黒髪の王〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
210話 ハーピーの群れ
「キエェェェッッ!!」
空から甲高い鳴き声を上げるハーピーたち。ハーピーの厄介なところはやはり空に飛ぶ事だろう。ハーピーは上半身が女のような体をしており、手の代わりに翼となっている。足は鳥のように鋭い鉤爪が付いており、空からその鉤爪で攻撃して来る。中には魔法を放って来るハーピーもいる。
今回のハーピーは普通のハーピーが大半で、魔法が使えるのが20羽ほどか。それに、1番高い位置で旋回している大きなハーピー。あいつがこの群れのボスのようだ。
「こりゃあ、また面倒な魔獣に襲われたもんだねぇ。奴らは知能もあるから隊列を組んで来る。普通の兵士ならあっという間にやられてしまうよ?」
「そうですね。グリムドが育てた兵士なのでそう簡単にはやられないでしょうが、このまま見ているわけにもいきません。パトリシア、ヴィクトリアの守りをお願いしても良いか?」
「ええ、良いですよ。ヴィクトリアは魔法をお願いね」
「はい、パトリシアお姉様。レディウス、気をつけて下さいね」
俺は頷きながらシュバルツを抜く。師匠もヴィクトリアの側にいてくれるようだ。有難い。ヴィクトリアを気にすることなく前に出る事が出来る。
「お前たち3人1組になれ! 背後から狙われないようにしろ!」
俺は指示を出しながら纏を発動し、一気に跳躍する。突然目の前に現れた俺に驚いたハーピーは「キキィ!?」と驚きの声を上げるが、ハーピーに向かってシュバルツを振り下ろす。
体を斜めに切り裂かれたハーピーは力が抜けたように落ちて行く。俺は落ちるハーピーを足場にして、近くのハーピーへと跳んで行く。
跳んで来た俺に向かって噛み付こうとするハーピーだが、ハーピーの顔を魔闘拳した左腕で殴り、ハーピーを後ろから首を絞める。女性の体はしているが、顔は人間の顔からかけ離れているため殴るのを躊躇わなくて良い。
俺を払い落とそうと翼をはためかせ暴れるハーピー。しかし、首を強く締めているため俺を払い落とす事が出来ずに、重さに耐え切れなくなったハーピーは錐揉みしながら落ちて行く。それに合わせて俺は
「烈炎流、撃鉄!」
シュバルツをハーピーの頭目掛けて振り下ろす。魔力でシュバルツを鈍器のように固めて、ハーピーを地面へと叩きつける。グシャッという感触と音と共に、地面に減り込むハーピー。
「キキェェェェエッ!!」
そんな俺を見たハーピーのボスはハーピーたちへと何か指示を出した。ハーピーはボスの声を聞くと、2羽ずつになり2羽で1人の兵士を襲うようになった。
そして余ったハーピーたちは全員が俺に向かって飛んでくる。おおっ、なんて有難いんだ。俺のために纏めて飛んで来てくれるなんて。わざわざ切りやすいところまで。
俺はレイディアントも抜き、右手に持ったレイディアントを右肩に置くようにし、シュバルツを斜め前に掲げる。
「キキィッ!」
「飛んで火に入る夏の虫、ってな! 烈炎流、桜火乱舞!」
飛んで来たハーピーに向かって肩に担いでいたレイディアントを左下へと振り下ろす。斜めに切り裂かれたハーピーは上半身が左肩から斜めにずれ落ちていく。俺はそのまま振り抜き、回転するようにしてシュバルツを横切りに放つ、が、同時に風切を放つ。
左右から挟むように飛んで来たハーピーへと、片方は風切で切り裂き、もう片方はそのままシュバルツを振り切り、首を落とす。
迫り来るハーピーたちを次々と切り落としていく。俺の周りにハーピーの屍が積み重なっていくが、自分の動きを阻害しないように切っていく。
噛み付こうとして来る奴は顎を下から蹴り上げ閉じさせて、殴り飛ばす。後ろから飛んで来る奴を巻き込んでいく。ハーピーの塊となった奴らに向けてシュバルツの切っ先を向ける。左腕を限界まで引き絞り、ハーピーの塊へと突き放つ!
