【固有スキル】は±0~必要、取得経験値、共に十億倍~
16話 『礎極一体流』
「『礎極一体流』?創始の武術ってそんな名前だったんだ…」
「お前に教えるのは双短剣と武器がない場合に使う体術だ。…そうだ、その剣貸してくれ」
「いいけど…なんで?」
練の疑問に創始は受け取りながら応える。
「これを短剣に作り替える」
「あー、その効果はそれ限定だっけ」
「あぁ。今日はとりあえず体術だな」
「うん、お願い」
創始による練の鍛練が開始される──
~~~~~~~~
とある場所にて。
とある夫婦が話をしていた。
「まだ行方が分からないのか…」
「そうね…あなた、やっぱりアレが怪しいんじゃない?」
「それもそうだな、1度あっちに帰って原因を調べよう」
そう言ったあとある呟きを残してその夫婦は消えた。
その呟きとは──
「どこに行ったんだ、創始」
~~~~~~~~
鍛練を始めてから約2時間、現在時刻は10時14分となっていた。
「ふう、基本はこれだけだ」
「や、や…っと、終わっ…た」
「さて、今からこの剣の加工に入るから少し待っててくれ」
「加工?何も無い場所で?」
「スキルの1つだ」
剣を持ちながら練に応える。
創始は練から少し離れて剣に魔力を込め始める。
【特殊スキル】《創技神》内包スキル《錬成》、それは規定の魔力を込めた範囲を自在に操作して火を使わずに鍛冶をすることができるスキルだ。
「形は……こうだな」
魔力が込められた『錬磨ノ剣』は淡く輝き、グニャリと動き始める。
形の崩れた『錬磨ノ剣』は次第に2つに分離し、短剣へと形を変えていった。
そして数秒、ついに輝きは止み、2つの短剣へと生まれ変わった。
────────────
【練ト磨ノ双刃】
レベル:1
レア度:神話級
[この短剣、2つで1つ。この2つが離れることは無い。攻撃力が倍加し、鍛錬中は周囲の時間が遅延される]
〈装備スキル〉
条遅
片我之意思
強化
不壊
〈付与効果〉
攻撃×1.5
────────────
・片我之意思
[片方さえ残っていれば何度でも復活する]
・強化
[持ち主に合わせて強くなる]
「こんなんでいいか」
「早いね」
「まあ、魔力を使う辺り魔法なんだろう」
「へぇ」
「よし、じゃあ双短剣に必須の基礎を教えてやる」
「よろしく」
「まずは体術、これはさっき教えたやつを毎日反復練習するだけでいい」
「分かった」
「次に氣力…なんだが、お前の体には氣がないからな。やっても意味は無い」
「ないんだ…」
「それは別にどうでもいい。今は魔法で補える」
「無属性魔法?」
「そうだ。そして最後に必要なのは、まあ、双短剣の基礎だな」
「基礎だけ?」
「この武術は基礎をアレンジするやつだ。流派の名前はまだしも、それは言ったこと無かったか?」
「言ってた…はず。忘れてた」
「全く。教えるから、その通りに動いてくれ」
「分かった」
2人の鍛錬は昼まで続いた──
~~~~~~~~
とある場所にて、2つの人影が現れる。
その人影に1つの人影が歩み寄り、跪く。
「お帰りなさいませ、『越王神』様、『生命神』様」
「いつも通りの態度でいいぞ、『創造神』」
「……分かった」
「さて、帰ってきた理由だが──」
「分かっている、アレのことだろう」
「情報が早いな」
「はっ、創始が急に消えたんだ。そりゃあ、探すさ」
「そうだな」
「それで、他の唯一神達はどこなの?創造神」
「おいおい、分かってるだろ?生命神」
「神枢核かしら」
「そうだ」
「そうか、行くぞ」
「おう」
「ええ」
~~~~~~~~
場所は変わって、生命神が先程、神枢核と言った場所。
「久しぶりだな、越王神と生命神」
「はっ。4日前に会っただろうに、『武神』」
「そうよ、あなた時間の感覚どうなってるの」
「この姿で会ったのは久しぶりだろう?」
「そういう事か、それはそうだな」
「さて、大方調べはついている」
「そうか、原因はなんだった?」
「あぁ。『理外神』、それも邪神の部類で現れたようだ」
「それで創始が異世界に…。普通の『理外神』ならまだしも邪神の部類、対処をどうするか」
「創始に任せりゃいいだろ、アイツは魔法を使わずに魔法を使っていた俺らに勝っている」
「確かに、アイツなら『理外神』になれるか」
「おう、あのステータスの差で勝たれたときはビビったけどな」
「あれは何度も戦ってその知識が頭にあったからだろう。初めて戦う相手のステータスが創始より数倍高いなら創始は勝てまい」
「レベルさえ上げりゃあ勝てるさ。異世界人だぞ?」
「強くはなるが…」
