黒髪の王〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
221話 魔獣狩り(2)
「はぁぁぁ! 烈炎流、桜火!」
「ギギッ!!」
迫るベアモンキーに俺はシュバルツを振り下ろす。ベアモンキーの体を斜めに切るが、体を覆う剛毛のせいで深くは入らなかった。もう一歩踏み込んで見るか。
「やぁっ!」
ミレイヤは掴みかかろうとするベアモンキーを短剣で逸らし、魔闘脚したスラリとした右足でベアモンキーの首を狩るように回し蹴りを放つ。
ベアモンキーの首に入り、ベキッと音がする。蹴り飛ばされたベアモンキーは後ろに続いていたベアモンキーを巻き込んで吹き飛んでいった。
ミレイヤが短剣で戦っている理由は、既に矢が尽きたからだ。こうなったらいつもは下がるのだが、今回はベアモンキーがしつこい。こいつら、どこからともなく、木々を伝ってやって来るのだ。倒しても倒してもキリがない。
今も俺たちの周りを10数体で囲むベアモンキーたち。そんなに腹が減ってるのか? 餌になりそうな魔獣はいっぱいいるのに。
「なあ、ミレイヤ。なんでこいつら諦めてくれないんだ?」
「さあ? 私も少し困惑しているわよ。いつもならこのぐらい倒すと引くんだけど……」
ミレイヤにもわからないらしい。さて、どうしたものか。このまま引いても良いのだが、村の方まで連れて行くわけにもいかないし。こいつらが結界の中に入らないとも限らないからな。やっぱり倒し切るしかないか。
そう思い再び構え直すと、森の奥から咆哮が放たれた。木々を揺らすほどの雄叫びは、ベアモンキーたちを震えさせ、俺たちが警戒するには十分だった。
森から現れたのはオークだった。俺が見たことあるようなオークとは違い、威圧感がある。鎧を纏い、右手には巨大なメイスが握られて、左手には顔を握り潰されたベアモンキーが掴まれていた。
「……まさか、ハイオークジェネラルが出るなんて。これは予想外だわ」
「強いのか?」
「ええ、オークキングより強いわ」
あのオークキングよりもか。トルネス王国で出会ったオークキングも結構強かったがあれ以上なのか。流石は大平原といったところか。
「でも、倒すしかないわね。こいつに私たちが、というより私がいるのを知られたから、この辺りを徘徊し始めるわ。餌と繁殖用の苗床を探してね」
ミレイヤの言葉で洞窟の中を思い出す。死を望む女性の叫びを……それはこいつを倒すしかないな。
ハイオークジェネラルはミレイヤを見て笑みを浮かべると同時にとある部分を勃たせる。ミレイヤを見て発情してるんじゃねえよ!
俺がハイオークジェネラルに向かうと同時に、ハイオークジェネラルも動き出した。目前に迫る巨体。俺に向かって振り下ろされるメイス。
横に跳び避けると、メイスはそのまま地面へと叩きつけられる。地面を叩いた瞬間、陥没する地面。ハイオークジェネラルはそのまま地面を削りながらメイスを俺に向けて横に振ってきた。
「ちっ、おらぁっ!」
俺は迫るメイスに向けてシュバルツを振り下ろした。ガキンとぶつかり合う武器。俺もハイオークジェネラルも同時に弾かれるが、両手持ちに変えたハイオークジェネラルは素早く振り下ろしてきた。
俺は頭を下げて避け、素早く突きを放つ。しかし、ハイオークジェネラルは器用にメイスで全てを弾いて来る。
もう少し俺の事を甘く見て油断して来るかと思ったが、そんな事はなかった。俺から目を話す事なく間合いを詰めて来る。
甘く見ていたのは俺の方だな。今まで見たオークと同じように考えていた。そんなわけがないよな。いくらオークと言っても、様々な魔獣が蔓延る大平原で生き抜いてきたんだ。普通と同じな訳がないか。
「ブモォ!」
ハイオークジェネラルは一気に迫りメイスを振り下ろしてきた。俺はレイディアントも抜き、シュバルツと交差させてメイスを受け止める。
ぎりぎりとせめぎ合う二剣とメイス。纏・天を発動し、魔闘拳で筋力を強化しメイスを打ち上げる。ハイオークジェネラルは直ぐに空いている左腕を振り下ろして来るが、迫る左腕を蹴り逸らす。
俺はその勢いを使い回転切りを放つ。しかし、ハイオークジェネラルは逸らした左腕をそのまま振り上げてきた。なら、切り落としてやる! そう思い更に力を込めて放つが、まさかのハイオークジェネラルの腕に防がれた。
二剣は弾かれ、俺も吹き飛ばされた。くそっ、なんて筋肉してやがるんだよ。魔闘装した剣を生身で防ぎやがって。
俺はバランスを取りながら態勢を立て直してハイオークジェネラルを見ると、奴は立派な巨体を物ともせずに木々を飛び回って不規則に迫って来た。器用な奴だな、おい!
