世界に復讐を誓った少年
16.謁見
「……こんな豪華な服を着ても良いんですか?」
「構いません。この部屋に用意された物は全て聖女様のものですから。なにか足りない物があれば直ぐにご用意致しますし」
物凄く豪華そうな服を着付けしてくれるシスター。名前は確かメディアさん。私の身の回りの世話を担当してくれる人らしい。
歳は20代中頃で、茶色の髪の毛を後ろで1本の三つ編みにしていて、なんと言ってもかなり大きな胸が特徴。
さっきも湯浴みという、貴族しか出来ないお湯に入って体を洗う時も、私の体に何度もぶつけてきたもの。私も年齢の割にはあるはずなんだけど、あれを見た後に自分のを見ると貧相に見えてしまう。
「これで大丈夫です。言葉遣いはあまり気にしないでください。偶に冒険者などが謁見に来る事があるのですが、中には敬語を使わない方もいますので。動きについては、先に中へと入る枢機卿の真似をして頂ければ大丈夫です」
「わかりました。何とか頑張ってみます」
ううっ、物凄く緊張するなぁ。領主様ですら謁見した事ないのに、まさか、この世界で1番大きな国の王様と会う事になるなんて。ハルトなら緊張で倒れるんじゃないかしら。
ふふっ、簡単に想像が出来ちゃったわ。でも、あまり笑わないようにしないと。
「聖女様。お時間になりましたので参りましょう」
「わかりました」
ふぅ、ハルトの顔を思い出したら少し落ち着いた。今はどこかに行ったかわからないけど、会って謝りたいなあ……ハルトは私のことなんて許してくれないだろうけど。それでも……気持ちだけでも伝えたい。
「おおっ! これはこれは、何と美しい!」
ハルトの事を考えていると、大きな声が聞こえてきた。少し驚いて下を向いていた顔を上げると、前には仰々しく手を広げるマリンテ枢機卿が立っていた。その後ろにはアルノードさんと、正装に着替えたリーグも。
「いやはや、歴代の聖女様はこれこれはとても美しいと聞いていたのですが、今代の聖女様も伝承に負けず劣らずですな!」
「ハ、ハハ、ありがとうございます」
物凄い褒めてくるマリンテ枢機卿は、そのまま周りの騎士やシスターたちに色々と指示を出す。そして準備が出来ると歩き始める。
リーグが私に話しかけようとしてきたけど、アルノードさんが壁になるようにして近づけなかった。まあ、今のはリーグが悪いと思う。
周りの雰囲気からして、明らかに話しかけて良いような雰囲気じゃないもの。現にアルノードさんですら出会ってから一言も言葉を発していないのに。
「さあ、ここが謁見の間ですぞ。私の後について真似をして頂ければ大丈夫ですので」
私はマリンテ枢機卿の言葉に頷く。何度か深呼吸をして緊張をほぐす。無礼にならないように気を付けないと。
マリンテ枢機卿が再び指示を出すと、開かれる扉。堂々と入る枢機卿の後に続く。謁見の間は圧巻の一言だった。
ガラス細工で出来たシャンデリアがまるで星空のように天井で輝いて、玉座まで足が沈んだと感じるほど柔らかいカーペット。
左右には20人ずつぐらいの沢山の人が並んでいる。多分この人たちが聖王国の重鎮なのだと思う。そして1番奥には、玉座に堂々と腰をかける男性が。
金髪の50代ほどの男性。この人が聖王様なのでしょうら、私たちが聖王様の元へ向かうために歩いくけど、周りからの視線が鋭くなっていく。うー、緊張する!
何とかソワソワしそうになるのを我慢していると、マリンテ枢機卿はその場で片膝をつき頭を下げる。私たちもそれに倣い片膝をつき頭を下げる。
「聖王様、聖女様をお連れいたしました」
「うむ、ご苦労であったマリンテ枢機卿。アルノードも長旅ご苦労であった」
「勿体ないお言葉です」
深々と頭を下げるマリンテ枢機卿とアルノードさん。そして次に私をみてくる。
「そなたが聖女か?」
「はい、ステラと申します。よろしくお願いします」
「うむ。我々もそなたの力を借りる事になるだろう。浅慮なく申付けるといい。我々はそなたを家族として迎えるぞ」
その言葉に、周りの重鎮たちはおおっ、と歓声を上げる。それからは、形式的な話ばかりで正直私たちいらないんじゃないかとも思ったけど、何とか謁見を無事終える事が出来た。
思ったよりあっさりとしていたけど、あの場に2時間近くいたみたい。緊張し過ぎて時間なんてわからなかった。でも、何事も無く終える事が出来て良かった。
「ご苦労でした、聖女様。本日は寛ぎください。ご用があれば、聖女様付きとしたメディアにお申し付けください。明日にはお披露目の打ち合わせや、我が国の重鎮を集めた歓迎会を開く予定となっています。お忙しいとは思いますが、何卒よろしくお願いします」
謁見の間を後にした私は、マリンテ枢機卿に連れられてさっきの部屋に戻って来た。疲れている私を見て、労いの言葉をかけてくれる。
そういえばリーグとは謁見の間で別れた。何か言いたそうだったけど、話す暇もなかったので、そのまま別れた。
枢機卿が出て行った後、部屋にいるのは私1人。色々と疲れたけど、取り敢えず聖王国に辿り着か事が出来た。
