英雄の妹、最強を目指す!
24話 兄の知り合い
「あなたたちは、昨日もここで騒いでいましたね? これ以上問題を起こすのであれば、ギルドとしても対応しなければなりませんが?」
受付の奥から出て来た女性。綺麗な黒髪の長髪をしており、頭の上からはピンと伸びている兎耳が特徴的だ。歳は30中頃なのだけど、見た目は20代。エリア並みの胸を持つ女性。名前はラビさん、この王都の冒険者ギルドのギルドマスターをしている人。
元々ギルド職員だったらしいのだけど、とある人の専属ギルド職員として数年働き、その後は冒険者ギルドの幹部となり、ランウォーカー王国のギルドの顧問をしている『剣聖』の推薦があってギルドマスターになったらしい。
ただ、普段は裏から出て来ないので、この王都のギルドマスターの顔を知っている人は、職員以外では殆どいない。
私も、彼女がお兄様の知り合いだったから知り得た内容。どういう知り合いなのかは知らないけど。
「な、なんだてめぇは! じゃ、邪魔するんじゃねえよ!」
ラビさんが現れた事で職員たちの空気が変わったのがわかったのか、男Aは戸惑いながらも怒鳴る。だけど、その事にこの人のファンは黙っておらず、少しずつ人数が増えて来た。
高ランクの冒険者たちの中には当然ラビさんの顔を知っている人もいる。更にその中には一目惚れしている人も。
男2人は、直ぐに他の冒険者たちに捕らえられて、外へと連れて行かれた。今頃囲まれているところでしょう。
「大丈夫かしら、あなたたち」
外に連れて行かれる男たちを見ていると、後ろから声をかけられた。みんなで振り返ると、微笑むラビさんが立っていた。
「……お久しぶりです、ラビさん」
「ええ、久し振りね、クリシアちゃん。確かもう学園は卒業したのよね。おめでとう」
「いえ。それでは私たちは行きますね」
「あっ、今からランウォーカー王国に行くのだけど、何か伝えておく事とかあるかしら? レイ君にも会うのだけど」
「無いので大丈夫です」
私はそれだけ言うと、転移陣の方まで歩いて行く。後ろでは戸惑った雰囲気のみんなが付いて来てくれる。申し訳ない気持ちはあるのだけど、今はそのまま進む。
転移陣の受付でカードを取り出して見せる。許可が下りると直ぐに転移陣に乗り移動。神島の受付もさっさと済ませて、外に出る。
「……大丈夫ですか、クリシア?」
ギルドから出て立ち止まったところで、エリアが心配そうに私を見てくる。私は笑って頷くけど、エリアは余計に心配そうな顔をして来た。
「さっきの人は知り合いだったのかい?」
エリアの後ろには同じように心配そうに見てくるデルスと、表情はわからないけど伺ってくるリリーナにシロナの姿がある。シロナは小さい時に出会っているから覚えてないのかしらね。
「私というよりは、お兄様の知り合いよ」
「お父様の知り合いだったのですか! 挨拶をし忘れました」
「なんでも、お兄様の専属のギルド職員をしていたみたい。お兄様が学園に入る前からの知り合いって言ってわね」
「そうなのですか。でもどうしてクリシアはあんな対応を?」
「……噂だけど、あの人とお兄様の関係の話を聞いた事があるのよ。お兄様ってかなりの人数の奥さんがいるでしょ? 周りにいる女性は全員がそうじゃないのかってね」
これも私がお兄様をあまり好きになれない理由の1つ。私が物心がついた時には既にお兄様には沢山の奥さんがいた。
お父様もお母様を含めて複数と結婚しているけど、お兄様ほどではない。お兄様には色々な2つ名が付いている。
世界を救った『英雄』や、なんでも雷魔法が得意らしいので『雷帝』、その他人を寄せ付けないほどの強さから『現人神』なんて事も言われたり。
だけど、全員が全員お兄様を認めているわけじゃない。そんな人たちは、お兄様の悪評を広めようと色々と言っている。
中にはお兄様の女性関係の事を言う人もいる。実際に私も言われた事があるしね。国の中には家族と結婚する人もいて、お兄様が私の姉2人と結婚しているため、私もいつ結婚するんだ、なんて。
私もお姉様たちに聞いた話だけど、別の世界のお姫様たちとも仲が良いって言っていたし。意味が分かんないわよ。何よ、別の世界のお姫様って。
「あーー! 何だか色々と考えていたらムカムカして来たっ! 本当はお兄様を殴ってやりたいけど、絶対に避けられるから、魔物たちに八つ当たりしてやる!」
私が街中で突然叫んだ事で、道を歩く人たちは変な人を見る目で見てくるけど、今はどうでも良い。ただ、大声で叫んでみたかっただけだから。
エリアたちも目を丸くして私を見てくるし、シロナは毛を逆立てて驚いている。
「さあ、行くわよ、みんな!」
「……全く、クリシアは」
「はは、頑張ろうかな」
「わわわ、私も頑張ります!」
「私はまたロイおじさんのところに行って来ます!」
ストレス発散にボコボコにしてやるんだから!
