英雄の妹、最強を目指す!
22話 中の人
鎧の人の代わりに男たちに囲まれる事になった私たち。特にシロナに蹴り飛ばされた男なんて顔を赤くして怒っているし。
「おいおい、嬢ちゃんたちよお。人の顔に蹴りを入れるなんてやってくれるじゃねえかよ」
「それに関しては謝るわ。だけど、あなたたちも落ち着いて話は出来なかったの? あのままだとあの鎧の人を殴る勢いだったじゃ無い?」
「当たり前だ! あいつが手を抜いたせいで、俺たちは死にかけたんだからな!」
「て、手なんて抜いていません! 僕1人であんな数を抑え込む事が無理だったんです!」
少し話が見えて来たわね。大方今まであの鎧の人に全ての魔物を引きつけて、周りの男たちが倒していたのだろうけど、今日はついに鎧の人が耐え切れない数を相手にしたってわけね。
「ちなみに何体ぐらいなの?」
「ええっと、僕1人でゴブリン20体ほどです」
「はぁ?」
鎧の人の答えに思わず変な声を出して驚いてしまったわ。だけど、誰でも驚くわよそれ。何よ20体って。そんなの余程の能力が無いと無理じゃない。
この鎧の人がどれ程の技量かは知らないけど、まだ私たちのように下の階層にいるのなら厳しいでしょうし。デルスにやってって言っても無理って言うわね。
今まで黙って話を聞いていた周りの冒険者たちも、流石に男たちが怒っている理由が理不尽なものだとわかって、男たちを睨んでいる。
流石に男たちも周りの視線に気がついたようね。周りから向けられる視線に動揺し始めた。
「な、何だよてめえら。俺らが悪いって言うのか、ええっ!?」
「誰がどう考えても悪いでしょう。何よ1人で20体って。そんなの誰が考えても抑え切れないに決まっているわよ。無理を言い過ぎよ」
周りの人たちも私の意見に同調する。周りから「そうだ、そうだ」と言われては、男たちはもう何も言えない。そして、男たちは
「くそっ、もう解散だ! 二度とくるんじゃねえぞ!」
と、言ってギルドから出て行ってしまった。それを私の背から見ていたシロナは
「ふふん! 正義の勝利です!」
と、胸を張ってドヤ顔しているけど、あなたにはお仕置きが待っているのだから覚悟しなさいよね。元はと言えば、あなたが話を少し大きくしたのだから。まあ、今はそれよりも
「あなたは大丈夫?」
「えっ? あ、はい、大丈夫です」
ギルドを出て行く男たちを呆然と見ていた鎧の人は、私が話しかけると、慌てて反応する。そしてぺこぺこと頭を下げ始めた。
「助けていただいてありがとうございます。あのままだと僕は殴られていたでしょう」
「そうね。それはもうボコボコにされていたでしょうね」
私と2人で笑い合っていると、鎧の人は突然何かに気が付いたように慌て始めた。何かと思っていたらヘルムを取ろうとしている。そしてがちゃと外れたヘルムを取ると……えっ?
「ヘルムを着けたままお礼なんて失礼しました。改めましてありがとうございます」
ヘルムの中から現れたのは、とんでもない美少女だ。肩甲骨あたりまで伸びたウェーブのかかった金髪、青空のように透き通る碧眼に、優しげに見える垂れ目。ぷっくりとした唇は何処と無くエロい。
……これは予想外だわ。まさか男だと思っていたら、現れたのが女性だったなんて。しかも、美女。身長も私より高めだったので、より男だと勘違いしていた。シロナもわぁ〜と驚いている。
「……あなた、女だったのね」
「えっ? ああ、はいそうです。普段はヘルムを被っているので気がつかれないですけど」
それはそうでしょうね。声は少年、少女、どちらでもいける声だったから余計にね。まあ、それはいいわ。それより今起きている問題は
「あなた、ここから出ましょう」
「えっ? ええっ?」
私は鎧の女性の手を引いてギルドから出た。理由は、鎧の人がとても綺麗な女性だとわかった周りの冒険者の男たちが、じりじりと近寄ってきたからだ。
さっきまでは遠巻きに見ていただけの男たちは、彼女が女だとわかった途端、自分もまるで協力したような言い方で近づいてきていたので、面倒な事が起こる前にギルドを出たのだ。
そして、そのまま近くの喫茶店に入る私たち。ここは女性客が多く、男性は入りづらい雰囲気になっているので、ここなら後を追ってこないでしょう。
席に座った途端、シロナはケーキを頼む。まあ、良いか。このお店にしか置いてないケーキだしね。
実は言うとこのお店も私の知り合いがやっていたりする。学園に通っていた頃は、エリアと何度も通っていた店になるわ。今日はその知り合いの人もいないみたいだけど。
「うわぁ〜、私こういうお店入った事無いんですよね」
「それは良かったわ。そう言えば自己紹介がまだだったわね。私の名前はクリシア、よろしくね。それでこっちの既にケーキを頬張っている子がシロナ」
「ふぃろはぁでふ!」
私はシロナの頭をはたく。喋るなら飲み込んでからにしなさい。
「はい、よろしくお願いします、クリシアさん、シロナちゃん。私の名前はリリーナと言います。冒険者ランクはDで、盾役をしています」
