復讐の魔王
16.進めたのは
「はぁぁぁっ!」
「せいやぁっ!」
迫り来るゴブリンたちをルイーザが薙ぎ払い、マリンティアさんが突き刺し穴だらけにする。真正面から危険だとわかったのかゴブリンたちは迂回しようとして来るが、そこに俺は火柱を放つ。 
突然地面から火が吹き荒れる事に驚き足を止めるゴブリンたち。そこに追い打ちをかけるようにマリーシャが土魔法ロックバレットを放ち、ローナさんがウインドカッターを放つ。
石飛礫に穿たれたゴブリンたちは体中に石が刺さり死に絶え、風の刃に切られたゴブリンたちは細切れになる。
ゴブリン程度ではあまり相手にならないな。しかし、この部屋は本当に凄い。全て幻影のはずなのに、ゴブリンたちから放たれる殺気に、傷つく事による血の臭い。感触などが再現されているのだ。
そして、手下であるゴブリンたちが殺された事により、怒るゴブリンキングの威圧感も。
ゴブリンキングはBランクの魔物だ。だけど、ギルドで依頼されるとAランクの依頼になる。理由は周りに取り巻きたちがいるからだ。
ゴブリンキングには必ずゴブリンジェネラルという護衛隊が側に付く。それは必ずと言っても良いほどだ。なので必然と本来の討伐ランクより高くなるのだ。
そんなゴブリンキングが自分たちだけの言葉を話す。すると、ゴブリンジェネラルが抜剣し、それぞれのゴブリンたちに指示を出す。まるで軍隊みたいだ。
さっきまでは自由にしていたゴブリンたちも、上からの命令には逆らえないのか隊列を組み始める。普通のゴブリンはゴブリンマジシャンを守るように立つ。
だけど、そう簡単に魔法を放たせるわけがないだろう。僕は憤怒の炎心剣を地面に刺す。そして前と同じように
「炎心騎士召喚」
炎の騎士を召喚して守るように立つゴブリンたちに向かわせる。当然ゴブリン程度が相手になるわけもなく、次々と切り裂いていく。その事に怒りの声をあげるが遅い。
相手のゴブリンマジシャンたちより魔法の構築が早かったマリーシャとローナさんがゴブリンたちの中心に向かって魔法を放つ。その上、マリンティアさんの氷魔法も放たれた。
マリーシャはロックレインを放つ。ロックレインは先ほど放ったロックバレットやり大きい石飛礫を雨のように降らす魔法だ。
ローナさんは風魔法のテンペストを。テンペストは簡単に言えば3メートルほどの竜巻だ。ただ普通の竜巻とは違って、中はかまいたちが荒れ狂うように回っている。
マリンティアさんのは後で聞いたのだが、アイシクルペインという氷魔法らしい。自分から30メートル内の位置なら、その場所の熱を奪う事が出来るとか。
そのようにして三方向から来る中級魔法に、ゴブリンマジシャンをたちは全く太刀打ちする事が出来なかった。
マリーシャの放ったロックレインにより、上からの雨のように降り注ぐ岩に圧殺され、ローナさんのテンペストで斬殺され、マリンティアさんのアイシクルペインにより急激に体温を冷やされたゴブリンたちは凍死する。
あっという間に数を減らしたゴブリンたち。残るは亜種たちのみとなった。その亜種たちも炎心騎士に次々と切られていく。触れれば焼かれるし、放っておいても切られる。ゴブリンたちもどうすれば良いか戸惑っているようだ。
だが、そこにゴブリンジェネラルが剣を振るう。ゴブリンジェネラルが剣を一振りする事で炎心騎士たちは掻き消されてしまった。
炎心騎士が複数で防ぐと耐えられるのだが、1体だと駄目のようだ。これは今後の参考になった。そして、複数なら耐えられるならそういう陣形を取るまでだ。
炎心騎士の左腕の形が変わり盾へと変化する。腕を変えた炎心騎士は何体かで1組となり振り下ろされるゴブリンジェネラルの剣を防ぐ。その先に武器を槍に変えた炎心騎士が隙間からゴブリンジェネラルを攻撃していた。うむ、良い動きだ。
そんな光景を見ていたら、マリンティアさんが苦笑いしながらやって来た。
「これって良いのかしらね?」
「僕は良いと思いますよ。僕が作った魔法が囮になっている隙にみんなで作戦を立てたり出来るじゃないですか」
魔物たちが炎心騎士に構っている間に魔法の準備も出来るようになるし。まあ、これが今後も続いて出来るとは思わないけど、少なくともこの程度で必死になる必要は無いと思う。
ヘルガーさんの言葉を思い出せば、この後も戦いは続くはずだ。少しでも体力を回復出来るようにしようと思ったら、囮を作るしか無いと思う。僕の魔力は血を飲めば回復するし。
そうこうしている内にゴブリンジェネラルは全て倒されていた。そして気が付けばゴブリンキングが炎心騎士に囲まれていた。
ゴブリンキングの攻撃を複数人で防ぎ、その横から攻撃する。ただの剣や槍では無く炎で作られた武器だ。普通の攻撃に加えて体を焼かれるというのは、普通以上に応えるようだ。
その上、ゴブリンキングの攻撃に一切怯える事の無い不死の軍団だ。徐々に炎心騎士に攻められてついにはゴブリンキングまで倒してしまった。
数の暴力というのはこういう事を言うのだろうか。周りのみんなも苦笑いをしている。
それからも、ヘルガーさんが作る魔物たちと戦って行たのだが、13回目になったころで僕たちは敗れた。敵はベヒーモスというSランクの魔物だったのだ。
