Regulus
Deep Blue
この日も志輝は曲の打ち合わせに、俺は撮影でお互い離れた。
撮影の休憩の間にふとスマホを見ると、志輝から『終わったから先に帰って作曲してるね』と連絡が来ていた。俺は相変わらず何時で終わるか分からないのもあり、ただ「分かった」としか返せなかった。
「なんだ、志輝か?」
今日の撮影の相方、遥がスマホを覗き込んできた。
全員の写真集の発売を終えてすぐ、ペアの写真集の発売が決まり、今回はあみだくじで決まった。その結果、俺と遥、由真と真修に決まった。志輝は曲の締切が迫っていたことから今回はスルーだ。
「あぁ、打ち合わせ終わったから先に帰るって」
「ほー、帰り送るか?車か?」
「大丈夫、今日は車だ」
「そうか、ならいい」
「慶さん、遥さん、お願いします!」
そして、カメラマンは遠野だ。
兄貴に話をしたら事務所に引っ張ってくれて、Regulus専門のカメラマンになっている。
「はーい、行こーぜ慶ちゃん」
「慶ちゃん言うな」
こんな会話もお決まりだ。
今回の写真集はコンセプトではなくキャッチコピーになった。
俺達のキャッチコピーは「もう俺達から逃げられない」
挑発的なキャッチコピーをつけた理由はペアにしたからこそ挑発しよう、と話になったからだ。
今回は少しスーツでビシッと決めた。
スーツでハットを被ったり、銃のホルスターを付けたり、背中合わせになったりと今回はキメが多い。出来上がった写真は後日Regulusのミーティングに遠野が持ってきてくれることになった。
遠野曰く、
「写真はすごく良いものになってますよ!」
とのこと。
撮影を終えた頃にはすっかり夜で、一応志輝に「今終わった、これから帰る」と連絡を入れる。作曲中だから返事が遅い時もあるが、それ以外は大抵早い。今日は作曲すると言っていたから返事は期待しないでおこうと決めて車に乗る。免許を取ってからというもの、志輝の車を借りて乗ることが多くなった。そのために保険も変えたほどだ。
集中している時は何も聞こえなくなる志輝。良くも悪くも誰かが声をかけるまで続くし、テルやユキがそばにいることに気が付かないときもざらにある。
「...ただいま」
家に着いて玄関を開けると電気は着いていた。そのまま志輝の部屋を覗くと志輝はおらず、少し不審に思っていると、ユキとテルが遅ればせながらも出迎えてくれた。
「ただいま、ユキ、テル。志輝知らないか?」
そう言うとユキはリビングに向かった。テルと一緒にユキについて行くと、そこには俺のパーカーを着て志輝が丸まって寝ていた。恐らくユキとテルが挟んでいたのだろう。周りにはたくさんの五線紙があって、それには志輝が紡ぐ音が書いてあった。どれも気に入らなくて書いて試してはボツにし、書いて試してはボツにしを繰り返した結果だろう。集めてみると数十枚は軽く超えていた。
俺は志輝の寝顔の写真と丸まって寝ている写真を撮る。シャッターの音にも反応しないから、完全に疲れて寝落ちしたんだろう。
俺はそっとそばによって志輝の頭を撫でる。
「...ん...」
すると流石に気がついたのか志輝が目を覚ました。
「おはよ、ただいま志輝」
「...おかえり、慶」
寝起きの志輝がふにゃっと笑う。
俺はこの笑顔がたまらなく好きだ。志輝の唇にそっと口付けて、額を合わせる。
「ここで寝るなよ、風邪ひく」
「...慶待ってたら寝ちゃってて...」
「知ってる、ごめんな、寂しかったろ」
「...うん、ちょっと...」
「急いで風呂入ってくる、ベッドで待ってて」
「...うん、分かった」
志輝を寝室まで連れて行ってから風呂に入る。
今日は思いっきり甘やかそう。
志輝のPCには俺達の新しい曲が目を覚まそうとしていた。
