人外と友達になる方法

コング“シルバーバック”

第4話 幼女妖狐 〜洞窟篇〜

妖狐と名乗った少女は見た目10歳程度の小学生にしか見えない。

「誰が10歳じゃ!」

どうやら妖狐は人の心が読めるらしい。しかし、どう見ても10歳、甘く見積もってもせいぜい12歳だ。

「儂を前におしゃべりとは、随分と余裕だな小娘」

「じゃから、妾は子供ではないと言っておるではないか!」

「ふん…そんな尽きかけのの妖力で何ができる」

「妖力だけで相手を見てはならんぞ? 年長者からの教えじゃ」

妖狐は余裕の笑みを浮かべる。

「小賢しい…どちらが上の存在か教えてやる必要があるな…」

すると河童の体がどんどん大きくなっていく。
あっという間に天井まで届くほど大きくなった。

「おー、凄い妖術じゃの! 見くびっておった。じゃが、そんなんじゃ妾には敵わんぞ?」

「まだ言うか! 小娘が!」

河童が丸太のように太い腕を振り上げ、振り下ろす。
しかし妖狐は避けるそぶりを見せない。

「危ない!」

咄嗟に悠火は叫んだ。

「心配するな、見ておれ」

そう言って妖狐は白く細い腕で迫り来る丸太の如き腕を止めようとする。

「潰れろぉ!」

「頭が高いぞ」

河童の腕が妖狐を叩き潰す……直前で肘から先が弾け飛んだ。

「何だと!? 貴様何をした!」

「はぁ…じゃから言ったではないか、其方では妾に敵わんと」

妖狐はため息交じりに言った。

「黙れぇ!」

河童は残った左腕で水を大砲のように撃つ。
河童の放った水は妖狐に命中し、土煙をあげる。

「ざまあみやがれ、下級妖怪が…儂に逆らうからだ」

少しずつ土煙が晴れる。そこにはまったく無傷の妖狐が立っていた。

「残念じゃ、昔は河童はもっと賢い妖怪じゃったと言うのに…」

「くっ! 上手く避けたようだが次はないぞ!」

河童は再び妖狐に水大砲を撃とうとする。しかし、何度やっても大砲は飛んでこない。

「馬鹿な! 儂の妖術は水を自在に操る!何故操れん!」

「簡単なことじゃ、妾の妖術で其方の妖力を封じておるのじゃ」

「妖力を封じる、だと?」

「正確には其方が妖力を使うたび、妾にその妖力が吸収されるのじゃ」

河童と妖狐の話は人間の悠火にはさっぱりだが、一つだけわかったことは、

「妖力の能力反則だろ…」

河童も同じことを思ったらしく、

「反則だ…そんな妖術反則だ! そんなのいくら妖狐でも…はっ! まさか、貴様は!」

河童の顔がさらに青くなる。

「ようやく気が付いたか? そう、妾は妖狐族の長、大妖怪の天狐様じゃ!」

天狐と名乗る少女は腰に手を当て堂々としている。
そして、その自己紹介を聞いた河童が震えていることに伊鳴は気が付いた。

「そんな…そんなことが……くそっ!」

河童は急に血相を変えて妖狐から逃げるように走り出す。

「無駄じゃ…人を傷つけた妖怪は放っておくわけにはいかん…… 術式展開・永劫封印えいごうふういん

妖狐が河童に手を向けると、河童の背中に紋様が刻まれた。
すると、空間が歪み無数の手が河童を引きずり込もうとする。

「嫌だ! やめてくれ! もう二度と人間を傷つけたりしないから!」

「すまんの…これが人を傷つけた妖怪の報いじゃ」

妖狐は悲しそうな表情をしていた。

「ああぁぁぁ……」

断末魔の叫びと共に、河童は空間に吸い込まれていった。

「さて、お主の友人の手当てをせんとの」

そう言うと妖狐は頭を打って気絶している奏鳴と出血の痛みとショックで失神した光秀に向かって呪文のようなものを唱えた。
すると奏鳴の頭の傷も、光秀の腕の傷も綺麗に消えてしまった。

「これで傷は癒えたぞ。ついでに今日見たことの記憶も消しておいた」

「ありがとう……ってことは俺の記憶も?」

「もちろんそうじゃ……と言いたいんじゃが、いろいろと面倒なことがあっての…」

「何だ?」

「実は……」
 
妖狐が俺に何を話したのかは、また後日話すことにしよう。




読んでいただきありがとうございます。コングです。

妖狐の語尾は完全に作者の好みです。別に普通にしてもよかったんですが、「〜じゃ」とか「〜のう」の方が妖狐感が出る気がしたんです!

もしかしてそう思うのは僕だけ? もしそうでも、やめるつもりはありません。

それではまた次回!

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