◇◇◇
「くそっ、何だこいつは! なんで階層を移動してくるんだよ!」
「5階層で出てくる強さじゃねえ! こんなの10……ぎゃあっ!」
「に、逃げろ! 命が惜しければ逃げろぉぉ!!」
受付の奥から出て来た女性。綺麗な黒髪の長髪をしており、頭の上からはピンと伸びている兎耳が特徴的だ。歳は30中頃なのだけど、見た目は20代。エリア並みの胸を持つ女性。名前はラビさん、この王都の冒険者ギルドのギルドマスターをしている人。
元々ギルド職員だったらしいのだけど、とある人の専属ギルド職員として数年働き、その後は冒険者ギルドの幹部となり、ランウォーカー王国のギルドの顧問をしている『剣聖』の推薦があってギルドマスターになったらしい。
ただ、普段は裏から出て来ないので、この王都のギルドマスターの顔を知っている人は、職員以外では殆どいない。
私も、彼女がお兄様の知り合いだったから知り得た内容。どういう知り合いなのかは知らないけど。
「な、なんだてめぇは! じゃ、邪魔するんじゃねえよ!」
ラビさんが現れた事で職員たちの空気が変わったのがわかったのか、男Aは戸惑いながらも怒鳴る。だけど、その事にこの人のファンは黙っておらず、少しずつ人数が増えて来た。
高ランクの冒険者たちの中には当然ラビさんの顔を知っている人もいる。更にその中には一目惚れしている人も。
男2人は、直ぐに他の冒険者たちに捕らえられて、外へと連れて行かれた。今頃囲まれているところでしょう。
「大丈夫かしら、あなたたち」
外に連れて行かれる男たちを見ていると、後ろから声をかけられた。みんなで振り返ると、微笑むラビさんが立っていた。
「……お久しぶりです、ラビさん」
「ええ、久し振りね、クリシアちゃん。確かもう学園は卒業したのよね。おめでとう」
「いえ。それでは私たちは行きますね」
「あっ、今からランウォーカー王国に行くのだけど、何か伝えておく事とかあるかしら? レイ君にも会うのだけど」
「無いので大丈夫です」
私はそれだけ言うと、転移陣の方まで歩いて行く。後ろでは戸惑った雰囲気のみんなが付いて来てくれる。申し訳ない気持ちはあるのだけど、今はそのまま進む。
転移陣の受付でカードを取り出して見せる。許可が下りると直ぐに転移陣に乗り移動。神島の受付もさっさと済ませて、外に出る。
「……大丈夫ですか、クリシア?」
ギルドから出て立ち止まったところで、エリアが心配そうに私を見てくる。私は笑って頷くけど、エリアは余計に心配そうな顔をして来た。
「さっきの人は知り合いだったのかい?」
エリアの後ろには同じように心配そうに見てくるデルスと、表情はわからないけど伺ってくるリリーナにシロナの姿がある。シロナは小さい時に出会っているから覚えてないのかしらね。
「私というよりは、お兄様の知り合いよ」
「お父様の知り合いだったのですか! 挨拶をし忘れました」
「なんでも、お兄様の専属のギルド職員をしていたみたい。お兄様が学園に入る前からの知り合いって言ってわね」
「そうなのですか。でもどうしてクリシアはあんな対応を?」
「……噂だけど、あの人とお兄様の関係の話を聞いた事があるのよ。お兄様ってかなりの人数の奥さんがいるでしょ? 周りにいる女性は全員がそうじゃないのかってね」
これも私がお兄様をあまり好きになれない理由の1つ。私が物心がついた時には既にお兄様には沢山の奥さんがいた。
お父様もお母様を含めて複数と結婚しているけど、お兄様ほどではない。お兄様には色々な2つ名が付いている。
世界を救った『英雄』や、なんでも雷魔法が得意らしいので『雷帝』、その他人を寄せ付けないほどの強さから『現人神』なんて事も言われたり。
だけど、全員が全員お兄様を認めているわけじゃない。そんな人たちは、お兄様の悪評を広めようと色々と言っている。
中にはお兄様の女性関係の事を言う人もいる。実際に私も言われた事があるしね。国の中には家族と結婚する人もいて、お兄様が私の姉2人と結婚しているため、私もいつ結婚するんだ、なんて。
私もお姉様たちに聞いた話だけど、別の世界のお姫様たちとも仲が良いって言っていたし。意味が分かんないわよ。何よ、別の世界のお姫様って。
「あーー! 何だか色々と考えていたらムカムカして来たっ! 本当はお兄様を殴ってやりたいけど、絶対に避けられるから、魔物たちに八つ当たりしてやる!」
私が街中で突然叫んだ事で、道を歩く人たちは変な人を見る目で見てくるけど、今はどうでも良い。ただ、大声で叫んでみたかっただけだから。
エリアたちも目を丸くして私を見てくるし、シロナは毛を逆立てて驚いている。
「さあ、行くわよ、みんな!」
「……全く、クリシアは」
「はは、頑張ろうかな」
「わわわ、私も頑張ります!」
「私はまたロイおじさんのところに行って来ます!」
ストレス発散にボコボコにしてやるんだから!
◇◇◇
「くそっ、何だこいつは! なんで階層を移動してくるんだよ!」
「5階層で出てくる強さじゃねえ! こんなの10……ぎゃあっ!」
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