黒髪の王〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
121話 魔剣発動
『この魔剣は強力ですが、体への負担が大きいですから、当日まで使用は控えて下さいね? なに、大丈夫です。使い方は発動すれば自然とわかりますから』
◇◇◇
ガウェイン視点
「おらっ!」
「ふっ!」
ちっ、俺が振り下ろした剣を軽々と避けやがるアルフレッド。やっぱり代表は伊達じゃないな。
「次は私から行くよ!」
アルフレッドはフッ、と笑いながら右手に持つ剣で突きを放ってきた。俺は盾で剣を逸らして、下から切り上げるが、いつの間にか左手には雷の剣を発動させている。
「ちっ!」
俺は直ぐにアルフレッドから離れる。あの剣は受ける事も受けさせる事も出来ねえな。触れるだけで痺れるようになっているはずだ。全く面倒な相手だぜ。
俺はアルフレッドの右手の剣は盾で受け止め、雷の剣は避ける。掠る度にピリッと来やがる。
「ほら、どうしたんだい? 避けてばかりだと私には勝てないよ!」
勝手に言ってろ。俺は剣と盾に風を纏わせる。余り得意じゃねえが、魔法付与だ。前まではどちらかにしか出来なかったが、レディウスに纏を教えてもらってからは、慣れて来た。
俺が魔法付与した事に気がつかないまま、剣を振り下ろすアルフレッド。俺は変わらずに盾で剣を防ぐ。そして全く同じように雷の剣を振り下ろしてくる。俺はそれを避けずに剣で受け止める。アルフレッドはニヤリとするが
「……なぜ!?」
そう、電撃が俺に来ないのだ。アルフレッドは戸惑っているが、この先を見逃さない!
「おらぁつ!」
「っ!」
俺は盾で殴りかかる。アルフレッドは後ろに跳ぶ事で避けるが、当然逃さない。そのまま剣で切りかかる。アルフレッドも雷の剣が効かないのがわかったのか、雷の剣を消して、両手で剣を持つ。そして、振り下ろす俺の剣を受け止める。
「まさか、雷が効かないなんてね。今まではどんな魔法を付与していても通ったのだけれど」
「へっ、こっちは魔力を見ろっていう鬼教官がいるからな。それのおかげ、だよ!」
俺の言葉にアルフレッドは首を傾げるが、これ以上言うつもりはない。俺は盾でアルフレッドの剣を下から叩き上げる。
まあ、雷が効かなかったのは魔闘眼のおかげだ。魔闘眼で魔力で作られた雷の動きがわかるので、それに合わせて先に風間法で発動させた風をぶつけて相殺させていただけだ。俺の剣に当たる前に。
俺は剣を振り上げて無防備になるアルフレッドのバッチ目掛けて、剣を突き出す。これでどうだ!
「そう簡単にはやらせないよ! ライトニングブーツ!」
アルフレッドはそう言うと、一気に俺から離れた。俺はそのまま剣を突き出したのだが、掠る事なく外してしまった。よく見れば、足に雷魔法を付与してやがる。そのおかげで速く動けたのか。
「……なかなかやるね、ガウェイン。レディウスばかり気にしてたけど、君もなかなか強い」
「当たり前だ、ってかその上から目線が腹立つぜ。まるで自分の方が強いみたいな言い方しやがって」
「ふふ、悪いね。お詫びでは無いけど、レディウスのために用意しておいた力を解放しようじゃ無いか」
……なんだ? アルフレッドは右手に持つ剣の柄に付いている宝石部分に魔力を流し始めた。そして
「魔剣ベオウルフ、発動!」
アルフレッドが何かを叫んだ瞬間、宝石からナニカが溢れ出した。
◇◇◇
レディウス視点
「ぐぅっ! やっぱり強えな、レディウスは。パワーファイターの俺じゃあなかなか捉えきれねぇ」
俺の目の前で、荒い息を吐きながらも、バトルアックスを構えるロンドル。
確かに俺とは相性が悪いな。俺は旋風流の速さを駆使して、ロンドルのバトルアックスには当たらないように攻撃している。
ロンドルに深い傷を負わせる事は出来ないが、それでも、擦り傷が増えていくに連れて血の流れる量も増える。
今のロンドルは辛うじてバッチは守っているが、バッチを庇うようによけるため、腕が傷だらけになっている。
「だが、俺の取り柄は力とタフネスだ。まだまだやられねえぜ!」
ロンドルはバトルアックスを大きく振りかぶって、横に振ってくる。俺は飛んで避けるが、ロンドルは遠心力を利用して、自分の頭の上でバトルアックスを振り、斜めに振り下ろしてくる。
「明水流、水鏡!」
そのバトルアックスに対して、俺は黒剣で全く同じ力をぶつける。ロンドルは驚きの表情を浮かべるが、俺は弾くのはわかっていたので、そのままロンドルへ切りかかる。
「くっ!」
ロンドルは何とかバトルアックスで防ぐが、防ぎきれずに肩を切る事に成功する。このまま攻め落とす!
そう思いロンドルに向かおうとした時
ゾワッ!