「旋風流奥義、死突!」
放ったシュバルツの切っ先がハーピーたちを次々と貫いて行く。断末魔を叫ぶ暇もなく頭が吹き飛ぶものもいれば、上半身と下半身がわかれるもの、様々だが一様に死が降りかかる。
「ほらっ、あんたたち! 大将ばかりにやらせて良いのかい!? 男を見せな!」
「「「へいっ!」」」
俺がハーピーたちを切り落としていると、後ろから師匠の声と兵士たちの統率された声が聞こえてくる……えっ? なにやってんの、師匠?
前からまだハーピーがやって来るため振り返られずに切っていると、後ろから一斉に放たれた魔法。色とりどりの様々な魔法がハーピーたちへと降り注ぐ。
ハーピーたちが避けられないように隙間なく埋められた魔法に、ハーピーは為すすべもなく次々と撃ち落とされていく。
「キキッ! キリリキッ!」
次々と屍になっていくハーピーを見て、ボスは何か鳴き声を上げる。すると、先ほどまで向かって来て撃ち落とされていたハーピーたちの中で無事なものたちは空へと飛んでいく。次々と逃げていくが
「てめえは逃すかよ! 黒天裂翔!」
シュバルツに魔力を注ぎ込み闇属性の魔力を発動する。そして全ての流派の動きをまとめて、1番後ろの安全な位置で見てやがるボスへと黒い斬撃を放つ。
ズンッ! と空気を切り裂く音と共に飛んでいく黒い斬撃は、ボスの左の翼を切り裂いた。片翼を失って落ちそうになるが、他のハーピーたちが支えて飛んでいく。くそ、逃したか。
「面白い技を使うじゃないかい。しかしまだ甘かったねぇ」
「ええ、まだ各流派の動きを合わせるのが上手くいかなくて。それより……お前たち、ハーピーから魔石を取り出して死体を一箇所に集めろ。このまま置いておかない」
俺の指示で動く兵士たち。ハーピーたちの死体の処理が終えたのは1時間後だった。倒したハーピーの数は174羽と半分以上は倒して、こちらは怪我人は出たが死人は出る事なく退かせる事が出来た。
まだ、入って早々なのにこの手荒な歓迎。これが大平原に近い領地か。中々手強そうだな。
空から甲高い鳴き声を上げるハーピーたち。ハーピーの厄介なところはやはり空に飛ぶ事だろう。ハーピーは上半身が女のような体をしており、手の代わりに翼となっている。足は鳥のように鋭い鉤爪が付いており、空からその鉤爪で攻撃して来る。中には魔法を放って来るハーピーもいる。
今回のハーピーは普通のハーピーが大半で、魔法が使えるのが20羽ほどか。それに、1番高い位置で旋回している大きなハーピー。あいつがこの群れのボスのようだ。
「こりゃあ、また面倒な魔獣に襲われたもんだねぇ。奴らは知能もあるから隊列を組んで来る。普通の兵士ならあっという間にやられてしまうよ?」
「そうですね。グリムドが育てた兵士なのでそう簡単にはやられないでしょうが、このまま見ているわけにもいきません。パトリシア、ヴィクトリアの守りをお願いしても良いか?」
「ええ、良いですよ。ヴィクトリアは魔法をお願いね」
「はい、パトリシアお姉様。レディウス、気をつけて下さいね」
俺は頷きながらシュバルツを抜く。師匠もヴィクトリアの側にいてくれるようだ。有難い。ヴィクトリアを気にすることなく前に出る事が出来る。
「お前たち3人1組になれ! 背後から狙われないようにしろ!」
俺は指示を出しながら纏を発動し、一気に跳躍する。突然目の前に現れた俺に驚いたハーピーは「キキィ!?」と驚きの声を上げるが、ハーピーに向かってシュバルツを振り下ろす。
体を斜めに切り裂かれたハーピーは力が抜けたように落ちて行く。俺は落ちるハーピーを足場にして、近くのハーピーへと跳んで行く。
跳んで来た俺に向かって噛み付こうとするハーピーだが、ハーピーの顔を魔闘拳した左腕で殴り、ハーピーを後ろから首を絞める。女性の体はしているが、顔は人間の顔からかけ離れているため殴るのを躊躇わなくて良い。
