世界に復讐を誓った少年
106,とある冒険者の話 その2(3)
「スケルトンナイトが3体とアーチャーが2体である!」
レグンの声と共に剣を振り下ろしてくるスケルトンナイト。レグンは振り下ろされる剣を下から振り上げ、弾き返し、体をぶつけて吹き飛ばす。
左右から剣を突き出そうとするが、レグンを囲うように障壁が出来てスケルトンナイトの剣を弾いた。レギンスの光魔法が防いだようだ。
レグンがスケルトンナイトを引き付けている内に、エイラが風魔法の風弾を放ち片方のスケルトンアーチャーを牽制、もう片方をシルフェが矢を放ち牽制する。
俺もレグンへと切りかかろうとするスケルトンナイトへと向かう。スケルトンナイトは近く俺に気が付いて標的を変えて剣を振り下ろしてくるが、俺は盾を持たない代わりに付けている籠手で剣の横腹を叩いて弾き、右斜めから剣を振り上げる。
スケルトンナイトは切られて後ろへと下がるが、まだ生きている。そこへ畳み掛けるように俺は職技を発動する。職技・刺突。ただの突きだが、普通に突くより、速度も貫通力も高くなる。
俺はスケルトンナイトの右肩を狙い突きを放つ。スケルトンナイトが剣を振り下ろす前に右肩を貫く俺の剣。
スケルトンナイトの右肩が砕け散り、ナイトは剣を落とす。しかし、スケルトンナイトは痛みを感じないためか、そのまま俺を掴もうと手を伸ばして来た。
俺を掴もうと伸ばしてくる右腕を剣の柄で弾いて、右足に向けて剣を振り下ろす。右足を切り落とされ体勢を崩すスケルトンナイトの首目掛けて、剣を振り上げた。
首の骨を切られて胴と頭が離れたスケルトンナイトは、ようやく動かなくなった。俺はそのままスケルトンアーチャーへと向かい走り出す。その間にレグンがスケルトンナイトの1体を倒して3体目を相手しており、2体目を相手して、エイラとシルフェがスケルトンアーチャーの1体を倒していた。
スケルトンアーチャーは近く俺に矢を放ってくるが、シルフェの矢より遅い。容易く弾いて、スケルトンアーチャーの首を切り落とした。
レグンも丁度スケルトンナイトを倒したようで、辺りを警戒しながらも、少し柔らかくなった雰囲気。
「やっぱり聞いていた通り3階層になると、集団で襲ってくるわね。まだ想定の範囲内けど」
「そうだね。私的にはもう少し矢が当てやすい相手が良いんだけどねー」
この3階層に来てから1時間が経つが、出て来たのはスケルトンの集団のみだからな。骨だけのスケルトン相手だと、シルフェの矢は当てづらい。普段より神経を使っているのだろう。
「ふぅ」
「大丈夫か、レグン?」
「うむ、私は大丈夫であるよ。怪我も無いであるしな」
まだこの階層の相手では退却しなければいけなくなるほどの怪我は負っていない。意外とやりやすいこのダンジョン。ここに来て1週間は経つが毎日がプラスの収入だ。
「時間的にそろそろ夕方ですね。今日はこの辺りにして戻りませんか? 早くお酒が飲みたいですねぇ」
そう言うレギンスは、酒を飲む仕草をする。全くこいつは。しかし、レギンスの時間感覚は残念な事に正確だ。大体酒が飲みたくなれば夕方ぐらいだからな。
皆、そんなレギンスに溜息を吐きながらも、いつもの事なので、地上へ戻る準備をする。無理せず攻略するのが俺たちの考えだからな。
「さてと、地上へ戻ろう……ん?」
皆へ声をかけようとした時、岩陰から現れた人。それを見た俺たちは一瞬で警戒する。その人は明らかに生きているものではなかったからだ。
顔は下を向いているため表情がわからないが、ボロボロの服に傷だらけの体。明らかに死んでいると思わせるそいつを見れば誰だって警戒する。
「……ゾンビ、か? しかし、それにしては雰囲気が」
普通のゾンビとは雰囲気が違うと俺が言おうとした瞬間、現れた魔物の体に異変が現れる。突然震えたと思ったら、全身が朱色に染まっていく。
「っ! 不味いわ! そいつ、ただのゾンビじゃ無い! ゾンビの上位種のクリムゾンリーパーよ!」
シェイラの声と共に顔を上げたゾンビ、クリムゾンリーパーは俺たちに向かって走り出して来た。速度は人間と変わらないくらい早い。
斧を構えたレグンが前に出て、切り裂こうと伸ばしてくるクリムゾンリーパーの手を斧で防ぐ。
「ふん!」
力ではレグンが優っているようで、力で押し返して、斧を横に振るう。クリムゾンリーパーは後ろに飛んで避けるが、そこにシェイラの矢が数本放たれた。
クリムゾンリーパーは頭以外の矢を避けずに受けて、頭に来た矢は左腕を盾に防いだ。そこに俺が切りかかると、俺の剣を爪で防ぐ。ちっ、硬い爪だな、こいつ!
