俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件

ながしょー

第66話

 「……お兄ちゃん……お兄ちゃん起きて!」

 「…ん~…なんだユキ……って、何してんだお前は?!」

 二度寝から再び目覚めると目の前にはユキの顔があった。
 俺は驚きつつも冷静に状況を把握して、馬乗り状態になっているユキを何とか押しのけようと必死になる。
 でも、ユキはビクともしない。まるで大きなカブが俺の体に乗っかっているかのようにいくら押しのけようとしてもどいてくれない。
 ――ユキのやつ…意外と力が強いな…。
 力いっぱい押しのけようとしているのに逆に引っ張られるようにユキの顔が再び近づいてきた。もう近すぎて目線を逸らしてしまうほどに。

 「ねぇ、なんで目を逸らすの?」

 「そ、そそそそりゃ逸らすだろ!理由がなくてもこの状況で目を逸らさないやつがいるか!」

 そんなやつがいたら勇者である。ただでさえ、ラブコメ主人公でもこのシチュエーションになったら目を逸らすというのに。
 まぁ、今はそういうことではない。どうすればいいかを考えなければいけない。
 今の状況を簡潔に説明すると、ユキが発情してしまって俺のところに来たのだろう。
 ――…なんか発情したっていう表現が動物っぽいが…そこはどうかお許しを。
 誰に向かってお許しを請うていたのかは俺自身分からない。
 だが、ユキから抜け出す作戦はもう頭に浮かんでいた。
 上がダメなら横から。

 「な、なんでよ!」

 「ふぅ……」

 カウガールのユキから見事脱出できた俺はベッドからすぐに離れた。…じゃないと、いつ襲われるか分からないし。
 ユキは俺の反応を見て、口いっぱいに餌を入れたリスのように頬を膨らませてぶつくさと何かを言っていた。
 ――普通にしていれば可愛いのになぁ……んんん?!
 そう思いながら怒っているユキを見て、俺は目を疑った。
 ユキが全裸になっている。下着も何も身につけていない生まれた姿のまんま。
 俺は何度も目をこすったが何回見ても同じ。

 「お兄ちゃん、どうしたの?」

 そんな俺の様子に気が付いたのか、ユキが不思議そうな表情をして言った。
 正直「どうしたの?」は俺がお前に聞きたい!
 
 「なんで全裸なんだよ!」

 自分の顔が熱い。ユキからは俺の顔がどう見えているのだろうか。
 
 「へぇ~…ウチのおっぱいで発情しちゃった?♪」

 どうやら俺の顔は赤くなっているということは分かった。
 が、誤解されているのはなぜだろう。俺ってそんなに女を喰らう野獣だと思われてるの?それにいつ誰が俺がおっぱい好きと言った?!……ま、まぁ、好きなんだが……。

 「し、してねぇよ!それより全裸になるな!」

 「それは無理」

 「なぜだ?」

 「だってウチ……お兄ちゃんの前だと全裸になってしまう症が!」

 「そんな病があるかああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 つい声が大きくなってしまった。……近所迷惑になっていなければいいが…。
 とにもかくにもそんなユキの性癖は今後やめていただきたい。
 俺とユキは兄妹だ。義理とはいえ、俺の妹。
 最近のラノベでは妹ヒロインのラブコメが増えてきたが、妹がいる俺からしてみれば主人公みんな逮捕されろという気持ちだ。
 実の妹が好きだとか宣言している京介…もとい主人公がいたり、もうフラグが序盤で立っている義理の妹がいたり……アニメ見ているうちに羨ましくなってきたよ!もう俺にもあんな可愛い妹が欲しい!こんな性癖をもった妹なんていや!

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