復讐の魔王
28.作戦開始
「う、うぅん……こ、ここは……?」
僕たちがどうするか話し合っていると、ベッドの方から声がする。みんなが見ると、どうやら受付嬢が起きた様だ。まだ頭が回らないのか、ぼーっとしているが、僕たちを見るとビクッと驚く。
「ああああ、あなたたちは、だ、誰ですか?」
そういえば、今の僕は幻影を解除しているんだった。これじゃあ、僕が誰かわからないね。直ぐに僕の顔を冒険者登録した時と同じ顔にすると、受付嬢は「ああっ!」と驚きの声を上げる。うん、いい反応だ。
「目が覚めましたか? ええっと……そういえば名前を聞いてなかったですね」
「あ、は、はい、私の名前はテリーネと申します。そ、それでどうして私はここに?」
「それは、あのままギルドに置いて来たら、あのまま勇者に襲われていただろうと、僕と一緒に登録した彼女、マリーシャが連れて来たのです。余計な事をしてすみません」
「い、いいえ! あのままいたら、確かに狙われていたでしょう。で、でも、もうギルドには戻れませんね」
そう言って悲しそうに顔を伏せるテリーネさん。茶髪の髪がさらりと落ちる。テリーネさんのために、勇者をどうにかしないとね。
「そうだ、テリーネさんにも協力してもらおうか!」
僕の言葉に全員が僕を見る。それから、簡単にだけど、僕が考えた作戦をみんなに話すのだった。
◇◇◇
2日後
「はぁ〜、本当にあいつムカつくっすね。兵士を使っているのに見つからないなんて」
ギルドの中、苛立ちを隠そうともしない勇者は、手に持つグラスを机の上に力強く叩きつける。周りはその後にビクッとするが、誰も注意する事はない。
ギルドマスターである私が行ってもいいのだが、私が言った事を全く直していない。
はぁ〜、ギルドの備品をぞんざいに扱わないでほしい。当然、そんな事を言えるわけもなく黙っているのだが。
理由は勇者が、このギルドで一番強いからだ。以前、この勇者が街に来た時に、今と同じ態度を取っていたところを、当時のギルド最強のチームが勇者に注意したのだ。
普通の冒険者なら、男3人、女1人のチームだったが、大の大人な囲まれれば、萎縮して、言う事を聞くはずだった。
だが、その勇者は違うかった。勇者は逆に立ち上がり、注意をして来た男の1人を殴り飛ばしたのだ。当然、その事に激怒する仲間たち。
しかし、誰も勇者を抑える事が出来ずに、男3人はもう二度と冒険者をやる事が出来ないほどの大怪我をして、残った女冒険者は、その男に捕まり、慰み者にされたという噂が流れている。
理由は、元々連れていた奴隷の隣に、その女冒険者がいたからだ。首に武骨な首輪を付けられて。
それからは、勇者に絡む人は少なくなった。完全にいなくならないのは、勇者の見た目が同年代に比べて幼い感じがするからだ。
そのせいで、見た目だけでしか見ていない奴は、勇者の力に気がつく事なく、どこか大怪我して気を失っている。注意喚起はしているのだが、その数の後が立たない。
そんな風に怒り狂う勇者たちを見ていたら、カランコロンと扉の開く音がする。この鐘の音は、入口の方から聞こえたようだ。私もチラッと見るけど、そこに立っていたのは、少し美人な女性だった。  
みんなが驚きの顔で見る。それも当然だろう、今酒場で荒れている勇者に狙われていた受付嬢が、戻って来たのだから。
みんなが見ている中で、受付嬢だったテリーネは、酒場で1人だけ座って酒盛りをしていた勇者の元へとあるく。な、なんだろうか?