そう言い頭を下げるリリーナ。ほほぅ、盾役とな。丁度探していた人材の1人じゃないの。これは試してみる価値はあるわね。
「おいおい、嬢ちゃんたちよお。人の顔に蹴りを入れるなんてやってくれるじゃねえかよ」
「それに関しては謝るわ。だけど、あなたたちも落ち着いて話は出来なかったの? あのままだとあの鎧の人を殴る勢いだったじゃ無い?」
「当たり前だ! あいつが手を抜いたせいで、俺たちは死にかけたんだからな!」
「て、手なんて抜いていません! 僕1人であんな数を抑え込む事が無理だったんです!」
少し話が見えて来たわね。大方今まであの鎧の人に全ての魔物を引きつけて、周りの男たちが倒していたのだろうけど、今日はついに鎧の人が耐え切れない数を相手にしたってわけね。
「ちなみに何体ぐらいなの?」
「ええっと、僕1人でゴブリン20体ほどです」
「はぁ?」
鎧の人の答えに思わず変な声を出して驚いてしまったわ。だけど、誰でも驚くわよそれ。何よ20体って。そんなの余程の能力が無いと無理じゃない。
この鎧の人がどれ程の技量かは知らないけど、まだ私たちのように下の階層にいるのなら厳しいでしょうし。デルスにやってって言っても無理って言うわね。
今まで黙って話を聞いていた周りの冒険者たちも、流石に男たちが怒っている理由が理不尽なものだとわかって、男たちを睨んでいる。
流石に男たちも周りの視線に気がついたようね。周りから向けられる視線に動揺し始めた。
「な、何だよてめえら。俺らが悪いって言うのか、ええっ!?」
「誰がどう考えても悪いでしょう。何よ1人で20体って。そんなの誰が考えても抑え切れないに決まっているわよ。無理を言い過ぎよ」
周りの人たちも私の意見に同調する。周りから「そうだ、そうだ」と言われては、男たちはもう何も言えない。そして、男たちは
「くそっ、もう解散だ! 二度とくるんじゃねえぞ!」
と、言ってギルドから出て行ってしまった。それを私の背から見ていたシロナは
「ふふん! 正義の勝利です!」
と、胸を張ってドヤ顔しているけど、あなたにはお仕置きが待っているのだから覚悟しなさいよね。元はと言えば、あなたが話を少し大きくしたのだから。まあ、今はそれよりも
「あなたは大丈夫?」
「えっ? あ、はい、大丈夫です」
ギルドを出て行く男たちを呆然と見ていた鎧の人は、私が話しかけると、慌てて反応する。そしてぺこぺこと頭を下げ始めた。
「助けていただいてありがとうございます。あのままだと僕は殴られていたでしょう」
「そうね。それはもうボコボコにされていたでしょうね」
私と2人で笑い合っていると、鎧の人は突然何かに気が付いたように慌て始めた。何かと思っていたらヘルムを取ろうとしている。そしてがちゃと外れたヘルムを取ると……えっ?
「ヘルムを着けたままお礼なんて失礼しました。改めましてありがとうございます」
ヘルムの中から現れたのは、とんでもない美少女だ。肩甲骨あたりまで伸びたウェーブのかかった金髪、青空のように透き通る碧眼に、優しげに見える垂れ目。ぷっくりとした唇は何処と無くエロい。
……これは予想外だわ。まさか男だと思っていたら、現れたのが女性だったなんて。しかも、美女。身長も私より高めだったので、より男だと勘違いしていた。シロナもわぁ〜と驚いている。
「……あなた、女だったのね」
「えっ? ああ、はいそうです。普段はヘルムを被っているので気がつかれないですけど」
それはそうでしょうね。声は少年、少女、どちらでもいける声だったから余計にね。まあ、それはいいわ。それより今起きている問題は
「あなた、ここから出ましょう」
「えっ? ええっ?」
私は鎧の女性の手を引いてギルドから出た。理由は、鎧の人がとても綺麗な女性だとわかった周りの冒険者の男たちが、じりじりと近寄ってきたからだ。
さっきまでは遠巻きに見ていただけの男たちは、彼女が女だとわかった途端、自分もまるで協力したような言い方で近づいてきていたので、面倒な事が起こる前にギルドを出たのだ。
そして、そのまま近くの喫茶店に入る私たち。ここは女性客が多く、男性は入りづらい雰囲気になっているので、ここなら後を追ってこないでしょう。
席に座った途端、シロナはケーキを頼む。まあ、良いか。このお店にしか置いてないケーキだしね。
実は言うとこのお店も私の知り合いがやっていたりする。学園に通っていた頃は、エリアと何度も通っていた店になるわ。今日はその知り合いの人もいないみたいだけど。
「うわぁ〜、私こういうお店入った事無いんですよね」
「それは良かったわ。そう言えば自己紹介がまだだったわね。私の名前はクリシア、よろしくね。それでこっちの既にケーキを頬張っている子がシロナ」
「ふぃろはぁでふ!」
私はシロナの頭をはたく。喋るなら飲み込んでからにしなさい。
「はい、よろしくお願いします、クリシアさん、シロナちゃん。私の名前はリリーナと言います。冒険者ランクはDで、盾役をしています」
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