世界に復讐を誓った少年
閑話 聖夜の新たな思い出
「……皆様、揃いましたね?」
私の言葉に頷く皆。この場にいるのは、リーシャ様、クロノ様、ネロ様、フィア様、マルス君、ティエラちゃん、レルシェンド様、エルフィオン様、シーシャちゃん、そしてエリーゼに私の部下である七星天女。私の大切なお方であるハルト様の部下がここに揃いました。
「それで、ミレーヌよ。ここに私たちを集めたのはどうしてだ? マスターも居らぬし」
「はい、ハルト様は今回の招集に呼んでいませんから」
私がそう言うと皆が首を傾げます。そういえば、集まるように言いはしましたが、どう言う理由で集まるかは話していませんでしたね。
「もうすぐに何があるか皆様は知っていますか?」
「旦那の生まれた町への復讐だろ?」
レルシェンド様の答えに皆が頷きますが、確かに間違いではありませんが、もっと普通の事ですよ。
「私たちだけの事ではなく、大陸全体で起こる事ですよ」
「……あっ、もしかして聖夜祭の事ですか?」
皆が考える中、気が付いたエリーゼが答える。そのエリーゼの答えに皆があ〜となる中、フィア様が少し難しそうな表情を浮かべます。
「ミレーヌ殿、しかし、ハルトは……」
「わかっています。ハルト様が聖夜祭に良い思い出……それどころか辛い思い出しかないのは。でも、だからこそ、私たちでハルト様を祝ってあげたいのです」
「ですが、聖夜祭は名目としては女神からの祝いというものです。女神を嫌う主殿は喜ばれないのでは?」
「ええ、普通に聖夜祭として祝えば喜ばれないでしょう。なので、私たちからのお祝いとすれば良いと思うのです!」
バンッと机に手をつきながら提案すると、皆はそれぞれ考え始める。以前、ハルト様の夢を見させていただいたあのような悲しい思いをさせないため、私たちがハルト様を楽しませてあげなければ!
◇◇◇
「おー、ここが良いのか?」
「ワフゥー」
僕の前でうつ伏せでだらーんとするロウ。いつの間にか体の大きさを自由に出来る技を覚えたロウは、普通の黒色の中型犬に角が生えたような姿になっている。まあ、狼なのだが。
この姿だけ見たら誰もこの狼が元神獣なんて思わないだろう。僕も知らなければ思わないよ。
「ほれー」
「ワフッワフッ!」
僕が喉元を撫でながら、ブラッシングしてあげると、ロウは勢い良く尻尾を振る。目の前で村を死霊たちに襲わせているのを見ながらいる姿とは思えないね。
でも、この村も間抜けだなー。僕が生まれた村……今は町だったっけ……そこが魔物の氾濫で消えたっていうのに、近くの村は呑気に聖夜祭の準備なんかしているんだから。
その光景を眺めていると
「ハルトさまぁー」
と、僕を呼ぶ声が聞こえてきた。顔だけ声のした方へと向けると、そこには両手を大きく広げて走ってくるマナの姿があった。
このままだと受け止められないため、体をマナの方へと向けると、マナは僕の方へ向かって来る途中で跳んで来た。何とか危なくないように受け止めたけど、勢いで後ろに倒れる。
「危ないじゃないか、マナ」
「えへへー、ごめんなさいー」
マナは謝るが、僕の胸元に頭をぐりぐりするのに必死だった。全く可愛いやつだな。今度はマナの頭をうりうりとなでくりしていると、僕たちを覆う影。上を見上げると、そこには髪を耳に搔き上げて微笑むミレーヌの姿があった。
「ふふっ、甘えん坊ですね、マナは」
「ミレーヌも混ざる?」
僕が冗談で尋ねると、ミレーヌが答える前にロウが混ざって来た。僕の顔をベロンベロンと舐めるロウ。それを見たマナが自分もと僕の顔を舐めて来る。ロウはともかく、マナは幼女の姿だから側から見たらただの変態だ。
僕はマナを抱き上げて立ち上がる。そんな僕たちの姿を見ていたミレーヌが微笑みながら僕の右手を握って来た。
「ミレーヌ?」
「混ざっても……良いのですよね?」
照れながら言ってくるミレーヌを思わず抱きしめそうになったけど、左腕でマナを抱き上げているため、右手でミレーヌの手をぎゅっと握る。
「それで、僕をここにいさせたわけは何かな?」
「……気付かれていたのですか?」
そりゃあ、本来どの町や村に行くにしても付いてくるミレーヌが付いて来なかったのだから、何かあるのかな、って気付くさ。僕がじーっとミレーヌを見ているとミレーヌは
「そ、それは帰ってからのお楽しみです!」
そのまま僕の手を勢い良く引いて前を歩き始めた。マナをロウの背に乗せて僕もミレーヌに追いつく様に歩く。まあ、ミレーヌが考えた事だ。楽しみにしておこう。
