世界に復讐を誓った少年
120.次の目的
「……んっ……んっ……ど、どうですか、ハルト様ぁ」
「あぁ〜、とっても気持ちいいよ、ミレーヌ。おっ、そこ良い」
ニュル……ニュル……と僕の上で動くミレーヌ。長い時間動いているせいか、ミレーヌは汗をかき、色香を放っていた。激しく動いているのもあって、ミレーヌは息も上がっている。ギシギシと揺れるベットの音。下から登ってくる快楽に身を任せていると
「こここ、これはど、どうしたら良いんだ!? は、入って良いのか!?」
「ど、どうしようかしら? お呼びされたから入っても良いとは思うのだけど……」
扉の向こうから少し慌てたような男女の声が聞こえて来た。呼んでいた2人が来たみたいだ。僕は自身の影を伸ばして扉を開ける。扉が開いた事に気が付いた2人は……マルスは完全に扉に背を向けて、ティアラは両手で顔を隠しているけど、指の間からこちらを覗いていた。
「何をしてるの。早く入ったら?」
「えっ? あ、あれ? ふ、普通の格好だ……」
今の僕とミレーヌの格好を見て不思議そうな顔をするマルス。僕たちがいたしているとでも思ったのかな?
今の僕たちの状態は、寝そべる僕の上にミレーヌが座っている状態だ。その格好で何をしていたのかというと、ミレーヌにマッサージをして貰っていたのだ。
「ったく、外で何を聞き耳立てているのかと思ったら卑猥なことでも考えていたのかい?」
僕がニヤニヤしながら尋ねると、2人とも顔を赤くして俯いてしまった。まあ、からかうのはこのぐらいにして話を進めようかな。
2人を部屋の中に入れて、ティアラにある物を手渡す。ティアラは渡された物を、マルスはティアラの手元を覗き込むように見る。
「これは……方位磁針ですか?」
手元の物を見ながら尋ねてくるティアラ。ティアラはそのまま手元の物を動かすが、針が真っ直ぐと自身を向いている事に不思議そうな表情を浮かべる。
「まあ形とかは似ているけど方位磁針ではないよ。それは方位魔針といって、ある魔力の波長に反応して針が動くんだよ」
「魔力の波長ですか?」
「うん、それは僕たちの職業である神のかけらから発せられる魔力に反応するようになっているんだ。僕は全く気が付かなかったけど、エルフィオンやベアトリスが言うには、どうやら僕とティアラからは似たような魔力が感じられるらしい。その似た波長をクロノとヘパイネルが探し出してくれて、作ったのがそれってわけ。それに魔力を込めてみて」
ティアラは頷きながら方位魔針に魔力を込めていく。これでティアラの魔力を方位魔針が覚えたはずだ。しばらく込めると効果が出始めて、先程までティアラを指して止まっていた針が動き出した。
「この方位魔針には僕とティアラの魔力が記録されているから、僕ら以外の神のかけらを持つ者の波長を探すようになる」
しばらく回転する針だったが、不意にピタッと止まる。針はこの国から北西の方を指していた。
「これで見つけたのですか?」
「ああ、距離とかがわからないからあれだけど、この針の先に神のかけらを持つ者がいるはず。それでこの針が指す先は……聖王国じゃなくて」
「ここから北西であればこの方ですね」
確認のために広げた簡単な大陸の地図を眺めていると、ミレーヌが方位魔針の指す先を指で引いてくれた。
その先はいくつかの国を過ぎ、周りを山に囲まれたとある国がある方を指していた。
「確かにこの国ならいそうだね……どの国とも関わりを持たず、険しい山に囲まれた国、獣国アゼルス」
この国は聖王国からの干渉すら防いだと言われる強国だ。この国は独自の神を祀っているというし、フィストリア教会もないと聞く。天啓はしたとしても関係無いのだろう。
「それで、これを作った理由ってなんなんです?」
地図を見てアゼルスについて考えていると、マルスが方位魔針を手に取って眺めながらそんな事を言ってきた。そんなの決まっているじゃ無いか。
「見つけてこちら側につけさせるのさ。フィストリアはどうやら神のかけらを持つ僕たちを目の敵にしているからね。それに対する意趣返しでもあるけど、この力を持つ者はかなり強力だ。それが手の内にあると戦争も楽になるでしょ?」
あのクソ女神の嫌がる事はとことんやらないとね。さて、場所がわかった事だし、向かう準備でもしようかな。
◇◇◇
「……これが新しい僕の力」
「そうよ。私からの恩恵によりあなたの職業が勇者から聖天の勇者となったはずよ」
目の前で体を輝かせる男、勇者ノエル。あまり進んでやりたくはなかったけど、あの男にここまでコケにされては黙ってはいられないわ。あの男にぶつけるために勇者にはもっと強くなってもらわないと。
「あなたに力を与えたのはまず1つ任務を与えるからです」
「任務ですか?」
「ええ。獣国アゼルスで悪魔の職業を持った者がいます。あそこには何度も差し出すように言ったのですが、どの国とも関わりを持たず、残念な事に私ではなく別の神を祀っています。このままでは第2の死国が出来てしまいます。そうなる前にその者を倒してきて欲しいのです。聖女たちは勿論、炎轟魔術師であるメテロ、天秤座、そして光竜リヒトをつけましょう。必ず成し遂げて来なさい」
「わかりました。ご命令に従います。フィストリア様」
頭を下げるのを見届けて、私は彼の視界から消える。ふぅ、勇者がどの程度言う事を聞くのかはわからないけど、力を与えたからにはやる事をやってもらわないとね。
「シグルト、私は少し眠るわ。少し力を使い過ぎたみたい」
「かしこまりました。後はお任せください」
目が覚めたらようやく見つけたあの男を殺しに行かなきゃね。
「あぁ〜、とっても気持ちいいよ、ミレーヌ。おっ、そこ良い」
ニュル……ニュル……と僕の上で動くミレーヌ。長い時間動いているせいか、ミレーヌは汗をかき、色香を放っていた。激しく動いているのもあって、ミレーヌは息も上がっている。ギシギシと揺れるベットの音。下から登ってくる快楽に身を任せていると
「こここ、これはど、どうしたら良いんだ!? は、入って良いのか!?」
「ど、どうしようかしら? お呼びされたから入っても良いとは思うのだけど……」
扉の向こうから少し慌てたような男女の声が聞こえて来た。呼んでいた2人が来たみたいだ。僕は自身の影を伸ばして扉を開ける。扉が開いた事に気が付いた2人は……マルスは完全に扉に背を向けて、ティアラは両手で顔を隠しているけど、指の間からこちらを覗いていた。
「何をしてるの。早く入ったら?」
「えっ? あ、あれ? ふ、普通の格好だ……」
今の僕とミレーヌの格好を見て不思議そうな顔をするマルス。僕たちがいたしているとでも思ったのかな?