「せいやぁっ!」
迫り来るゴブリンたちをルイーザが薙ぎ払い、マリンティアさんが突き刺し穴だらけにする。真正面から危険だとわかったのかゴブリンたちは迂回しようとして来るが、そこに俺は火柱を放つ。 
突然地面から火が吹き荒れる事に驚き足を止めるゴブリンたち。そこに追い打ちをかけるようにマリーシャが土魔法ロックバレットを放ち、ローナさんがウインドカッターを放つ。
石飛礫に穿たれたゴブリンたちは体中に石が刺さり死に絶え、風の刃に切られたゴブリンたちは細切れになる。
ゴブリン程度ではあまり相手にならないな。しかし、この部屋は本当に凄い。全て幻影のはずなのに、ゴブリンたちから放たれる殺気に、傷つく事による血の臭い。感触などが再現されているのだ。
そして、手下であるゴブリンたちが殺された事により、怒るゴブリンキングの威圧感も。
ゴブリンキングはBランクの魔物だ。だけど、ギルドで依頼されるとAランクの依頼になる。理由は周りに取り巻きたちがいるからだ。
ゴブリンキングには必ずゴブリンジェネラルという護衛隊が側に付く。それは必ずと言っても良いほどだ。なので必然と本来の討伐ランクより高くなるのだ。
そんなゴブリンキングが自分たちだけの言葉を話す。すると、ゴブリンジェネラルが抜剣し、それぞれのゴブリンたちに指示を出す。まるで軍隊みたいだ。
さっきまでは自由にしていたゴブリンたちも、上からの命令には逆らえないのか隊列を組み始める。普通のゴブリンはゴブリンマジシャンを守るように立つ。
だけど、そう簡単に魔法を放たせるわけがないだろう。僕は憤怒の炎心剣を地面に刺す。そして前と同じように
「炎心騎士召喚」
炎の騎士を召喚して守るように立つゴブリンたちに向かわせる。当然ゴブリン程度が相手になるわけもなく、次々と切り裂いていく。その事に怒りの声をあげるが遅い。
相手のゴブリンマジシャンたちより魔法の構築が早かったマリーシャとローナさんがゴブリンたちの中心に向かって魔法を放つ。その上、マリンティアさんの氷魔法も放たれた。
マリーシャはロックレインを放つ。ロックレインは先ほど放ったロックバレットやり大きい石飛礫を雨のように降らす魔法だ。
ローナさんは風魔法のテンペストを。テンペストは簡単に言えば3メートルほどの竜巻だ。ただ普通の竜巻とは違って、中はかまいたちが荒れ狂うように回っている。
マリンティアさんのは後で聞いたのだが、アイシクルペインという氷魔法らしい。自分から30メートル内の位置なら、その場所の熱を奪う事が出来るとか。
そのようにして三方向から来る中級魔法に、ゴブリンマジシャンをたちは全く太刀打ちする事が出来なかった。
マリーシャの放ったロックレインにより、上からの雨のように降り注ぐ岩に圧殺され、ローナさんのテンペストで斬殺され、マリンティアさんのアイシクルペインにより急激に体温を冷やされたゴブリンたちは凍死する。
あっという間に数を減らしたゴブリンたち。残るは亜種たちのみとなった。その亜種たちも炎心騎士に次々と切られていく。触れれば焼かれるし、放っておいても切られる。ゴブリンたちもどうすれば良いか戸惑っているようだ。
だが、そこにゴブリンジェネラルが剣を振るう。ゴブリンジェネラルが剣を一振りする事で炎心騎士たちは掻き消されてしまった。
炎心騎士が複数で防ぐと耐えられるのだが、1体だと駄目のようだ。これは今後の参考になった。そして、複数なら耐えられるならそういう陣形を取るまでだ。
炎心騎士の左腕の形が変わり盾へと変化する。腕を変えた炎心騎士は何体かで1組となり振り下ろされるゴブリンジェネラルの剣を防ぐ。その先に武器を槍に変えた炎心騎士が隙間からゴブリンジェネラルを攻撃していた。うむ、良い動きだ。
そんな光景を見ていたら、マリンティアさんが苦笑いしながらやって来た。
「これって良いのかしらね?」
「僕は良いと思いますよ。僕が作った魔法が囮になっている隙にみんなで作戦を立てたり出来るじゃないですか」
魔物たちが炎心騎士に構っている間に魔法の準備も出来るようになるし。まあ、これが今後も続いて出来るとは思わないけど、少なくともこの程度で必死になる必要は無いと思う。
ヘルガーさんの言葉を思い出せば、この後も戦いは続くはずだ。少しでも体力を回復出来るようにしようと思ったら、囮を作るしか無いと思う。僕の魔力は血を飲めば回復するし。
そうこうしている内にゴブリンジェネラルは全て倒されていた。そして気が付けばゴブリンキングが炎心騎士に囲まれていた。
ゴブリンキングの攻撃を複数人で防ぎ、その横から攻撃する。ただの剣や槍では無く炎で作られた武器だ。普通の攻撃に加えて体を焼かれるというのは、普通以上に応えるようだ。
その上、ゴブリンキングの攻撃に一切怯える事の無い不死の軍団だ。徐々に炎心騎士に攻められてついにはゴブリンキングまで倒してしまった。
数の暴力というのはこういう事を言うのだろうか。周りのみんなも苦笑いをしている。
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