俺を払い落とそうと翼をはためかせ暴れるハーピー。しかし、首を強く締めているため俺を払い落とす事が出来ずに、重さに耐え切れなくなったハーピーは錐揉みしながら落ちて行く。それに合わせて俺は
「烈炎流、撃鉄!」
シュバルツをハーピーの頭目掛けて振り下ろす。魔力でシュバルツを鈍器のように固めて、ハーピーを地面へと叩きつける。グシャッという感触と音と共に、地面に減り込むハーピー。
「キキェェェェエッ!!」
そんな俺を見たハーピーのボスはハーピーたちへと何か指示を出した。ハーピーはボスの声を聞くと、2羽ずつになり2羽で1人の兵士を襲うようになった。
そして余ったハーピーたちは全員が俺に向かって飛んでくる。おおっ、なんて有難いんだ。俺のために纏めて飛んで来てくれるなんて。わざわざ切りやすいところまで。
俺はレイディアントも抜き、右手に持ったレイディアントを右肩に置くようにし、シュバルツを斜め前に掲げる。
「キキィッ!」
「飛んで火に入る夏の虫、ってな! 烈炎流、桜火乱舞!」
飛んで来たハーピーに向かって肩に担いでいたレイディアントを左下へと振り下ろす。斜めに切り裂かれたハーピーは上半身が左肩から斜めにずれ落ちていく。俺はそのまま振り抜き、回転するようにしてシュバルツを横切りに放つ、が、同時に風切を放つ。
左右から挟むように飛んで来たハーピーへと、片方は風切で切り裂き、もう片方はそのままシュバルツを振り切り、首を落とす。
迫り来るハーピーたちを次々と切り落としていく。俺の周りにハーピーの屍が積み重なっていくが、自分の動きを阻害しないように切っていく。
噛み付こうとして来る奴は顎を下から蹴り上げ閉じさせて、殴り飛ばす。後ろから飛んで来る奴を巻き込んでいく。ハーピーの塊となった奴らに向けてシュバルツの切っ先を向ける。左腕を限界まで引き絞り、ハーピーの塊へと突き放つ!
「旋風流奥義、死突!」
放ったシュバルツの切っ先がハーピーたちを次々と貫いて行く。断末魔を叫ぶ暇もなく頭が吹き飛ぶものもいれば、上半身と下半身がわかれるもの、様々だが一様に死が降りかかる。
「ほらっ、あんたたち! 大将ばかりにやらせて良いのかい!? 男を見せな!」
「「「へいっ!」」」
俺がハーピーたちを切り落としていると、後ろから師匠の声と兵士たちの統率された声が聞こえてくる……えっ? なにやってんの、師匠?
前からまだハーピーがやって来るため振り返られずに切っていると、後ろから一斉に放たれた魔法。色とりどりの様々な魔法がハーピーたちへと降り注ぐ。
ハーピーたちが避けられないように隙間なく埋められた魔法に、ハーピーは為すすべもなく次々と撃ち落とされていく。
「キキッ! キリリキッ!」
次々と屍になっていくハーピーを見て、ボスは何か鳴き声を上げる。すると、先ほどまで向かって来て撃ち落とされていたハーピーたちの中で無事なものたちは空へと飛んでいく。次々と逃げていくが
「てめえは逃すかよ! 黒天裂翔!」
シュバルツに魔力を注ぎ込み闇属性の魔力を発動する。そして全ての流派の動きをまとめて、1番後ろの安全な位置で見てやがるボスへと黒い斬撃を放つ。
ズンッ! と空気を切り裂く音と共に飛んでいく黒い斬撃は、ボスの左の翼を切り裂いた。片翼を失って落ちそうになるが、他のハーピーたちが支えて飛んでいく。くそ、逃したか。
「面白い技を使うじゃないかい。しかしまだ甘かったねぇ」
「ええ、まだ各流派の動きを合わせるのが上手くいかなくて。それより……お前たち、ハーピーから魔石を取り出して死体を一箇所に集めろ。このまま置いておかない」
俺の指示で動く兵士たち。ハーピーたちの死体の処理が終えたのは1時間後だった。倒したハーピーの数は174羽と半分以上は倒して、こちらは怪我人は出たが死人は出る事なく退かせる事が出来た。
まだ、入って早々なのにこの手荒な歓迎。これが大平原に近い領地か。中々手強そうだな。
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