黒髪の王〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
114話 vsオークキング(1)
「ブルゥアアアアアアアアア!!!!!」
「っ!」
オークキングは叫びながら俺たちの身の丈ほどある大剣を振り上げる。その叫び声だけでビーンズと女冒険者は腰を抜かし、ロンドルとメイリーンは顔を青を通り越して白くなっている。オークキングが目指すその先には
「マジかよ、おい!」
「い、いやぁ!」
さっき、オークキングが投げた大岩を避けて、地面に倒れた姿勢のままのガウェインとシャルンだ。オークキングは倒れたままの2人を見てニヤニヤと笑みを浮かべながら剣を振り上げる。
ガウェインは顔を真っ青にしながらもシャルンを庇うように抱き締め、シャルンは涙を流しながら目を瞑る。だけど
「そんな事、させるかよ! 烈炎流大火山!」
俺は、纏を発動し、ガウェインたちに向かって剣を振り下ろすとするオークキングに飛びかかり、剣を振り下ろす。オークキングは大剣を振り下ろそうとしたが、俺が来たのに気が付いて、下からの切り上げに変えた。
俺の黒剣とオークキングの大剣がぶつかった瞬間、衝撃波が洞窟を揺らす。俺の剣とオークキングの剣。一瞬は拮抗したが
「ブルゥ、ウラァ!」
「ちっ! がはっ!」
さすがに空中から振り下ろしている俺の方が不利だった。俺はオークキングに吹き飛ばされ天井にぶつかり、そのまま地面に落ちる。……痛えなぁ。頭のどこかが切れたのか、頭からは温かいのが流れる。
俺は頭を振りながら立ち上がると、オークキングは狙いを俺に付けたようで大剣を横薙ぎに振ってくる。さっきは空中だったせいで吹き飛ばされたが、地面に足がついていれば俺だって!
「おらぁっ!」
俺は迫る大剣に自分の黒剣を叩きつける。その瞬間体に痛みが走る。さっきの洞窟の天井にぶつかったのが効いているな。その上、オークキングの馬鹿力のせいでザザザァーと押される。何とか踏ん張るが何メートルが吹き飛ばされる。
そのままオークキングは一足で俺の目の前に来て大剣を振り下ろす。俺は横に飛んで避けるが、大剣が地面にぶつかった衝撃波で再び洞窟が揺れる。
だけど俺も押されてばかりじゃねえんだよ!
「はぁっ!」
ガキィン! と俺が下から黒剣を振り上げると、オークキングの大剣が上に振り上げられる。オークキングは驚いた表情を見せてくるが、俺はそのままオークキングの懐に入り袈裟切りをする。
しかし、オークキングの筋肉と脂肪は思っていた以上に厚く、その上さっきまでは気がつかなかったが、魔闘眼で見てみると、こいつ、体に魔力を流してやがる。
物凄く大雑把だが纏をしていた。そのせいで、俺の黒剣も思っていたよりオークキングを傷つけなかった。だが、オークキングからしたら、エサとしか思っていなかった俺に傷つけられてしまった。
その事にオークキングは激怒。先ほど以上のパワーで大剣を振り下ろして来やがった。それと同時に魔力が剣を持つ右腕に集まるのがわかる。
「ブラァァァアアアア!」
やばい。俺が頭の中で思い浮かんだ言葉がこれだ。俺に向かって振り下ろされた大剣を、俺は横に飛んで避けるが、オークキングが大剣を叩きつけると同時に、斬撃が森に向かって飛ぶ。地面もひび割れ、その割れが洞窟に走り、洞窟の天井が崩れた。
……なんて馬鹿力だよこいつ。数十メートルぐらい森が抉られたぞ。
「ブルゥア!」
だが、オークキングはそんなもの御構い無しにと、大剣を適当に振ってくる。まるで嵐のようだ。だが
「纏・真」
俺も全身に魔力を限界まで巡らせ、嵐のように振り荒れるオークキングに突っ込む。斜めに切り落としてくる大剣を弾く。何度も何度も何度も弾く。
すると、先ほどまで怒りの表情を浮かべていたオークキングの表情が、次第に笑みを浮かべて来た。何だこいつ?