「はぁっ!」
硬いクリムゾンリーパーの爪を弾いて、速さ重視で剣を振るう、が、まだクリムゾンリーパーの方が速く避けられてしまう。
クリムゾンリーパーか避けた先にシェイラとシルフェとレギンスがそれぞれ魔法と矢を放つが、それも避けられた。
俺たちから距離を取るクリムゾンリーパー。どうやって奴を仕留めようかと考えていると
「なんでこんなところにクリムゾンリーパーがいやがる!?」
と、下の階からか、ほかの冒険者パーティーがやって来た。それを見たクリムゾンリーパーはその素早さを生かして俺たちの前から消えていった。
他の冒険者に聞けば、クリムゾンリーパーはもう少し下で現れる魔物らしく、この階層では本来出てこない筈だと言う。俺たちだと1体なら負けないが、手こずる相手だろう。
その冒険者は直ぐにこの事をギルドへ話すから、俺たちも連れられて行く事になった。何も無ければ良いのだがな。
レグンの声と共に剣を振り下ろしてくるスケルトンナイト。レグンは振り下ろされる剣を下から振り上げ、弾き返し、体をぶつけて吹き飛ばす。
左右から剣を突き出そうとするが、レグンを囲うように障壁が出来てスケルトンナイトの剣を弾いた。レギンスの光魔法が防いだようだ。
レグンがスケルトンナイトを引き付けている内に、エイラが風魔法の風弾を放ち片方のスケルトンアーチャーを牽制、もう片方をシルフェが矢を放ち牽制する。
俺もレグンへと切りかかろうとするスケルトンナイトへと向かう。スケルトンナイトは近く俺に気が付いて標的を変えて剣を振り下ろしてくるが、俺は盾を持たない代わりに付けている籠手で剣の横腹を叩いて弾き、右斜めから剣を振り上げる。
スケルトンナイトは切られて後ろへと下がるが、まだ生きている。そこへ畳み掛けるように俺は職技を発動する。職技・刺突。ただの突きだが、普通に突くより、速度も貫通力も高くなる。
俺はスケルトンナイトの右肩を狙い突きを放つ。スケルトンナイトが剣を振り下ろす前に右肩を貫く俺の剣。
スケルトンナイトの右肩が砕け散り、ナイトは剣を落とす。しかし、スケルトンナイトは痛みを感じないためか、そのまま俺を掴もうと手を伸ばして来た。
俺を掴もうと伸ばしてくる右腕を剣の柄で弾いて、右足に向けて剣を振り下ろす。右足を切り落とされ体勢を崩すスケルトンナイトの首目掛けて、剣を振り上げた。
首の骨を切られて胴と頭が離れたスケルトンナイトは、ようやく動かなくなった。俺はそのままスケルトンアーチャーへと向かい走り出す。その間にレグンがスケルトンナイトの1体を倒して3体目を相手しており、2体目を相手して、エイラとシルフェがスケルトンアーチャーの1体を倒していた。
スケルトンアーチャーは近く俺に矢を放ってくるが、シルフェの矢より遅い。容易く弾いて、スケルトンアーチャーの首を切り落とした。
レグンも丁度スケルトンナイトを倒したようで、辺りを警戒しながらも、少し柔らかくなった雰囲気。
「やっぱり聞いていた通り3階層になると、集団で襲ってくるわね。まだ想定の範囲内けど」
「そうだね。私的にはもう少し矢が当てやすい相手が良いんだけどねー」