新しい生活に、人の多さ。慣れないといけない事はいっぱいあるけど、頑張らないとね。
「構いません。この部屋に用意された物は全て聖女様のものですから。なにか足りない物があれば直ぐにご用意致しますし」
物凄く豪華そうな服を着付けしてくれるシスター。名前は確かメディアさん。私の身の回りの世話を担当してくれる人らしい。
歳は20代中頃で、茶色の髪の毛を後ろで1本の三つ編みにしていて、なんと言ってもかなり大きな胸が特徴。
さっきも湯浴みという、貴族しか出来ないお湯に入って体を洗う時も、私の体に何度もぶつけてきたもの。私も年齢の割にはあるはずなんだけど、あれを見た後に自分のを見ると貧相に見えてしまう。
「これで大丈夫です。言葉遣いはあまり気にしないでください。偶に冒険者などが謁見に来る事があるのですが、中には敬語を使わない方もいますので。動きについては、先に中へと入る枢機卿の真似をして頂ければ大丈夫です」
「わかりました。何とか頑張ってみます」
ううっ、物凄く緊張するなぁ。領主様ですら謁見した事ないのに、まさか、この世界で1番大きな国の王様と会う事になるなんて。ハルトなら緊張で倒れるんじゃないかしら。
ふふっ、簡単に想像が出来ちゃったわ。でも、あまり笑わないようにしないと。
「聖女様。お時間になりましたので参りましょう」
「わかりました」
ふぅ、ハルトの顔を思い出したら少し落ち着いた。今はどこかに行ったかわからないけど、会って謝りたいなあ……ハルトは私のことなんて許してくれないだろうけど。それでも……気持ちだけでも伝えたい。
「おおっ! これはこれは、何と美しい!」
ハルトの事を考えていると、大きな声が聞こえてきた。少し驚いて下を向いていた顔を上げると、前には仰々しく手を広げるマリンテ枢機卿が立っていた。その後ろにはアルノードさんと、正装に着替えたリーグも。
「いやはや、歴代の聖女様はこれこれはとても美しいと聞いていたのですが、今代の聖女様も伝承に負けず劣らずですな!」
「ハ、ハハ、ありがとうございます」
物凄い褒めてくるマリンテ枢機卿は、そのまま周りの騎士やシスターたちに色々と指示を出す。そして準備が出来ると歩き始める。
リーグが私に話しかけようとしてきたけど、アルノードさんが壁になるようにして近づけなかった。まあ、今のはリーグが悪いと思う。
周りの雰囲気からして、明らかに話しかけて良いような雰囲気じゃないもの。現にアルノードさんですら出会ってから一言も言葉を発していないのに。
「さあ、ここが謁見の間ですぞ。私の後について真似をして頂ければ大丈夫ですので」
私はマリンテ枢機卿の言葉に頷く。何度か深呼吸をして緊張をほぐす。無礼にならないように気を付けないと。
マリンテ枢機卿が再び指示を出すと、開かれる扉。堂々と入る枢機卿の後に続く。謁見の間は圧巻の一言だった。
ガラス細工で出来たシャンデリアがまるで星空のように天井で輝いて、玉座まで足が沈んだと感じるほど柔らかいカーペット。
左右には20人ずつぐらいの沢山の人が並んでいる。多分この人たちが聖王国の重鎮なのだと思う。そして1番奥には、玉座に堂々と腰をかける男性が。
金髪の50代ほどの男性。この人が聖王様なのでしょうら、私たちが聖王様の元へ向かうために歩いくけど、周りからの視線が鋭くなっていく。うー、緊張する!
何とかソワソワしそうになるのを我慢していると、マリンテ枢機卿はその場で片膝をつき頭を下げる。私たちもそれに倣い片膝をつき頭を下げる。
「聖王様、聖女様をお連れいたしました」
「うむ、ご苦労であったマリンテ枢機卿。アルノードも長旅ご苦労であった」
「勿体ないお言葉です」
深々と頭を下げるマリンテ枢機卿とアルノードさん。そして次に私をみてくる。
「そなたが聖女か?」
「はい、ステラと申します。よろしくお願いします」
「うむ。我々もそなたの力を借りる事になるだろう。浅慮なく申付けるといい。我々はそなたを家族として迎えるぞ」
その言葉に、周りの重鎮たちはおおっ、と歓声を上げる。それからは、形式的な話ばかりで正直私たちいらないんじゃないかとも思ったけど、何とか謁見を無事終える事が出来た。
思ったよりあっさりとしていたけど、あの場に2時間近くいたみたい。緊張し過ぎて時間なんてわからなかった。でも、何事も無く終える事が出来て良かった。
「ご苦労でした、聖女様。本日は寛ぎください。ご用があれば、聖女様付きとしたメディアにお申し付けください。明日にはお披露目の打ち合わせや、我が国の重鎮を集めた歓迎会を開く予定となっています。お忙しいとは思いますが、何卒よろしくお願いします」
謁見の間を後にした私は、マリンテ枢機卿に連れられてさっきの部屋に戻って来た。疲れている私を見て、労いの言葉をかけてくれる。
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