「何がおかしいんだよ!」
「ブルルルアア!」
俺の言葉がわかっているのかはわからないが、なぜか今の俺の言葉に返事をしたような気がした。だけど、俺もオークキングも止まらない。
「な、何だよあいつ……」
「す、凄い」
「レディウス、お前顔が……」
俺とオークキングは何度も剣をぶつけ合う。少しずつ俺の腕の感覚が無くなっていくが、それでも剣を振るのをやめない。
「はぁぁああ!」
「ブルラァ!」
俺がオークキングの剣を右側へ逸らすと、オークキングの剣は地面に叩きつけられる。その瞬間、叩きつけられた衝撃で、土がはね飛び俺の目に入って来た。
やばっ! そう思った時には俺は吹き飛んでいた。纏をしていたおかげで命はあるが右腕の感覚がない。折れたか。
「ブルルゥ」
左手で目に入った土を取り目を開けると、そこには勝ち誇った笑みを浮かべるオークキングが立っていた。俺は何とか立ち上がるが、黒剣も離れたところに飛び、既にオークキングは剣を振り下ろす体勢に。今から取りに行っても間に合わない。
俺は右腕は動かないが、左腕を無手の構えで待つ。オークキングはそのまま俺をぶった切ろうと大剣を振り下ろしてくる。左腕で倒してやる! そう思った瞬間
「ライジングエッジ!」
大剣に切りかかる人影が。その人影の剣が大剣に触れると、オークキングはビリっと震える。雷が大剣から体に走ったのか。そして俺の横に並ぶように立つ男。そいつは
「ふう、遅くなって悪かったね。あまりの怖さに体が動かなかったが、もう大丈夫だ!」
顔を少し引きつらせながらも笑顔でそんな事を言ってくる、アルフレッドだった。
「っ!」
オークキングは叫びながら俺たちの身の丈ほどある大剣を振り上げる。その叫び声だけでビーンズと女冒険者は腰を抜かし、ロンドルとメイリーンは顔を青を通り越して白くなっている。オークキングが目指すその先には
「マジかよ、おい!」
「い、いやぁ!」
さっき、オークキングが投げた大岩を避けて、地面に倒れた姿勢のままのガウェインとシャルンだ。オークキングは倒れたままの2人を見てニヤニヤと笑みを浮かべながら剣を振り上げる。
ガウェインは顔を真っ青にしながらもシャルンを庇うように抱き締め、シャルンは涙を流しながら目を瞑る。だけど
「そんな事、させるかよ! 烈炎流大火山!」
俺は、纏を発動し、ガウェインたちに向かって剣を振り下ろすとするオークキングに飛びかかり、剣を振り下ろす。オークキングは大剣を振り下ろそうとしたが、俺が来たのに気が付いて、下からの切り上げに変えた。
俺の黒剣とオークキングの大剣がぶつかった瞬間、衝撃波が洞窟を揺らす。俺の剣とオークキングの剣。一瞬は拮抗したが
「ブルゥ、ウラァ!」
「ちっ! がはっ!」
さすがに空中から振り下ろしている俺の方が不利だった。俺はオークキングに吹き飛ばされ天井にぶつかり、そのまま地面に落ちる。……痛えなぁ。頭のどこかが切れたのか、頭からは温かいのが流れる。
俺は頭を振りながら立ち上がると、オークキングは狙いを俺に付けたようで大剣を横薙ぎに振ってくる。さっきは空中だったせいで吹き飛ばされたが、地面に足がついていれば俺だって!
「おらぁっ!」
俺は迫る大剣に自分の黒剣を叩きつける。その瞬間体に痛みが走る。さっきの洞窟の天井にぶつかったのが効いているな。その上、オークキングの馬鹿力のせいでザザザァーと押される。何とか踏ん張るが何メートルが吹き飛ばされる。
そのままオークキングは一足で俺の目の前に来て大剣を振り下ろす。俺は横に飛んで避けるが、大剣が地面にぶつかった衝撃波で再び洞窟が揺れる。
だけど俺も押されてばかりじゃねえんだよ!
「はぁっ!」
ガキィン! と俺が下から黒剣を振り上げると、オークキングの大剣が上に振り上げられる。オークキングは驚いた表情を見せてくるが、俺はそのままオークキングの懐に入り袈裟切りをする。
しかし、オークキングの筋肉と脂肪は思っていた以上に厚く、その上さっきまでは気がつかなかったが、魔闘眼で見てみると、こいつ、体に魔力を流してやがる。
物凄く大雑把だが纏をしていた。そのせいで、俺の黒剣も思っていたよりオークキングを傷つけなかった。だが、オークキングからしたら、エサとしか思っていなかった俺に傷つけられてしまった。
その事にオークキングは激怒。先ほど以上のパワーで大剣を振り下ろして来やがった。それと同時に魔力が剣を持つ右腕に集まるのがわかる。
「ブラァァァアアアア!」
やばい。俺が頭の中で思い浮かんだ言葉がこれだ。俺に向かって振り下ろされた大剣を、俺は横に飛んで避けるが、オークキングが大剣を叩きつけると同時に、斬撃が森に向かって飛ぶ。地面もひび割れ、その割れが洞窟に走り、洞窟の天井が崩れた。
……なんて馬鹿力だよこいつ。数十メートルぐらい森が抉られたぞ。
「ブルゥア!」
だが、オークキングはそんなもの御構い無しにと、大剣を適当に振ってくる。まるで嵐のようだ。だが
「纏・真」
俺も全身に魔力を限界まで巡らせ、嵐のように振り荒れるオークキングに突っ込む。斜めに切り落としてくる大剣を弾く。何度も何度も何度も弾く。
すると、先ほどまで怒りの表情を浮かべていたオークキングの表情が、次第に笑みを浮かべて来た。何だこいつ?
「何がおかしいんだよ!」
「ブルルルアア!」
俺の言葉がわかっているのかはわからないが、なぜか今の俺の言葉に返事をしたような気がした。だけど、俺もオークキングも止まらない。
「な、何だよあいつ……」
「す、凄い」
「レディウス、お前顔が……」
俺とオークキングは何度も剣をぶつけ合う。少しずつ俺の腕の感覚が無くなっていくが、それでも剣を振るのをやめない。
「はぁぁああ!」
「ブルラァ!」
俺がオークキングの剣を右側へ逸らすと、オークキングの剣は地面に叩きつけられる。その瞬間、叩きつけられた衝撃で、土がはね飛び俺の目に入って来た。
やばっ! そう思った時には俺は吹き飛んでいた。纏をしていたおかげで命はあるが右腕の感覚がない。折れたか。
「ブルルゥ」
左手で目に入った土を取り目を開けると、そこには勝ち誇った笑みを浮かべるオークキングが立っていた。俺は何とか立ち上がるが、黒剣も離れたところに飛び、既にオークキングは剣を振り下ろす体勢に。今から取りに行っても間に合わない。
俺は右腕は動かないが、左腕を無手の構えで待つ。オークキングはそのまま俺をぶった切ろうと大剣を振り下ろしてくる。左腕で倒してやる! そう思った瞬間
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