俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件
第78話
放課後。
俺は校舎の屋上にいた。
メールで美月からここに来るよう指示されたためだ。
何をされるのだろうかと少し恐怖を感じながら屋上へ来たものの、呼び出した本人の姿はどこにもなく、今現在に至るのだが…。
「寒っ!」
まだ一月ということもあり、真昼でも寒い。
こんなに寒いんだったらコートでも持ってくればよかったと後からになって後悔する。
コートを教室から持ってこようか否か迷いながら柵にもたれかかっていた時だった。
昇降口のドアが開き、制服の上にコートを着た美月が現れた。
「お、遅かったな」
暖かい格好をしやがってと一瞬思ったが、それは今どうでもいい。
美月の表情は普段より難しく、目もいつもとは違うように見える。
この後何が起こるのだろうかと思っていると、
「あ、あのね…」
急にモジモジし始めた。
顔を赤くして俺を上目遣いで見つめてくる。
ーーな、なんなんだ?
「さっきのあれ……ホントだよね?」
「さっきのあれ?」
俺は頭の上にはてなマークをたくさん並べていると、美月が「もぉー」と言って頬を膨らませた。
「だーかーらー!……さっきのあれよ…ぼ、僕が可愛いって……」
そう言って美月は両手で顔を隠した。
そんな美月の様子を可愛いなと思いながらも疑問に思ったことを聞いてみた。
「なんでホントだと思うんだ?」
俺はあの時、「ウソ」と言って美月を怒らせた。
てっきり屋上に呼び出したのもそれを理由に俺を叱咤するのかと思っていた。
だが、こうきたものだ。
怒るどころか照れている。
「だって……ウソをつく時って翔太くん…斜め上を見るよね」
「え?そうなの?!」
自分のことながら自分で驚いてしまった。
――俺ってそんな癖あったんだぁ。
全然気づかなかった分、他の人にはこの癖がバレていないか心配だ。
今後から気をつけてウソをつかないと!……って、気をつけながらウソをつくのも変な感じだが。
「僕の目を見ながら…そ、その……言ってくれた」
「そ、そうか」
ヤバい。
急に恥ずかしくなってきた。
美月の顔はさらに赤くなってきているけど、俺の顔も相当赤くなってきていると思う。
このままだとオーバーヒートしかねない。
「じゃ、じゃあ用は済んだよな?俺は帰るからまたな!」
「ちょっと待って!」
そそくさと帰ろうとした時、美月の手が俺の着ている制服をちょこんと摘んだ。
「……行かないで……」
美月の弱々しい声が後ろから聞こえてきた。
背を向けた状態になっているため、今どのような表情をしているのかは分からないが、きっと寂しそうな顔をしている。
「何を言って……」
俺は美月の方を振り返った瞬間、何か柔らかいものが唇に当たった。
何が何だか分からなくなり、混乱したが、美月の顔が近くにある。
……ということはつまり…………キス?
「どう?僕の唇」
「……すごく柔らかかった……じゃなくて、何すんだよ!」
つい感想を述べてしまった。
急に美月が小悪魔的な発言をしてしまったからかもしれない。
「これが僕の気持ちだよ?だから……他の子を好きになっても僕のことはずっと嫌いにならないで……」
「……」
美月の言葉に何も言い返すことが出来なかった。
ただ言っている意味が分からなかったということもあるかもしれない。
でも、それだけではないことも事実。
そのそれだけではないことがなんなのかが分からない。
「じゃあ、僕は用事があるから先に行くね!」
「ああ……」
さっきの出来事がウソのように美月は表情を変えて、昇降口へと消えて行った。
俺は外の寒さを忘れ、頭の混乱が治まるまでぼーっと突っ立っていた。
俺は校舎の屋上にいた。
メールで美月からここに来るよう指示されたためだ。
何をされるのだろうかと少し恐怖を感じながら屋上へ来たものの、呼び出した本人の姿はどこにもなく、今現在に至るのだが…。
「寒っ!」
まだ一月ということもあり、真昼でも寒い。
こんなに寒いんだったらコートでも持ってくればよかったと後からになって後悔する。
コートを教室から持ってこようか否か迷いながら柵にもたれかかっていた時だった。
昇降口のドアが開き、制服の上にコートを着た美月が現れた。
「お、遅かったな」
暖かい格好をしやがってと一瞬思ったが、それは今どうでもいい。
美月の表情は普段より難しく、目もいつもとは違うように見える。
この後何が起こるのだろうかと思っていると、
「あ、あのね…」
急にモジモジし始めた。
顔を赤くして俺を上目遣いで見つめてくる。
ーーな、なんなんだ?
「さっきのあれ……ホントだよね?」
「さっきのあれ?」
俺は頭の上にはてなマークをたくさん並べていると、美月が「もぉー」と言って頬を膨らませた。
「だーかーらー!……さっきのあれよ…ぼ、僕が可愛いって……」
そう言って美月は両手で顔を隠した。
そんな美月の様子を可愛いなと思いながらも疑問に思ったことを聞いてみた。
「なんでホントだと思うんだ?」
俺はあの時、「ウソ」と言って美月を怒らせた。
てっきり屋上に呼び出したのもそれを理由に俺を叱咤するのかと思っていた。
だが、こうきたものだ。
怒るどころか照れている。
「だって……ウソをつく時って翔太くん…斜め上を見るよね」
「え?そうなの?!」
自分のことながら自分で驚いてしまった。
――俺ってそんな癖あったんだぁ。
全然気づかなかった分、他の人にはこの癖がバレていないか心配だ。
今後から気をつけてウソをつかないと!……って、気をつけながらウソをつくのも変な感じだが。
「僕の目を見ながら…そ、その……言ってくれた」
「そ、そうか」
ヤバい。
急に恥ずかしくなってきた。
美月の顔はさらに赤くなってきているけど、俺の顔も相当赤くなってきていると思う。
このままだとオーバーヒートしかねない。
「じゃ、じゃあ用は済んだよな?俺は帰るからまたな!」
「ちょっと待って!」
そそくさと帰ろうとした時、美月の手が俺の着ている制服をちょこんと摘んだ。
「……行かないで……」
美月の弱々しい声が後ろから聞こえてきた。
背を向けた状態になっているため、今どのような表情をしているのかは分からないが、きっと寂しそうな顔をしている。
「何を言って……」
俺は美月の方を振り返った瞬間、何か柔らかいものが唇に当たった。
何が何だか分からなくなり、混乱したが、美月の顔が近くにある。
……ということはつまり…………キス?
「どう?僕の唇」
「……すごく柔らかかった……じゃなくて、何すんだよ!」
つい感想を述べてしまった。
急に美月が小悪魔的な発言をしてしまったからかもしれない。
「これが僕の気持ちだよ?だから……他の子を好きになっても僕のことはずっと嫌いにならないで……」
「……」
美月の言葉に何も言い返すことが出来なかった。
ただ言っている意味が分からなかったということもあるかもしれない。
でも、それだけではないことも事実。
そのそれだけではないことがなんなのかが分からない。
「じゃあ、僕は用事があるから先に行くね!」
「ああ……」
さっきの出来事がウソのように美月は表情を変えて、昇降口へと消えて行った。
俺は外の寒さを忘れ、頭の混乱が治まるまでぼーっと突っ立っていた。
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