【固有スキル】は±0~必要、取得経験値、共に十億倍~

ツキウサギ

11話 偏見である

勇者達は迷宮へ踏み込んだ。
ちなみに、創始は別行動を取っているが、他の勇者達はまとまって行動している。

「さてと、第一階層…ゴブリンから行ってみますか」

少なくとも第一階層は洞窟のように、岩で構成されている。
明かりがないと見ずらいだろう、創始は別だが。

「この暗さなら明かりは要らないな」

一応言っておくと、他の勇者達は魔法を使ったり専用のアイテムを使ったりしている。

「結構鉱石とかありそうだな。ん?これは……『スキル発動:超越之眼』」

一度使った、内包スキル発動時の天の声アナウンスは省略しよう。

────────────
【纏晶鉱】
・纏晶石になる鉱石
────────────

「纏晶石じゃないのか、似てるな」

鑑定結果が分かったところで創始が奥に進もうとした、その時だった。

「グギャッギャ」

「ギャグギャ」

「ギャッグ」

「ギャギャギャ」

4匹のゴブリンが現れたのだ。

「ほう、やっとお出ましか。待ちわびたぞ」

「ギャギッ」

「ギシャッ」

「ギリャッ」

その中の3匹が襲いかかってきた。

「弱いな」

袈裟斬りをしてきた1匹の攻撃を逸らす、逸れた攻撃は後ろから攻撃してきたゴブリンに当たる、1匹が息絶える。
最初に攻撃してきた、バランスを崩したゴブリンの背を蹴り飛ばし、もう1匹のゴブリンに当てる。
どちらもが倒れたところに縮地で接近し、どちらもにトドメを刺す。
ここまで僅か1.5秒。

