人外と友達になる方法

コング“シルバーバック”

第15話 カミングアウト 〜雷王篇〜

雷王が再び暴れないように、狐々愛が妖術で拘束する。

「雷王…話を聞かせてもらうぞ」

「くっ…好きにしろ」

雷王は一度は抵抗したものの、拘束を解くのを諦めたようだ。

「先ず、お主の封印はいつ誰に解かれたのじゃ?」

「我の封印は2ヶ月前に解かれた。我の封印を解いた者はこう名乗っておった。“牙狩きばがり”と」

「牙狩?」

「組織に力を貸すなら封印を解くと言われ、我は了承した。それからの記憶はほとんどない」

「記憶が無いじゃと?」

「ああ…ただ暴れろと命じられたことはうっすらと覚えている」

雷王の封印を解いた牙狩とは一体どんな人物なのだろう。狐々愛と渡り合う強さからも、雷王が高位の妖怪だというとは明白だ。
そんな妖怪の封印を簡単に解く牙狩の目的も気になる。

「どんな理由があれ、お主が人間を傷つけたことは事実。妾たち妖怪の掟忘れてはいまいな?」

「ああ、わかっている。然るべき罰は受ける」

「お主にはまだ聞きたいことがある。本当なら直ぐに永劫封印じゃが…今回は話を聞いてからじゃ」

「………好きにしろ」

「術式展開・封縛門ふうばくもん

雷王は門に吸い込まれ消えていった。
こうして、雷王との戦いは終わった。

「さて、お主らのことじゃが」

狐々愛は後ろで静かに事の成り行きを見ていた奏鳴と光秀の方を振り向く。

「え!? 何?」

「妾の秘密を知ったからにはそれ相応の対象が必要じゃろう」

「そ、そんな!」

奏鳴は今にも泣き出しそうだ。

「仕方ないとはいえ、悠火の友人に術をかけるのは心が痛む」

狐々愛は2人に向かって手を伸ばす。

「それでは…」

「待った」

狐々愛を止めたのは他でも無い悠火だった。

「何じゃ悠火」

「2人の記憶を上書きするのは待ってくれ。これは命令だ」

「…命令ならば仕方がないのぅ」

狐々愛はゆっくりと手を下ろした。式神は術者の命令に逆らえないからだ。

「2人の記憶は残しといた方がいい」

「なんでじゃ?」

「妖怪の予備知識とかがあった方がこの先安全だろ?」

もしこの先今回のように妖怪による事件が起きた時、予備知識があるのとないのでは大違いだ。

「じゃが、妾のこともバレたままでいいよいのか?」

「いいじゃねぇか。俺たち3人はお前の友達だろ? 友達に秘密は良くないぞ。お父さんは友達に隠し事をするような悪い子に育てた覚えはないぞ?」

「父親づらするでない! 友達…友達か……」

狐々愛は口を膨らませる。しかし、すぐに嬉しそうな顔でニヤける。

「どしたの? ああ、そうか。お前友達が欲しかったんだよな? なら良かったな、3人も友達が出来たぞ!」

「うるさい!  別に妾は…」

「そんなわけだからさ、お前らこれからも狐々愛と仲良くしてやってくれね?」

「悠火…昔から妖怪は嫌われ者じゃ。そんなわがままが叶うなど…」

「「もちろん」」

奏鳴と光秀は声を揃えて承諾の返事をする。

「…え?」

狐々愛は戸惑いの声を上げる。

「妖怪だろうと何だろうと、狐々愛ちゃんが命の恩人なのは変わりない。それに狐々愛ちゃん可愛いからな!」

「妖怪なんていないって思ってたけど、今のを見たらもうそうはいかないからね。これからは、妖怪が存在する事を証明してみたいと思うよ」

それぞれ理由は違えど、狐々愛の事を寛大に受け入れてくれた。
それにこの二人は悠火が唯一親友と呼べる二人だ。狐々愛の秘密を話すようなことはしないだろう。

「…ありがとう…なのじゃ」

「思ったこと言っていい?」

奏鳴は真面目な顔で言った。

「お、おお。いいぞ」

もしかすると狐々愛について何かあるのかもしれない。
その剣幕に押され、悠火は少したじろぐ。

「狐々愛ちゃんのその喋り方たまらなくきゃわいい!」

心配して損した。




読んでいただきありがとうございます。コングです。

更新が滞ってしまい、申し訳ございませんでした。
作者が冬休みに入ったので、少し更新速度が上がるかもしれません。でも、補習と課題に追われてるので上がらないかもしれません。

それではまた次回!

「人外と友達になる方法」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代アクション」の人気作品

コメント

コメントを書く