そこで黙って下を見ていた男が驚きの声をあげる。
「えっ?!」
「あ?どうしたんだよ『賢神』」
「何か非常事態でもあったか?」
「いや、そういうことではない………だがこれはこれで面白いかもしれないぞ」
「だから何があったんだよ」
「『理外神』が現れたのはオルフェガル、創始達が転移したのもオルフェガル。面白いと思わないか?」
「転移?勇者召喚か?確かにこの時期だったが…」
「最も、興味深いのは創始と練君だね」
「2人ともあのステータスだろう?」
「『抽選システム』で与えられた【固有スキル】が理由だよ」
「なんだったんだ?」
「創始には〔取得経験値十億倍〕と〔必要経験値十億倍〕、練君には〔努力的成長〕だよ」
「ん?創始のスキルは意味なくないか?練君のは分かるが…」
「いや、まさかこうなるとはね」
「理由が分かっているのか。さすが賢神、努力は怠ってないようだな。では理由を教えてくれ」
「分かったよ。創始のスキルはどちらも十億倍だろう?」
「あぁ、そうだな」
「肝心なのは〔必要経験値十億倍〕の方、これはレベルアップに必要な経験値が十億倍に増えるスキル。では、仮にレベル1からレベル2になるために必要な経験値が10とするとスキルがある場合は100億必要になる。では、経験値が100億手に入れれたとしよう、スキルがもしなく、取得した経験値も10、その場合は〔異世界転移者〕の称号でSPが50、BPが5手に入ることになる。なら十億倍になってたら100億から10を引いた値、9999999990はどこへ消えるんだ?」
「……!そういう事か」
「そう、創始の場合はそれに〔取得経験値十億倍〕というスキルが加わったんだ。面白いだろう?」
「それなら、任せてみてもいいかもしれんな」
「今は『極意の本』を集めようとしているようだね。先に練君に指導してるけど」
「『極意の本』か。なら、創始と会うのはそう遠くない日になるだろうな」
【雑談】
今回は裏話…というか、わかりやすい伏線を張りまくりました、『極意の本』を全部集めた時…なんと──
【いつもの】
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
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「お前に教えるのは双短剣と武器がない場合に使う体術だ。…そうだ、その剣貸してくれ」
「いいけど…なんで?」
練の疑問に創始は受け取りながら応える。
「これを短剣に作り替える」
「あー、その効果はそれ限定だっけ」
「あぁ。今日はとりあえず体術だな」
「うん、お願い」
創始による練の鍛練が開始される──
~~~~~~~~
とある場所にて。
とある夫婦が話をしていた。
「まだ行方が分からないのか…」
「そうね…あなた、やっぱりアレが怪しいんじゃない?」
「それもそうだな、1度あっちに帰って原因を調べよう」
そう言ったあとある呟きを残してその夫婦は消えた。
その呟きとは──
「どこに行ったんだ、創始」
~~~~~~~~
鍛練を始めてから約2時間、現在時刻は10時14分となっていた。
「ふう、基本はこれだけだ」
「や、や…っと、終わっ…た」
「さて、今からこの剣の加工に入るから少し待っててくれ」
「加工?何も無い場所で?」
「スキルの1つだ」
剣を持ちながら練に応える。
創始は練から少し離れて剣に魔力を込め始める。
【特殊スキル】《創技神》内包スキル《錬成》、それは規定の魔力を込めた範囲を自在に操作して火を使わずに鍛冶をすることができるスキルだ。
「形は……こうだな」
魔力が込められた『錬磨ノ剣』は淡く輝き、グニャリと動き始める。
形の崩れた『錬磨ノ剣』は次第に2つに分離し、短剣へと形を変えていった。
そして数秒、ついに輝きは止み、2つの短剣へと生まれ変わった。
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【練ト磨ノ双刃】
レベル:1
レア度:神話級
[この短剣、2つで1つ。この2つが離れることは無い。攻撃力が倍加し、鍛錬中は周囲の時間が遅延される]
〈装備スキル〉
条遅
片我之意思
強化
不壊
〈付与効果〉
攻撃×1.5
────────────
・片我之意思
[片方さえ残っていれば何度でも復活する]
・強化
[持ち主に合わせて強くなる]
「こんなんでいいか」
「早いね」
「まあ、魔力を使う辺り魔法なんだろう」
「へぇ」
「よし、じゃあ双短剣に必須の基礎を教えてやる」
「よろしく」
