしまい、パンフを開く。格安の宿を探すためだ。そして、色々悩んだ結果、市役所からだいぶ遠いとこにあるおふろとべっとに3食がついてて、1泊銅貨2枚の宿に泊まることに決めた。この日はそのまま宿に行き、お風呂入って、ご飯食べて寝た。翌日朝ごはんを食べて、出かける支度を整えて、頭の中に小さい女神セレナの像を思い浮かべて、唱える。
「プロデュース」そして女神セレナの像を作り、部屋に置かれている棚の上に置き、両手を合わせて拝む。
(僕、今日も頑張ります。お父さん、お母さん。体調管理しっかりしてね。あと、女神セレナさんに少しでも多くの幸せがありますように。)
そして昨日と同じクエストを受け昨日と変わらない事をした。その次の日からも変わらない生活を続けた。

この世界に来てからかれこれ3ヶ月が過ぎた。僕は2ヶ月前から家を買おうと思って、
貯金してきた。貯金できた額は、鉄貨が100枚、小銅貨が20枚、銅貨が93枚、小銀貨が3枚、銀貨が52枚、小金貨が1枚、金貨が10枚だった。部屋が2・3個ある家を買うには、最低でも金貨5枚は必要なので、とりあえずお金は大丈夫になったので今日は家を見に行くことにした。行く前に女神セレナに拝む事は忘れず行った。そして表通りを数分歩いていると、なんか人だかりがあって、気になったので見に行くことにした。集ってる人達の中で一番近くにいた人になんの騒ぎか聞いてみた。
「何かあったんですか?」
「あ、あぁ、奴隷商人が商売してるんだよ。」と答えてくれた。
(奴隷かぁ、なんか嫌な響きだな)なんて考えながら、商品にされている奴隷達を見ると驚いた。端っこの隅の方に顔が潰れて目が腫れていて、耳も傷ついていて体も細く骨骨しくなった同い年の女の子がいた。そしてすぐさま商人に話しかける。
「すみません。あそこの端っこの隅にいる子を買いたいんですがいくらですか?」
「ありがとうございます。もう今回がダメなら処分するしかなかった商品なんです。銀貨50枚です。返品は受け付けてませんからね。」と言われ、銀貨50枚支払って彼女を購入して、彼女を連れて急いでその場から離れた。とりあえず宿に戻って借りてる部屋で彼女と話をする。
「よしここなら大丈夫でしょう。ごめんね。引っ張りまわしてしまって、僕は裕翔ゆうと、川満かわみつ裕翔って言うんだ。宜しくお願いします。」と謝り自己紹介をした。
「いえ、とんでもございません。ご主人様。私はシエル・ランフォードと申します。どうぞお好きにお呼びください宜しくお願い致します。」と自己紹介を交わしてくれた。
「分かりました。シエラさん。じゃあとりあえずその傷治すのでじっとしててくださいね。」と言って彼女の顔を僕の手で覆う。
そして、
「リカヴァリー」と唱える。すると僕の手が黄色と白色の光に包まれ、彼女の顔や目や耳の傷が、みるみるうちに治っていき、あっという間に傷が無くなり、綺麗な元の顔に戻った。彼女は見えなかったはずの目が徐々にに見えるようになって驚きながら、泣いていた。
「うぅ………うぅ………ありがとうございます。ご主人様。もう治らないと諦めてたんです。ありがとうございます。………うぅ…」
とお礼を言って来たので、
「気にしなくても大丈夫ですよ。1目見た瞬間から治してあげたいと思っちゃったから、シエラさんを買ったってのも理由の一つだから。」と彼女を落ち着かせ、本題に入る。
「シエラさん、君に聞きたいことがあるんだ。この回答次第で君のこれからは変わると思うから、真面目に答えてね。」
「はい。」
「君の両親は、生きてるの?それとも死んでるの?」
「死んでます。」
「寂しいとか家族がほしいとか思うかい?」
「はい。寂しいとは今でも思ってますし、新しい家族が欲しいと思った事もあります。」
「君はもし奴隷じゃなくなった時、どうする。1人で暮らす?あ、お金はある程度なら僕があげるからね。それとも………」
「それとも?」
「いやいいです。それより、1人で暮らすか暮らさないかを答えてくれますか?」
「はい。私は自由になれたとしても、ご主人様のそばに置いていただきたいです。初めてなんです。あんな怪我してた私を善意で買っていただき、怪我まで治して頂いて本当に感謝してるのです。だからずっとおそばにいたいです。」と堂々と答えてくれた。少し彼女の言葉に照れてしまい顔を赤らめる。そして、
「質問に答えてくれてありがとうございます。シエラさん。シエラさん僕は貴方を家族にしたいです。僕は君とは違って両親は死んでないけど、とても遠いところにいて会えないし、連絡も取れないので、君とは似た立場です。僕はずっと新しい家族が欲しいと思ってました。一人ぼっちは、寂しいです。だからお願いします。僕の家族になってください。」と頭を下げてお願いする。すると彼女は僕の行動に驚き慌てて答える。
「私でよければ、宜しくお願いします。ご主人様。なのでどうか頭をお上げください。」
「あ、あぁ、えっとありがとうございます。あとそのもう1つお願いがありまして、シエラさんの素で話して欲しいのです。なんか無理して敬語使ってるような感じがするので、普通に素で話して貰えますか?」
「えっ!?そのような無礼なこと出来るわけが…………」とシエラさんは言いかけ言葉を飲み込み、素で話し出す。
「分かりましたよぅ。ご主人様。これから宜しくお願いしますねぇ。あ、あと私からも2ついいですか?」
「はい、なんですか?」
「1つ目は、私のことは、シエラと呼び捨てで、読んで欲しいです。」とつぶらな瞳をうるうるさせながら上目遣いでお願いされ、断るに断りきれなくなり、呼び捨てすることにした。
「分かりました。シエラ。これでいいですか?」と呼び捨てで呼んで確認すると頬を赤くしつつ、可愛らしい笑顔で喜んでくれた。
「はい。ありがとうございます。ご主人様 」
「それで、2つ目なんですが、………そのぉー、一緒にお風呂入って頂けませんか?」と驚くことを言われて一瞬頭がフリーズした。
「えっ、えっとすいません。聞き違いかもしれないのでもう一度言っていただけますか?」
「はい、そのぉー、一緒にお風呂入って頂けませんか?」と言われ、聞き違いじゃない事を、確認すると顔だけじゃなくて耳まで赤くしながら、尋ねた。
「どうして僕なんかと一緒にお風呂に入りたいと思ったの?」と聞く。正直彼女とお風呂は僕の理性が危ない。シエラは、あまり食事してないのか体が細く骨骨しいが、胸はメロンサイズで鑑定スキルで確認するとCカップだった。
友達すらいなかった僕が、耐えられる保証はない。
「私の両親は家族となったその日にともにお風呂に入ったと聞いてます。なので私も家族となるご主人様と入りたいのです。そして両親がどういう気持ちだったか知りたいのです。だからお願いします。私と一緒にお風呂に入って下さい。」と上目遣いで、まるで子犬のように、可愛らしい瞳をうるうるさせながら、頼んでくる。
「それでもこれは………………」と断ろうとして、言葉を飲みんこんだ。シエラが下を向いて今にも、泣きだしそうになってたからだ。
「分かりました。入ります。入りますから。だからそんな悲しそうな顔しないで下さい。シエラは笑ってる方が可愛んだから。」
と僕は結局断れず入ることを決意して答えるとシエラは耳まで真っ赤に染めていた。






















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