「ブルゥツ!」
木々を飛び回り、体重を乗せた一撃を放って来るハイオークジェネラル。確かに重そうだが……あの将軍より重たい事は無いだろう、よ!
「黒天翔!!」
シュバルツの闇の魔力を引き出し、下から切り上げる。天高く昇る黒色の斬撃がメイスもろともハイオークジェネラルを切り裂く。しかし、これでも、ハイオークジェネラルの皮膚を軽く切り裂いた程度だ。本当に硬いなこいつ。
ハイオークジェネラルは武器をなくしたため、俺から距離を取る。さて、このまま攻めるか……と、考えていたら
ビュッ!
と、ハイオークジェネラルへと向かって行く。ハイオークジェネラルは迫る一撃に辛うじて反応したが、その一撃は肩を貫いた。
おお、俺の攻撃じゃあ中々傷付けられなかったのに、凄いな。そう思い、攻撃の放たれた方を見るとそこには
「どうですか、女神様! 我々の合体技は!!!」
「こ、今回だけは褒めてあげるわ!」
急いで走ってきたのか、息を上げるミレイヤと、そのミレイヤにキラキラとした表情を見せる会長たちの姿があった。あのとんでもない一撃はお前らかよ!?
「ギギッ!!」
迫るベアモンキーに俺はシュバルツを振り下ろす。ベアモンキーの体を斜めに切るが、体を覆う剛毛のせいで深くは入らなかった。もう一歩踏み込んで見るか。
「やぁっ!」
ミレイヤは掴みかかろうとするベアモンキーを短剣で逸らし、魔闘脚したスラリとした右足でベアモンキーの首を狩るように回し蹴りを放つ。
ベアモンキーの首に入り、ベキッと音がする。蹴り飛ばされたベアモンキーは後ろに続いていたベアモンキーを巻き込んで吹き飛んでいった。
ミレイヤが短剣で戦っている理由は、既に矢が尽きたからだ。こうなったらいつもは下がるのだが、今回はベアモンキーがしつこい。こいつら、どこからともなく、木々を伝ってやって来るのだ。倒しても倒してもキリがない。
今も俺たちの周りを10数体で囲むベアモンキーたち。そんなに腹が減ってるのか? 餌になりそうな魔獣はいっぱいいるのに。
「なあ、ミレイヤ。なんでこいつら諦めてくれないんだ?」
「さあ? 私も少し困惑しているわよ。いつもならこのぐらい倒すと引くんだけど……」
ミレイヤにもわからないらしい。さて、どうしたものか。このまま引いても良いのだが、村の方まで連れて行くわけにもいかないし。こいつらが結界の中に入らないとも限らないからな。やっぱり倒し切るしかないか。
そう思い再び構え直すと、森の奥から咆哮が放たれた。木々を揺らすほどの雄叫びは、ベアモンキーたちを震えさせ、俺たちが警戒するには十分だった。
森から現れたのはオークだった。俺が見たことあるようなオークとは違い、威圧感がある。鎧を纏い、右手には巨大なメイスが握られて、左手には顔を握り潰されたベアモンキーが掴まれていた。
「……まさか、ハイオークジェネラルが出るなんて。これは予想外だわ」
「強いのか?」
「ええ、オークキングより強いわ」
あのオークキングよりもか。トルネス王国で出会ったオークキングも結構強かったがあれ以上なのか。流石は大平原といったところか。
「でも、倒すしかないわね。こいつに私たちが、というより私がいるのを知られたから、この辺りを徘徊し始めるわ。餌と繁殖用の苗床を探してね」
ミレイヤの言葉で洞窟の中を思い出す。死を望む女性の叫びを……それはこいつを倒すしかないな。
ハイオークジェネラルはミレイヤを見て笑みを浮かべると同時にとある部分を勃たせる。ミレイヤを見て発情してるんじゃねえよ!