それから、僕がスケルトンに向かわせていた村の片付けを悪魔の影ドッペルゲンガーに任せて、僕たちは町へと帰って来た。
僕たちが拠点して使っている屋敷に入るとそこには、侍女服を着たマナ以外の七星天女が入り口で待っていた。
そして、七星天女に案内されて屋敷の中を進むと、壁のいたるところに飾り付けがされていた。これって……。
そのまま進んだ先では、パーティー会場になっており、そこではフィアとエリーゼが立っていた。
「待っていたぞ、ハルト。さあ、みんなが待っている」
「お待ちしておりました、ハルト様! さあ、中へ入りましょう!」
フィアは僕の左側、エリーゼは僕の右側でそれぞれ腕を組んで僕を案内する。そして後ろにはミレーヌ。そのままパーティー会場へと入ると、中にはネロたちが待っていて、豪華な食事が並んでいた。
「世間では聖夜祭で盛り上がっていますが、私たちはハルト様に出会えた事を感謝する日にします! 女神を倒した暁にはそうしましょう!」
そして、そんな事を背後から言うミレーヌ。僕はそんなミレーヌの言葉に思わず笑ってしまった。多分、僕の夢を見た時の事をミレーヌを気にしているのだろう。ったく。
それからパーティーが始まった。始まって早々リーシャとレルシェンドの飲み比べが始まったり、ネロの即興料理が始まったり、みんなからプレゼントを貰ったりと、今までで1番の聖夜祭の日となった。
ここに母さんがいたらもっと良かったのだけど、それはあまり考えないようにした。せっかく僕のためにミレーヌたちが考えてくれた事だ。いっぱい楽しまなきゃね。
パーティーを終えると、七星天女やネロが後片付けをしてくれて、僕はミレーヌたちに引っ張られて寝室へとやって来た。
寝室には僕の他にミレーヌとエリーゼと物凄く恥ずかしそうにするフィアの姿があった。一体何が? と、思った次の瞬間、3人が服を脱いだ。
そして、目の前にはリボンだけで大切なところを隠した3人が立っていた。フィアは全身赤くして物凄く恥ずかしそうだった……そういえば、フィアがこういう事をするのは初めてじゃないか。今まで、せいぜいキスぐらいしかしなかったのに。
「ハルト様、私たちがプレゼントです。お好きにした下さいっ!」
「ハルト様、もう我慢できませんっ!」
「わわ、私はその……っ! 好きにしろ!」
真ん中で余裕の笑みを浮かべるミレーヌ。右側で発情しているのか顔を赤らめる息が荒くなっているエリーゼ。そして、半ばヤケクソ気味になっているフィア。
そこまでお膳立てされたら、行かないわけには行かないね! 朝まで寝かさないからね!
……それから、ありがとう、みんな。
私の言葉に頷く皆。この場にいるのは、リーシャ様、クロノ様、ネロ様、フィア様、マルス君、ティエラちゃん、レルシェンド様、エルフィオン様、シーシャちゃん、そしてエリーゼに私の部下である七星天女。私の大切なお方であるハルト様の部下がここに揃いました。
「それで、ミレーヌよ。ここに私たちを集めたのはどうしてだ? マスターも居らぬし」
「はい、ハルト様は今回の招集に呼んでいませんから」
私がそう言うと皆が首を傾げます。そういえば、集まるように言いはしましたが、どう言う理由で集まるかは話していませんでしたね。
「もうすぐに何があるか皆様は知っていますか?」
「旦那の生まれた町への復讐だろ?」
レルシェンド様の答えに皆が頷きますが、確かに間違いではありませんが、もっと普通の事ですよ。
「私たちだけの事ではなく、大陸全体で起こる事ですよ」
「……あっ、もしかして聖夜祭の事ですか?」
皆が考える中、気が付いたエリーゼが答える。そのエリーゼの答えに皆があ〜となる中、フィア様が少し難しそうな表情を浮かべます。
「ミレーヌ殿、しかし、ハルトは……」
「わかっています。ハルト様が聖夜祭に良い思い出……それどころか辛い思い出しかないのは。でも、だからこそ、私たちでハルト様を祝ってあげたいのです」
「ですが、聖夜祭は名目としては女神からの祝いというものです。女神を嫌う主殿は喜ばれないのでは?」
「ええ、普通に聖夜祭として祝えば喜ばれないでしょう。なので、私たちからのお祝いとすれば良いと思うのです!」
バンッと机に手をつきながら提案すると、皆はそれぞれ考え始める。以前、ハルト様の夢を見させていただいたあのような悲しい思いをさせないため、私たちがハルト様を楽しませてあげなければ!