「弱いな…ん?」

残った1匹のゴブリンは一瞬で仲間を殺されたことに怯えて、何もしようとしない。

「へぇ、魔物も知能はあるんだな、ゴブリンの僅かな本能かもしれないが」

「ギャギギギャア」

創始が少し踏み込むとゴブリンが後退る。

「悪いがこの世界で生き残る為にレベルアップしたいからな、死んでもらうぞ」

縮地でゴブリンに接近し、剣を振り下ろす。

「ゴブリン4体だとレベルは上がらないのか、キリのいい感じだとあと1体ってところか、せめてレベルを1上げて帰りたいからなぁ…」

この1ヶ月を振り返りながら、しみじみと呟く。

「さて、行くか。後1匹くらいでいいなら他の奴らと進んでもいいだろ…気配はこっちだな」

創始は他の勇者達の気配を掴み、その方向へ歩いていく。

~~~~

「よっ、練」

「わっ…なんだ、創始か」

「4体倒してきたからな、後1体くらいでいいと思ってこっちに来た」

「へぇ、僕はさっきやっと1体ゴブリン倒したとこなんだけど」

「この人数で1体倒せただけでも凄いんじゃないか?ただでさえステータスが低いわけだし」

「そうなんだけどね、勇志君なんてもうレベル3になってるよ」

「流石は勇者だな…」

「あ、そうそう。僕の固有スキルにちょっと変化があったよ」

「マジか?ちょっと鑑定するぞ」

「いいよ」

「『スキル発動:超越之眼』」

────────────
名前:東雲 練    Lv1
年齢:15
種族:人間
職業:学生
状態:正常

魔力 64/124
攻撃 10
魔攻 10
防御 10
魔防 10
敏速 10
器用 10

BP:0
SP:0

【固有スキル】[1]
努力的成長(108/500)(11/50)
【特殊スキル】[1]
言語理解
【スキル】[9]
手入れLv6
眠欲耐性Lv5
物理耐性Lv5
威圧耐性Lv3
恐怖耐性Lv3
思考加速Lv4
多重思考Lv3
記憶定着Lv5
並列行動Lv5
魔力操作Lv4
無属性魔法Lv3
生活魔法Lv2
【称号】
オルフェリガルの神の祝福:努力
異世界転移者
虐げられし者
────────────

スキルレベルが上がっているが、そこはどうでもいい。
肝心なのは固有スキルの変化だ、横の数値が変化している。

「ゴブリンを倒した影響じゃないか?」

「それだけじゃない気がするんだけどなぁ」

「まあいいだろ?ゴブリンを倒せば数値が変化するってのがわかったんだし」

「そうだけどね、どんな効果があるのかが分からないし。効果がないものとして動かないと」

先のことを考えて行動するのは、長年創始と付き合っているからだろう。
……この付き合う、は『友達として』だぞ?誤解のないように。

「それもそうだな。よし、先にお前にゴブリン回すから、倒せよ」

「了解、ありがと」

「だが…来ないな」

「さっきから勇志君達が倒してるからね。偶に回してくれるよ」

「そうか…連れてきてやろうか?」

「できるの?できるならお願い」

「魔力の節約もあるし、あまり呼ばないがな」

「魔力を使うって、何するのさ」

「『スキル発動:超越之威』並行して『スキル発動:体力操作』」

─超越之威内包スキル:適散威圧の発動を確認しました。
─体力操作内包スキル:魔力操作の発動を確認しました。

2つのスキルの効果は、魔力操作で体内の魔力を取り出し、適散威圧でその魔力を均等に、周囲に撒き散らした。

「この量だと3体だけか、練!やれるな?」

「多分ね!『我に答えよ、魔力は力を強化する──«筋力上昇ストレンジブースト»』!『我に答えよ、魔力は速さを強化する──«敏速上昇アジリティブースト»』!」

無属性魔法の効果で、練のステータス:攻撃は113、敏速は98となる。
その力、速さは、この世界の・・・・・レベル1・・・・平均・・ステー・・・タス・・を大きく・・・・上回る・・・

「グギャ?」

「ギャ?」

「シャギャ」

もちろん、創始のように反撃でなく力技なので、ゴブリン達は反応する前に首が飛ぶ。

「レベルは上がらない…固有スキルの数値は上がるんだ」

現在、練の固有スキルの数値を確認すると──

※固有スキルのみ表記
────────────
【固有スキル】
努力的成長(414/500)(38/50)
────────────

──となっている。

「一体どんな効果があるんだろう…」

「その事は気にするなよ。あればよし、なければこのまま、だろ?」

「そうだね、この世界でせめてのんびり暮らせるような力ならいいんだけど」

「努力ってあるからそんな感じはしないがな」

「そうだね、やっぱり…冒険者がいいのかな」

「いずれ国を離れるだろうし、冒険者登録はしとくべきだろうな」

「そうだね、身分証明書は国に発行してもらえるだろうけど、冒険者っていう肩書きも持ってた方が後々楽だろうし」

「やっぱりテンプレもあるんだろうな。『弱そうなお前が登録出来るわけないだろ!』って」

偏見である。
この世界の冒険者は試験を合格しないと登録できないので、そんなことになることはまずありえない。

「創始なら圧倒できるんじゃない?それよりもここの迷宮の最下層とか、他の迷宮とか、攻略した方がいいんじゃない?」

「あー、それもそうか」

2人が移動しながら今後の計画を練っているそのときだった。

ズガァァァンッ

と、音が鳴り響いた。

「なんだ…?」

「ちょっと、あれ…」

2人の目に映ったのは…薄黒い・・・ドラゴン・・・・だった。






【雑談】
テストのせいでストックが作れなかった!(今まで作ろうとしてなかった)
ちなみに、エピソードタイトルは何となく、直感で決めてます。

【報告】
総合ランキングで2位を取ってしまい、発狂しました。
ありがとうございます。

もう1つ作品を作ろうと思っています。
これと同時進行は難しいので、そっちは不定期。
題名は[圧縮スキルの吸収譚〜固めて吸って世界最強〜]です。
そっちもよろしくお願いします!

【紹介コーナー】
最近伸びてきたので、紹介を少し
(本人から了承を得ています)
題名は[炎呪転生~理不尽な吸血鬼~]です。
自分と同じく異世界物で、転生した主人公が、理不尽にトラブルを解決していく作品となってます。

【いつもの】
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