撮影の休憩の間にふとスマホを見ると、志輝から『終わったから先に帰って作曲してるね』と連絡が来ていた。俺は相変わらず何時で終わるか分からないのもあり、ただ「分かった」としか返せなかった。
「なんだ、志輝か?」
今日の撮影の相方、遥がスマホを覗き込んできた。
全員の写真集の発売を終えてすぐ、ペアの写真集の発売が決まり、今回はあみだくじで決まった。その結果、俺と遥、由真と真修に決まった。志輝は曲の締切が迫っていたことから今回はスルーだ。
「あぁ、打ち合わせ終わったから先に帰るって」
「ほー、帰り送るか?車か?」
「大丈夫、今日は車だ」
「そうか、ならいい」
「慶さん、遥さん、お願いします!」
そして、カメラマンは遠野だ。
兄貴に話をしたら事務所に引っ張ってくれて、Regulus専門のカメラマンになっている。
「はーい、行こーぜ慶ちゃん」
「慶ちゃん言うな」
こんな会話もお決まりだ。
今回の写真集はコンセプトではなくキャッチコピーになった。
俺達のキャッチコピーは「もう俺達から逃げられない」
挑発的なキャッチコピーをつけた理由はペアにしたからこそ挑発しよう、と話になったからだ。
今回は少しスーツでビシッと決めた。
スーツでハットを被ったり、銃のホルスターを付けたり、背中合わせになったりと今回はキメが多い。出来上がった写真は後日Regulusのミーティングに遠野が持ってきてくれることになった。
遠野曰く、
「写真はすごく良いものになってますよ!」
とのこと。
撮影を終えた頃にはすっかり夜で、一応志輝に「今終わった、これから帰る」と連絡を入れる。作曲中だから返事が遅い時もあるが、それ以外は大抵早い。今日は作曲すると言っていたから返事は期待しないでおこうと決めて車に乗る。免許を取ってからというもの、志輝の車を借りて乗ることが多くなった。そのために保険も変えたほどだ。
集中している時は何も聞こえなくなる志輝。良くも悪くも誰かが声をかけるまで続くし、テルやユキがそばにいることに気が付かないときもざらにある。
「...ただいま」
家に着いて玄関を開けると電気は着いていた。そのまま志輝の部屋を覗くと志輝はおらず、少し不審に思っていると、ユキとテルが遅ればせながらも出迎えてくれた。
「ただいま、ユキ、テル。志輝知らないか?」
そう言うとユキはリビングに向かった。テルと一緒にユキについて行くと、そこには俺のパーカーを着て志輝が丸まって寝ていた。恐らくユキとテルが挟んでいたのだろう。周りにはたくさんの五線紙があって、それには志輝が紡ぐ音が書いてあった。どれも気に入らなくて書いて試してはボツにし、書いて試してはボツにしを繰り返した結果だろう。集めてみると数十枚は軽く超えていた。
俺は志輝の寝顔の写真と丸まって寝ている写真を撮る。シャッターの音にも反応しないから、完全に疲れて寝落ちしたんだろう。
俺はそっとそばによって志輝の頭を撫でる。
「...ん...」
すると流石に気がついたのか志輝が目を覚ました。
「おはよ、ただいま志輝」
「...おかえり、慶」
寝起きの志輝がふにゃっと笑う。
俺はこの笑顔がたまらなく好きだ。志輝の唇にそっと口付けて、額を合わせる。
「ここで寝るなよ、風邪ひく」
「...慶待ってたら寝ちゃってて...」
「知ってる、ごめんな、寂しかったろ」
「...うん、ちょっと...」
「急いで風呂入ってくる、ベッドで待ってて」
「...うん、分かった」
志輝を寝室まで連れて行ってから風呂に入る。
今日は思いっきり甘やかそう。
志輝のPCには俺達の新しい曲が目を覚まそうとしていた。
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