「まずは体術、これはさっき教えたやつを毎日反復練習するだけでいい」
「分かった」
「次に氣力…なんだが、お前の体には氣がないからな。やっても意味は無い」
「ないんだ…」
「それは別にどうでもいい。今は魔法で補える」
「無属性魔法?」
「そうだ。そして最後に必要なのは、まあ、双短剣の基礎だな」
「基礎だけ?」
「この武術は基礎をアレンジするやつだ。流派の名前はまだしも、それは言ったこと無かったか?」
「言ってた…はず。忘れてた」
「全く。教えるから、その通りに動いてくれ」
「分かった」
2人の鍛錬は昼まで続いた──
~~~~~~~~
とある場所にて、2つの人影が現れる。
その人影に1つの人影が歩み寄り、跪く。
「お帰りなさいませ、『越王神』様、『生命神』様」
「いつも通りの態度でいいぞ、『創造神』」
「……分かった」
「さて、帰ってきた理由だが──」
「分かっている、アレのことだろう」
「情報が早いな」
「はっ、創始が急に消えたんだ。そりゃあ、探すさ」
「そうだな」
「それで、他の唯一神達はどこなの?創造神」
「おいおい、分かってるだろ?生命神」
「神枢核かしら」
「そうだ」
「そうか、行くぞ」
「おう」
「ええ」
~~~~~~~~
場所は変わって、生命神が先程、神枢核と言った場所。
「久しぶりだな、越王神と生命神」
「はっ。4日前に会っただろうに、『武神』」
「そうよ、あなた時間の感覚どうなってるの」
「この姿で会ったのは久しぶりだろう?」
「そういう事か、それはそうだな」
「さて、大方調べはついている」
「そうか、原因はなんだった?」
「あぁ。『理外神』、それも邪神の部類で現れたようだ」
「それで創始が異世界に…。普通の『理外神』ならまだしも邪神の部類、対処をどうするか」
「創始に任せりゃいいだろ、アイツは魔法を使わずに魔法を使っていた俺らに勝っている」
「確かに、アイツなら『理外神』になれるか」
「おう、あのステータスの差で勝たれたときはビビったけどな」
「あれは何度も戦ってその知識が頭にあったからだろう。初めて戦う相手のステータスが創始より数倍高いなら創始は勝てまい」
「レベルさえ上げりゃあ勝てるさ。異世界人だぞ?」
「強くはなるが…」
そこで黙って下を見ていた男が驚きの声をあげる。
「えっ?!」
「あ?どうしたんだよ『賢神』」
「何か非常事態でもあったか?」
「いや、そういうことではない………だがこれはこれで面白いかもしれないぞ」
「だから何があったんだよ」
「『理外神』が現れたのはオルフェガル、創始達が転移したのもオルフェガル。面白いと思わないか?」
「転移?勇者召喚か?確かにこの時期だったが…」
「最も、興味深いのは創始と練君だね」
「2人ともあのステータスだろう?」
「『抽選システム』で与えられた【固有スキル】が理由だよ」
「なんだったんだ?」
「創始には〔取得経験値十億倍〕と〔必要経験値十億倍〕、練君には〔努力的成長〕だよ」
「ん?創始のスキルは意味なくないか?練君のは分かるが…」
「いや、まさかこうなるとはね」
「理由が分かっているのか。さすが賢神、努力は怠ってないようだな。では理由を教えてくれ」
「分かったよ。創始のスキルはどちらも十億倍だろう?」
「あぁ、そうだな」
「肝心なのは〔必要経験値十億倍〕の方、これはレベルアップに必要な経験値が十億倍に増えるスキル。では、仮にレベル1からレベル2になるために必要な経験値が10とするとスキルがある場合は100億必要になる。では、経験値が100億手に入れれたとしよう、スキルがもしなく、取得した経験値も10、その場合は〔異世界転移者〕の称号でSPが50、BPが5手に入ることになる。なら十億倍になってたら100億から10を引いた値、9999999990はどこへ消えるんだ?」
「……!そういう事か」
「そう、創始の場合はそれに〔取得経験値十億倍〕というスキルが加わったんだ。面白いだろう?」
「それなら、任せてみてもいいかもしれんな」
「今は『極意の本』を集めようとしているようだね。先に練君に指導してるけど」
「『極意の本』か。なら、創始と会うのはそう遠くない日になるだろうな」
【雑談】
今回は裏話…というか、わかりやすい伏線を張りまくりました、『極意の本』を全部集めた時…なんと──
【いつもの】
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神無木雷兎
ミハジメタォ。( ^ω^)
更新がんばるんだぉ。
(^ω^ ≡ ^ω^)おっおっお。