人外と友達になる方法

コング“シルバーバック”

第3話 河童チェイス 〜洞窟篇〜

突如目の前に現れた異形のものに悠火と光秀の意識は奪われた。

「な、なんだよ!こいつ!」

「信じられない!こんなものが存在するなんて!」

秀才光秀でもこの状況は飲み込めないらしい。
それもそうだ、目の前いるのは妖怪、河童なのだ。

「何をしに来た…人間……」

「会話が出来るのか…?」

光秀が恐る恐る話しかける。

「ああ、さっさと要件を言え」

要件と言っても、3人は肝試しに来たのだ。何も用はない。

「僕たちは肝試しに来たんだ。決して危害を加えるつもりはない」

光秀が包み隠さず正直に言う。しかし、

「何を勘違いしておる、危害を加えるつもりないだと? 貴様ら下等な人間なんぞが儂に傷などつけれるものか」

河童は薄っすらと笑いを浮かべている。
悠火はふと気になったことを聞いた。

「最近噂になってる、魂が抜けたみたいな人たちはお前がやったのか?」

「ああ、そうだ。お陰で妖力が回復したよ。これで儂をここに封印した憎き妖術師共に復讐ができる」

「妖術師…?」

小説や漫画でしか聞いたことのない単語に悠火は驚いた。

「さてと、おしゃべりが過ぎたな。貴様らの魂も儂が食ってやる」

河童は地面に横たわり気絶している奏鳴に手を伸ばす。

「っ! させるか!」

悠火は咄嗟に手に持っていたライトで河童の顔を照らす。

「なっ! なんだ! それは!」

どうやら河童は人間が開発したライトを知らないようだ。
河童が怯んだ隙に悠火は奏鳴を抱えて光秀と共に洞窟から脱出する。

「待て!」

河童は3人を追いかけ来る。
洞窟を抜け、3人は麓を目指して走る。
しかし、河童も足が速く、このままでは追いつかれてしまう。

「光秀! どうする!?」

「確かこの辺りに古い神社があったはずだ!あいつが妖怪なら神社には入れないかもしれない」

「それ、どこにあるんだよ!」

「付いて来て!」

光秀のナビに付いて行き、何とか古びた神社まで逃げ切ることができた。
3人は建物の中に入ると、扉を木の棒で塞いだ。

「な、何とかここまで来たけど…本当にあいつに効くのか?」

「わからないよ…とにかく祈るしかない」

一先ずすぐに河童が入ってくる気配はない。
その間に悠火は何か武器になるものはないかと、神社内を物色する。すると、神棚に木の箱が置いてあるのに気がついた。

「ん? 何だ? あれ」

背伸びをして何とか木の箱を手に取る。
恐る恐る箱を開けると、中には御札の貼られた狐の面が入っていた。

「何だ? これ?」

悠火は狐の面を持ち上げる。すると、持ち上げた拍子に御札が1枚剥がれてしまった。

「あ、やべ!」

慌てて付け直し、狐の面を箱に戻す。
再び武器になるものを探そうとしたその時、

「ぐぁ!」

光秀の悲鳴が聞こえ振り向いた。そこには先程の河童が立っていた。足元には右腕から血を流している光秀が倒れている。

「な、なんで!? ここは神社だから妖怪のお前は入れないんじゃ!」

「ん? ここ神社だったのか? 妖力がショボすぎて気づかなかったぜ。さてと、鬼ごっこは終わりだ。儂の妖力の糧となれ!」

河童は悠火に水滴を飛ばす。しかし、それは銃弾のようなスピードで飛んで来る。

「くっ!」

悠火の脳裏には走馬灯のように記憶が巡った。
しかし、直後に悠火は水に体中を撃ち抜かれるだろう。

いつまで経っても水は来ない。悠火はゆっくり目を開けると、悠火と河童の間に和装の少女が立っていた。

「まったく。わらわやしろで好き勝手暴れるでない」

「何だ貴様? 何処から湧いて出てきた!」

驚いているのは悠火だけではなかった。

「人に物を聞く時は“お願いします”をつけぬか、馬鹿者。じゃが、寛大な妾は答えてやろう」

少女は右手を胸に当て、自信ありげに言った。

「妾の名は妖狐。全ての妖の中で最高の妖力を有する妖怪じゃ」


これが俺と妖狐の初めての出会いだった。




読んでいただきありがとうございます。コングです。

今回は少し長くなってしまいました。申し訳ないです!

現代アクション小説のため、妖怪たちに能力を与えています。
本来はこんな能力あるはずないんですけど……
まあそこは、フィクションなので!

それではまた次回!

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コメント

  • コング“シルバーバック”

    有ろう筈もございません

    1
  • 未硝詩 うい

    読んだ、面白かった、もっと早く読めば良かった、文句ある?

    1
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