◇◇◇
「おー、ここが良いのか?」
「ワフゥー」
僕の前でうつ伏せでだらーんとするロウ。いつの間にか体の大きさを自由に出来る技を覚えたロウは、普通の黒色の中型犬に角が生えたような姿になっている。まあ、狼なのだが。
この姿だけ見たら誰もこの狼が元神獣なんて思わないだろう。僕も知らなければ思わないよ。
「ほれー」
「ワフッワフッ!」
僕が喉元を撫でながら、ブラッシングしてあげると、ロウは勢い良く尻尾を振る。目の前で村を死霊たちに襲わせているのを見ながらいる姿とは思えないね。
でも、この村も間抜けだなー。僕が生まれた村……今は町だったっけ……そこが魔物の氾濫で消えたっていうのに、近くの村は呑気に聖夜祭の準備なんかしているんだから。
その光景を眺めていると
「ハルトさまぁー」
と、僕を呼ぶ声が聞こえてきた。顔だけ声のした方へと向けると、そこには両手を大きく広げて走ってくるマナの姿があった。
このままだと受け止められないため、体をマナの方へと向けると、マナは僕の方へ向かって来る途中で跳んで来た。何とか危なくないように受け止めたけど、勢いで後ろに倒れる。
「危ないじゃないか、マナ」
「えへへー、ごめんなさいー」
マナは謝るが、僕の胸元に頭をぐりぐりするのに必死だった。全く可愛いやつだな。今度はマナの頭をうりうりとなでくりしていると、僕たちを覆う影。上を見上げると、そこには髪を耳に搔き上げて微笑むミレーヌの姿があった。
「ふふっ、甘えん坊ですね、マナは」
「ミレーヌも混ざる?」
僕が冗談で尋ねると、ミレーヌが答える前にロウが混ざって来た。僕の顔をベロンベロンと舐めるロウ。それを見たマナが自分もと僕の顔を舐めて来る。ロウはともかく、マナは幼女の姿だから側から見たらただの変態だ。
僕はマナを抱き上げて立ち上がる。そんな僕たちの姿を見ていたミレーヌが微笑みながら僕の右手を握って来た。
「ミレーヌ?」
「混ざっても……良いのですよね?」
照れながら言ってくるミレーヌを思わず抱きしめそうになったけど、左腕でマナを抱き上げているため、右手でミレーヌの手をぎゅっと握る。
「それで、僕をここにいさせたわけは何かな?」
「……気付かれていたのですか?」
そりゃあ、本来どの町や村に行くにしても付いてくるミレーヌが付いて来なかったのだから、何かあるのかな、って気付くさ。僕がじーっとミレーヌを見ているとミレーヌは
「そ、それは帰ってからのお楽しみです!」
そのまま僕の手を勢い良く引いて前を歩き始めた。マナをロウの背に乗せて僕もミレーヌに追いつく様に歩く。まあ、ミレーヌが考えた事だ。楽しみにしておこう。
それから、僕がスケルトンに向かわせていた村の片付けを悪魔の影ドッペルゲンガーに任せて、僕たちは町へと帰って来た。
僕たちが拠点して使っている屋敷に入るとそこには、侍女服を着たマナ以外の七星天女が入り口で待っていた。
そして、七星天女に案内されて屋敷の中を進むと、壁のいたるところに飾り付けがされていた。これって……。
そのまま進んだ先では、パーティー会場になっており、そこではフィアとエリーゼが立っていた。
「待っていたぞ、ハルト。さあ、みんなが待っている」
「お待ちしておりました、ハルト様! さあ、中へ入りましょう!」
フィアは僕の左側、エリーゼは僕の右側でそれぞれ腕を組んで僕を案内する。そして後ろにはミレーヌ。そのままパーティー会場へと入ると、中にはネロたちが待っていて、豪華な食事が並んでいた。
「世間では聖夜祭で盛り上がっていますが、私たちはハルト様に出会えた事を感謝する日にします! 女神を倒した暁にはそうしましょう!」
そして、そんな事を背後から言うミレーヌ。僕はそんなミレーヌの言葉に思わず笑ってしまった。多分、僕の夢を見た時の事をミレーヌを気にしているのだろう。ったく。
それからパーティーが始まった。始まって早々リーシャとレルシェンドの飲み比べが始まったり、ネロの即興料理が始まったり、みんなからプレゼントを貰ったりと、今までで1番の聖夜祭の日となった。
ここに母さんがいたらもっと良かったのだけど、それはあまり考えないようにした。せっかく僕のためにミレーヌたちが考えてくれた事だ。いっぱい楽しまなきゃね。
パーティーを終えると、七星天女やネロが後片付けをしてくれて、僕はミレーヌたちに引っ張られて寝室へとやって来た。
寝室には僕の他にミレーヌとエリーゼと物凄く恥ずかしそうにするフィアの姿があった。一体何が? と、思った次の瞬間、3人が服を脱いだ。
そして、目の前にはリボンだけで大切なところを隠した3人が立っていた。フィアは全身赤くして物凄く恥ずかしそうだった……そういえば、フィアがこういう事をするのは初めてじゃないか。今まで、せいぜいキスぐらいしかしなかったのに。
「ハルト様、私たちがプレゼントです。お好きにした下さいっ!」
「ハルト様、もう我慢できませんっ!」
「わわ、私はその……っ! 好きにしろ!」
真ん中で余裕の笑みを浮かべるミレーヌ。右側で発情しているのか顔を赤らめる息が荒くなっているエリーゼ。そして、半ばヤケクソ気味になっているフィア。
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