人外と友達になる方法

コング

第52話 怪我の功名 〜古の祠篇〜

大岩を乗り越えた後も、幾重にも張り巡らされたトラップに見事に引っかかりまくった。

「だから不用意に触るなって言っただろぉ!」

「すまーん! 今度は気をつける!」

「あんたそれ何回目よ!」

「4回目?」

「6回目です…」

悠火達は坂の上から流れて来る濁流から逃れるため全力で走っている。
今度も奏鳴が原因だ。

「ヤバイぞ! どんどん追いつかれてる!」

「このままじゃ呑まれっ!」

濁流との鬼ごっこは突然終わりを告げた。
地面あしもと消えた・・・のだ。

「何!」

「きゃぁ!」

「うわっ!」

悠火と舞姫、竜夜の3人は突如として消えた地面あしもとにできた巨大な穴に吸い込まれる様に落ちていった。
間一髪落ちることを逃れた光秀と奏鳴が手を伸ばすが、あと数センチ足りなかった。
3人は暗闇に吸い込まれて行った。

「おい、どうする!? 早く助けねぇと!」

すると穴の奥から悠火の声が聞こえた。

「おい! 穴の底に入口があるぞ!」

今回の依頼は島の中央に造られた遺跡の調査だ。
悠火達はその入口を探していたのだが、それを見つけたようだ。

「本当か!? というか、降りて大丈夫なの?」

「ああ! 問題ない!」

「それなら、奏。行くよ!」

光秀は躊躇することなく穴へと飛び込んだ。奏鳴も後に続く。
穴底には水が溜まっていた。
これなら余程変な着水をしない限り怪我はしないだろう。
水はかなり深く、底がまるで見えない。

「こっちだ」

水面から少し高いところに横穴がある。その中から悠火が光秀と奏鳴を手招きしている。

「こんなところにあったんだね」

「結果的に俺が罠にかかったおかげ?」

「調子に乗るんじゃないわよ単細胞!」

横穴の奥から舞姫の声が聞こえる。竜夜も奥にいるようだ。
無事入口が見つかり、いよいよ遺跡調査が始まる。




遺跡に踏み入ってから10分。遺跡の中はまるで迷路のようだった。案の定迷子だ。

「ん〜完全に迷ったな」

「みたいだね」

「ちょっと、どうするのよ!」

遺跡の地図などはもちろんない。なのでどうしようもない。
しかし、光秀があることを思い出した。

「奏。真白さんの妖力探知で道わからないかな?」

狐々愛の話では、真白は妖怪の中でもトップクラスの妖力探知力らしい。確かにいい考えだ。

「そうだな、やってみるか」

そう言うと奏鳴は真白を呼び出した。

「何? ご主人様?」

「この遺跡の最深部にある祠の場所わかるか?」

「ん〜、ちょっと待ってね」

真白は目を閉じて集中する。すると額から石英のごとく純白な2本の角が出現する。
真白と黒奈は普段角を隠している。狐々愛が耳と尻尾を隠しているのと同じ理由だ。
角が出現したと言うことは、本来の姿に戻ったと言うこと。即ち白鬼としての全力が出せると言うことだ。

「……よし、わかったよ。付いて来て」

真白の先導に従って、悠火達は遺跡の最深部を目指す。
道中何回も罠が仕掛けられていたが真白の妖力探知で避けることができた。もっと早く真白に頼めばよかった…
そして遂に遺跡の最深部に到達した。

「この先に最深部の祠があるよ、ご主人様。ただ…」

真白が神妙な面持ちで振り向く。

「ありえないほど濃い妖気ね」

「そうだな…肌に刺さるように冷たい妖気だ…」

悠火や舞姫も祠の方からする強大な妖気に気がついたようだ。

「皆さんどうしたんですか?」

しかし竜夜は何のことかわからない様子だ。
下級だから妖力探知が苦手なのだろうか。

「とにかくこの先はいつでも戦闘ができるように各自準備しといてくれ」

悠火と奏鳴はそれぞれ憑依をし、光秀と竜夜は妖符を取り出す。舞姫はクナイのような形をした小刀を2本取り出した。
舞姫の得意とする術式は妖装ようそうと呼ばれるものだ。妖装とは物に妖力を流し、強化する術式だ。ただの木の枝が鉄パイプをへし折り、小石で戦車を大破させることもできる。それが愛用の物になると威力は桁違いに高くなる。

「それじゃ行くぞ」

5人はゆっくりと祠の中に足を踏み入れた。




辺りは真っ暗で何も見えない。
ただ水の垂れる音と、自らの鼓動と呼吸の音しか聞こえない。
そんな暗闇の中に、男はいた。

「面倒くせぇ迷路だな…最深部ってことは下だろ? なら地面をぶち壊せば着くだろ」

男は足を地面に向かって叩きつける。たったそれだけで地面が割れる。

「これで一本道だ」

男は割れた地面に飛び込む。
落下すること数十秒。ようやく底に辿り着いた。

「さて…あの方・・・からの命を済ませるとするか…」

男は祠に向かって歩く。祠を守護する妖怪たちが男に襲いかかる。

「邪魔だ…死ね」

男が腕を横に振る。それだけで男を取り囲む100を超える妖怪が全滅した。

「これじゃ退屈しのぎにもなりゃしねぇ」

男は祠に祀ってある、竜の彫刻に触れる。

「お前は俺を楽しませてくれるのか? なぁ…真竜……」

すると背後から近づいてくる妖気があった。

「邪魔が入ったな…お前らは俺を楽しませてくれるのか?」

祠へと向かう悠火たちを男は待ち構える。その男の名は青龍せいりゅうと言った。




読んでいただきありがとうございます。
最近眠気が取れずに勉強しながら船を漕いでるコングです。

眠い…ホント眠い……
お昼寝したいけど時間がない…
う……意識が………Zzz…

良し、よく寝た!
もう少し睡眠に気を使っていこうと思います。

それではまた次回!

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