俺がハイオークジェネラルに向かうと同時に、ハイオークジェネラルも動き出した。目前に迫る巨体。俺に向かって振り下ろされるメイス。
横に跳び避けると、メイスはそのまま地面へと叩きつけられる。地面を叩いた瞬間、陥没する地面。ハイオークジェネラルはそのまま地面を削りながらメイスを俺に向けて横に振ってきた。
「ちっ、おらぁっ!」
俺は迫るメイスに向けてシュバルツを振り下ろした。ガキンとぶつかり合う武器。俺もハイオークジェネラルも同時に弾かれるが、両手持ちに変えたハイオークジェネラルは素早く振り下ろしてきた。
俺は頭を下げて避け、素早く突きを放つ。しかし、ハイオークジェネラルは器用にメイスで全てを弾いて来る。
もう少し俺の事を甘く見て油断して来るかと思ったが、そんな事はなかった。俺から目を話す事なく間合いを詰めて来る。
甘く見ていたのは俺の方だな。今まで見たオークと同じように考えていた。そんなわけがないよな。いくらオークと言っても、様々な魔獣が蔓延る大平原で生き抜いてきたんだ。普通と同じな訳がないか。
「ブモォ!」
ハイオークジェネラルは一気に迫りメイスを振り下ろしてきた。俺はレイディアントも抜き、シュバルツと交差させてメイスを受け止める。
ぎりぎりとせめぎ合う二剣とメイス。纏・天を発動し、魔闘拳で筋力を強化しメイスを打ち上げる。ハイオークジェネラルは直ぐに空いている左腕を振り下ろして来るが、迫る左腕を蹴り逸らす。
俺はその勢いを使い回転切りを放つ。しかし、ハイオークジェネラルは逸らした左腕をそのまま振り上げてきた。なら、切り落としてやる! そう思い更に力を込めて放つが、まさかのハイオークジェネラルの腕に防がれた。
二剣は弾かれ、俺も吹き飛ばされた。くそっ、なんて筋肉してやがるんだよ。魔闘装した剣を生身で防ぎやがって。
俺はバランスを取りながら態勢を立て直してハイオークジェネラルを見ると、奴は立派な巨体を物ともせずに木々を飛び回って不規則に迫って来た。器用な奴だな、おい!
「ブルゥツ!」
木々を飛び回り、体重を乗せた一撃を放って来るハイオークジェネラル。確かに重そうだが……あの将軍より重たい事は無いだろう、よ!
「黒天翔!!」
シュバルツの闇の魔力を引き出し、下から切り上げる。天高く昇る黒色の斬撃がメイスもろともハイオークジェネラルを切り裂く。しかし、これでも、ハイオークジェネラルの皮膚を軽く切り裂いた程度だ。本当に硬いなこいつ。
ハイオークジェネラルは武器をなくしたため、俺から距離を取る。さて、このまま攻めるか……と、考えていたら
ビュッ!
と、ハイオークジェネラルへと向かって行く。ハイオークジェネラルは迫る一撃に辛うじて反応したが、その一撃は肩を貫いた。
おお、俺の攻撃じゃあ中々傷付けられなかったのに、凄いな。そう思い、攻撃の放たれた方を見るとそこには
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