この3階層に来てから1時間が経つが、出て来たのはスケルトンの集団のみだからな。骨だけのスケルトン相手だと、シルフェの矢は当てづらい。普段より神経を使っているのだろう。
「ふぅ」
「大丈夫か、レグン?」
「うむ、私は大丈夫であるよ。怪我も無いであるしな」
まだこの階層の相手では退却しなければいけなくなるほどの怪我は負っていない。意外とやりやすいこのダンジョン。ここに来て1週間は経つが毎日がプラスの収入だ。
「時間的にそろそろ夕方ですね。今日はこの辺りにして戻りませんか? 早くお酒が飲みたいですねぇ」
そう言うレギンスは、酒を飲む仕草をする。全くこいつは。しかし、レギンスの時間感覚は残念な事に正確だ。大体酒が飲みたくなれば夕方ぐらいだからな。
皆、そんなレギンスに溜息を吐きながらも、いつもの事なので、地上へ戻る準備をする。無理せず攻略するのが俺たちの考えだからな。
「さてと、地上へ戻ろう……ん?」
皆へ声をかけようとした時、岩陰から現れた人。それを見た俺たちは一瞬で警戒する。その人は明らかに生きているものではなかったからだ。
顔は下を向いているため表情がわからないが、ボロボロの服に傷だらけの体。明らかに死んでいると思わせるそいつを見れば誰だって警戒する。
「……ゾンビ、か? しかし、それにしては雰囲気が」
普通のゾンビとは雰囲気が違うと俺が言おうとした瞬間、現れた魔物の体に異変が現れる。突然震えたと思ったら、全身が朱色に染まっていく。
「っ! 不味いわ! そいつ、ただのゾンビじゃ無い! ゾンビの上位種のクリムゾンリーパーよ!」
シェイラの声と共に顔を上げたゾンビ、クリムゾンリーパーは俺たちに向かって走り出して来た。速度は人間と変わらないくらい早い。
斧を構えたレグンが前に出て、切り裂こうと伸ばしてくるクリムゾンリーパーの手を斧で防ぐ。
「ふん!」
力ではレグンが優っているようで、力で押し返して、斧を横に振るう。クリムゾンリーパーは後ろに飛んで避けるが、そこにシェイラの矢が数本放たれた。
クリムゾンリーパーは頭以外の矢を避けずに受けて、頭に来た矢は左腕を盾に防いだ。そこに俺が切りかかると、俺の剣を爪で防ぐ。ちっ、硬い爪だな、こいつ!
「はぁっ!」
硬いクリムゾンリーパーの爪を弾いて、速さ重視で剣を振るう、が、まだクリムゾンリーパーの方が速く避けられてしまう。
クリムゾンリーパーか避けた先にシェイラとシルフェとレギンスがそれぞれ魔法と矢を放つが、それも避けられた。
俺たちから距離を取るクリムゾンリーパー。どうやって奴を仕留めようかと考えていると
「なんでこんなところにクリムゾンリーパーがいやがる!?」
と、下の階からか、ほかの冒険者パーティーがやって来た。それを見たクリムゾンリーパーはその素早さを生かして俺たちの前から消えていった。
他の冒険者に聞けば、クリムゾンリーパーはもう少し下で現れる魔物らしく、この階層では本来出てこない筈だと言う。俺たちだと1体なら負けないが、手こずる相手だろう。
その冒険者は直ぐにこの事をギルドへ話すから、俺たちも連れられて行く事になった。何も無ければ良いのだがな。
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