今の僕たちの状態は、寝そべる僕の上にミレーヌが座っている状態だ。その格好で何をしていたのかというと、ミレーヌにマッサージをして貰っていたのだ。
「ったく、外で何を聞き耳立てているのかと思ったら卑猥なことでも考えていたのかい?」
僕がニヤニヤしながら尋ねると、2人とも顔を赤くして俯いてしまった。まあ、からかうのはこのぐらいにして話を進めようかな。
2人を部屋の中に入れて、ティアラにある物を手渡す。ティアラは渡された物を、マルスはティアラの手元を覗き込むように見る。
「これは……方位磁針ですか?」
手元の物を見ながら尋ねてくるティアラ。ティアラはそのまま手元の物を動かすが、針が真っ直ぐと自身を向いている事に不思議そうな表情を浮かべる。
「まあ形とかは似ているけど方位磁針ではないよ。それは方位魔針といって、ある魔力の波長に反応して針が動くんだよ」
「魔力の波長ですか?」
「うん、それは僕たちの職業である神のかけらから発せられる魔力に反応するようになっているんだ。僕は全く気が付かなかったけど、エルフィオンやベアトリスが言うには、どうやら僕とティアラからは似たような魔力が感じられるらしい。その似た波長をクロノとヘパイネルが探し出してくれて、作ったのがそれってわけ。それに魔力を込めてみて」
ティアラは頷きながら方位魔針に魔力を込めていく。これでティアラの魔力を方位魔針が覚えたはずだ。しばらく込めると効果が出始めて、先程までティアラを指して止まっていた針が動き出した。
「この方位魔針には僕とティアラの魔力が記録されているから、僕ら以外の神のかけらを持つ者の波長を探すようになる」
しばらく回転する針だったが、不意にピタッと止まる。針はこの国から北西の方を指していた。
「これで見つけたのですか?」
「ああ、距離とかがわからないからあれだけど、この針の先に神のかけらを持つ者がいるはず。それでこの針が指す先は……聖王国じゃなくて」
「ここから北西であればこの方ですね」
確認のために広げた簡単な大陸の地図を眺めていると、ミレーヌが方位魔針の指す先を指で引いてくれた。
その先はいくつかの国を過ぎ、周りを山に囲まれたとある国がある方を指していた。
「確かにこの国ならいそうだね……どの国とも関わりを持たず、険しい山に囲まれた国、獣国アゼルス」
この国は聖王国からの干渉すら防いだと言われる強国だ。この国は独自の神を祀っているというし、フィストリア教会もないと聞く。天啓はしたとしても関係無いのだろう。
「それで、これを作った理由ってなんなんです?」
地図を見てアゼルスについて考えていると、マルスが方位魔針を手に取って眺めながらそんな事を言ってきた。そんなの決まっているじゃ無いか。
「見つけてこちら側につけさせるのさ。フィストリアはどうやら神のかけらを持つ僕たちを目の敵にしているからね。それに対する意趣返しでもあるけど、この力を持つ者はかなり強力だ。それが手の内にあると戦争も楽になるでしょ?」
あのクソ女神の嫌がる事はとことんやらないとね。さて、場所がわかった事だし、向かう準備でもしようかな。
◇◇◇
「……これが新しい僕の力」
「そうよ。私からの恩恵によりあなたの職業が勇者から聖天の勇者となったはずよ」
目の前で体を輝かせる男、勇者ノエル。あまり進んでやりたくはなかったけど、あの男にここまでコケにされては黙ってはいられないわ。あの男にぶつけるために勇者にはもっと強くなってもらわないと。
「あなたに力を与えたのはまず1つ任務を与えるからです」
「任務ですか?」
「ええ。獣国アゼルスで悪魔の職業を持った者がいます。あそこには何度も差し出すように言ったのですが、どの国とも関わりを持たず、残念な事に私ではなく別の神を祀っています。このままでは第2の死国が出来てしまいます。そうなる前にその者を倒してきて欲しいのです。聖女たちは勿論、炎轟魔術師であるメテロ、天秤座、そして光竜リヒトをつけましょう。必ず成し遂げて来なさい」
「わかりました。ご命令に従います。フィストリア様」
頭を下げるのを見届けて、私は彼の視界から消える。ふぅ、勇者がどの程度言う事を聞くのかはわからないけど、力を与えたからにはやる事をやってもらわないとね。
「シグルト、私は少し眠るわ。少し力を使い過ぎたみたい」
「かしこまりました。後はお任せください」
目が覚めたらようやく見つけたあの男を殺しに行かなきゃね。
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