と、背筋が震えるような寒気が走った。俺はその感覚に振り向くと
「がぁぁぁぁっ!?」
吹き飛ばされるガウェインの姿が。それと同時に俺に影が落ちる。俺は咄嗟に横に飛んで避けると、俺がいた場所に剣が振り下ろされた。剣が地面にぶつかった瞬間、地面に斬撃が走る。
「……お、おまえ、ど、どうしたんだよ?」
ロンドルが戸惑う声を上げる。それも当然だろう。俺も驚いているからな。なんせ目の前には
「グルルルゥ」
真っ黒い影のようなものに覆われて全身が狼のような姿に変わったアルフレッドの姿がそこにはあったからだ。
◇◇◇
ガウェイン視点
「おらっ!」
「ふっ!」
ちっ、俺が振り下ろした剣を軽々と避けやがるアルフレッド。やっぱり代表は伊達じゃないな。
「次は私から行くよ!」
アルフレッドはフッ、と笑いながら右手に持つ剣で突きを放ってきた。俺は盾で剣を逸らして、下から切り上げるが、いつの間にか左手には雷の剣を発動させている。
「ちっ!」
俺は直ぐにアルフレッドから離れる。あの剣は受ける事も受けさせる事も出来ねえな。触れるだけで痺れるようになっているはずだ。全く面倒な相手だぜ。
俺はアルフレッドの右手の剣は盾で受け止め、雷の剣は避ける。掠る度にピリッと来やがる。
「ほら、どうしたんだい? 避けてばかりだと私には勝てないよ!」
勝手に言ってろ。俺は剣と盾に風を纏わせる。余り得意じゃねえが、魔法付与だ。前まではどちらかにしか出来なかったが、レディウスに纏を教えてもらってからは、慣れて来た。
俺が魔法付与した事に気がつかないまま、剣を振り下ろすアルフレッド。俺は変わらずに盾で剣を防ぐ。そして全く同じように雷の剣を振り下ろしてくる。俺はそれを避けずに剣で受け止める。アルフレッドはニヤリとするが
「……なぜ!?」
そう、電撃が俺に来ないのだ。アルフレッドは戸惑っているが、この先を見逃さない!
「おらぁつ!」
「っ!」
俺は盾で殴りかかる。アルフレッドは後ろに跳ぶ事で避けるが、当然逃さない。そのまま剣で切りかかる。アルフレッドも雷の剣が効かないのがわかったのか、雷の剣を消して、両手で剣を持つ。そして、振り下ろす俺の剣を受け止める。
「まさか、雷が効かないなんてね。今まではどんな魔法を付与していても通ったのだけれど」
「へっ、こっちは魔力を見ろっていう鬼教官がいるからな。それのおかげ、だよ!」
俺の言葉にアルフレッドは首を傾げるが、これ以上言うつもりはない。俺は盾でアルフレッドの剣を下から叩き上げる。
まあ、雷が効かなかったのは魔闘眼のおかげだ。魔闘眼で魔力で作られた雷の動きがわかるので、それに合わせて先に風間法で発動させた風をぶつけて相殺させていただけだ。俺の剣に当たる前に。
俺は剣を振り上げて無防備になるアルフレッドのバッチ目掛けて、剣を突き出す。これでどうだ!
「そう簡単にはやらせないよ! ライトニングブーツ!」
アルフレッドはそう言うと、一気に俺から離れた。俺はそのまま剣を突き出したのだが、掠る事なく外してしまった。よく見れば、足に雷魔法を付与してやがる。そのおかげで速く動けたのか。
「……なかなかやるね、ガウェイン。レディウスばかり気にしてたけど、君もなかなか強い」
「当たり前だ、ってかその上から目線が腹立つぜ。まるで自分の方が強いみたいな言い方しやがって」
「ふふ、悪いね。お詫びでは無いけど、レディウスのために用意しておいた力を解放しようじゃ無いか」
……なんだ? アルフレッドは右手に持つ剣の柄に付いている宝石部分に魔力を流し始めた。そして
「魔剣ベオウルフ、発動!」
アルフレッドが何かを叫んだ瞬間、宝石からナニカが溢れ出した。
◇◇◇
レディウス視点
「ぐぅっ! やっぱり強えな、レディウスは。パワーファイターの俺じゃあなかなか捉えきれねぇ」
俺の目の前で、荒い息を吐きながらも、バトルアックスを構えるロンドル。
確かに俺とは相性が悪いな。俺は旋風流の速さを駆使して、ロンドルのバトルアックスには当たらないように攻撃している。
ロンドルに深い傷を負わせる事は出来ないが、それでも、擦り傷が増えていくに連れて血の流れる量も増える。
今のロンドルは辛うじてバッチは守っているが、バッチを庇うようによけるため、腕が傷だらけになっている。
「だが、俺の取り柄は力とタフネスだ。まだまだやられねえぜ!」
ロンドルはバトルアックスを大きく振りかぶって、横に振ってくる。俺は飛んで避けるが、ロンドルは遠心力を利用して、自分の頭の上でバトルアックスを振り、斜めに振り下ろしてくる。
「明水流、水鏡!」
そのバトルアックスに対して、俺は黒剣で全く同じ力をぶつける。ロンドルは驚きの表情を浮かべるが、俺は弾くのはわかっていたので、そのままロンドルへ切りかかる。
「くっ!」
ロンドルは何とかバトルアックスで防ぐが、防ぎきれずに肩を切る事に成功する。このまま攻め落とす!
そう思いロンドルに向かおうとした時
ゾワッ!
と、背筋が震えるような寒気が走った。俺はその感覚に振り向くと
「がぁぁぁぁっ!?」
吹き飛ばされるガウェインの姿が。それと同時に俺に影が落ちる。俺は咄嗟に横に飛んで避けると、俺がいた場所に剣が振り下ろされた。剣が地面にぶつかった瞬間、地面に斬撃が走る。
「……お、おまえ、ど、どうしたんだよ?」
ロンドルが戸惑う声を上げる。それも当然だろう。俺も驚いているからな。なんせ目の前には
「グルルルゥ」
真っ黒い影のようなものに覆われて全身が狼のような姿に変わったアルフレッドの姿がそこにはあったからだ。
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