「勇者様、今お時間よろしいでしょうか」
「ん? 誰っすかあんた?」
勇者はどうやら受付嬢、テリーネの事は忘れているようだ。まあ、勇者からしてどうでもいい事は忘れているんだろう。
「わ、私は勇者様に見染められた者です」
テリーネの言葉に驚く職員たち。冒険者たちからも人気があった彼女は、ここからでは聞こえないが、言葉を交わして外に出て行ってしまった。どこに行くのだろうか。
◇◇◇
「くくく、まさか君から俺の元に来るなんて」
「あ、あの時後悔したのです。あの時勇者に抱かれていればって。だから私を抱いてほしいのです!」
2人は並んで歩いている。誰がどう見てもカップルなのだが、勇者が1人で笑っているだけ。テリーネさんは、勇者の言葉に相槌をするだけだ。
そこから、テリーネさんの案内で細い路地に入る。テリーネさんにはケンタ・ニドウをおびき出す役をしてもらっているのだ。
後ろの奴隷たちは、持ち主本人が解除しない限り動いたりはしないからね。そろそろ出番かな。
陽気に鼻歌を歌いながら裏道を歩き続けるケンタ・ニドウ。ここら辺かな。僕はゲートを発動し、座標をケンタ・ニドウの後ろに移動する。
そして、僕はケンタ・ニドウの肩を掴み、再び魔法を発動。ケンタは突然景色が変わった事に驚いている。さてさて、ここからは、一方的な蹂躙だ。覚悟してもらうよ、ケンタ・ニドウ。
僕たちがどうするか話し合っていると、ベッドの方から声がする。みんなが見ると、どうやら受付嬢が起きた様だ。まだ頭が回らないのか、ぼーっとしているが、僕たちを見るとビクッと驚く。
「ああああ、あなたたちは、だ、誰ですか?」
そういえば、今の僕は幻影を解除しているんだった。これじゃあ、僕が誰かわからないね。直ぐに僕の顔を冒険者登録した時と同じ顔にすると、受付嬢は「ああっ!」と驚きの声を上げる。うん、いい反応だ。
「目が覚めましたか? ええっと……そういえば名前を聞いてなかったですね」
「あ、は、はい、私の名前はテリーネと申します。そ、それでどうして私はここに?」
「それは、あのままギルドに置いて来たら、あのまま勇者に襲われていただろうと、僕と一緒に登録した彼女、マリーシャが連れて来たのです。余計な事をしてすみません」
「い、いいえ! あのままいたら、確かに狙われていたでしょう。で、でも、もうギルドには戻れませんね」
そう言って悲しそうに顔を伏せるテリーネさん。茶髪の髪がさらりと落ちる。テリーネさんのために、勇者をどうにかしないとね。
「そうだ、テリーネさんにも協力してもらおうか!」
僕の言葉に全員が僕を見る。それから、簡単にだけど、僕が考えた作戦をみんなに話すのだった。
◇◇◇
2日後
「はぁ〜、本当にあいつムカつくっすね。兵士を使っているのに見つからないなんて」
ギルドの中、苛立ちを隠そうともしない勇者は、手に持つグラスを机の上に力強く叩きつける。周りはその後にビクッとするが、誰も注意する事はない。
ギルドマスターである私が行ってもいいのだが、私が言った事を全く直していない。
はぁ〜、ギルドの備品をぞんざいに扱わないでほしい。当然、そんな事を言えるわけもなく黙っているのだが。
理由は勇者が、このギルドで一番強いからだ。以前、この勇者が街に来た時に、今と同じ態度を取っていたところを、当時のギルド最強のチームが勇者に注意したのだ。
普通の冒険者なら、男3人、女1人のチームだったが、大の大人な囲まれれば、萎縮して、言う事を聞くはずだった。
だが、その勇者は違うかった。勇者は逆に立ち上がり、注意をして来た男の1人を殴り飛ばしたのだ。当然、その事に激怒する仲間たち。
しかし、誰も勇者を抑える事が出来ずに、男3人はもう二度と冒険者をやる事が出来ないほどの大怪我をして、残った女冒険者は、その男に捕まり、慰み者にされたという噂が流れている。
理由は、元々連れていた奴隷の隣に、その女冒険者がいたからだ。首に武骨な首輪を付けられて。
それからは、勇者に絡む人は少なくなった。完全にいなくならないのは、勇者の見た目が同年代に比べて幼い感じがするからだ。
そのせいで、見た目だけでしか見ていない奴は、勇者の力に気がつく事なく、どこか大怪我して気を失っている。注意喚起はしているのだが、その数の後が立たない。
そんな風に怒り狂う勇者たちを見ていたら、カランコロンと扉の開く音がする。この鐘の音は、入口の方から聞こえたようだ。私もチラッと見るけど、そこに立っていたのは、少し美人な女性だった。  
みんなが驚きの顔で見る。それも当然だろう、今酒場で荒れている勇者に狙われていた受付嬢が、戻って来たのだから。
みんなが見ている中で、受付嬢だったテリーネは、酒場で1人だけ座って酒盛りをしていた勇者の元へとあるく。な、なんだろうか?
「勇者様、今お時間よろしいでしょうか」
「ん? 誰っすかあんた?」
勇者はどうやら受付嬢、テリーネの事は忘れているようだ。まあ、勇者からしてどうでもいい事は忘れているんだろう。
「わ、私は勇者様に見染められた者です」
テリーネの言葉に驚く職員たち。冒険者たちからも人気があった彼女は、ここからでは聞こえないが、言葉を交わして外に出て行ってしまった。どこに行くのだろうか。
◇◇◇
「くくく、まさか君から俺の元に来るなんて」
「あ、あの時後悔したのです。あの時勇者に抱かれていればって。だから私を抱いてほしいのです!」
2人は並んで歩いている。誰がどう見てもカップルなのだが、勇者が1人で笑っているだけ。テリーネさんは、勇者の言葉に相槌をするだけだ。
そこから、テリーネさんの案内で細い路地に入る。テリーネさんにはケンタ・ニドウをおびき出す役をしてもらっているのだ。
後ろの奴隷たちは、持ち主本人が解除しない限り動いたりはしないからね。そろそろ出番かな。
陽気に鼻歌を歌いながら裏道を歩き続けるケンタ・ニドウ。ここら辺かな。僕はゲートを発動し、座標をケンタ・ニドウの後ろに移動する。
そして、僕はケンタ・ニドウの肩を掴み、再び魔法を発動。ケンタは突然景色が変わった事に驚いている。さてさて、ここからは、一方的な蹂躙だ。覚悟してもらうよ、ケンタ・ニドウ。
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