俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件

ながしょー

第60話 クリスマス【中編】

 リビングに向かうとユキがコタツでゴロゴロしながらテレビを見ていた。
 コタツの上にはやろうと思って持ってきたが、コタツに入ってしまったがゆえにゴロゴロしたくなり、やる気がなくなって放置したであろう冬休みの課題一式が置いてある。
 コタツに入ればそうなるのも分からなくはないが……お前そのままだと課題終わんねぇぞ。
 コタツは日本が生み出した魔の家財道具だ。
 俺も毎年のようにユキみたいにゴロゴロしてしまう。
 今年こそはあまりコタツに入らずに冬休みの課題が終わるまでは自室で頑張るか……。

◆❖◇◇❖◆

 「はぁ……コタツはいいなぁ……」

 と、先ほどまでコタツに対してあんなことを思っていたくせに俺はすぐにカタツムリのごとく、コタツムリになっていた。
 ユキも同様にコタツムリ。もうコタツなしじゃこの冬は越せない!
 俺とユキは仲良くコタツでゴロゴロしていると六花がリビングに入って来た。

 「何二人してゴロゴロしてるの?」

 「……そんなに不思議がることか?」

 六花はキッチンにそのまま向かうと昼食の準備を始めた。
 そういえばもうそんな時間だったか。
 今日は午前中寝てばかりだったから昼になるのもいつもより早く感じる。
 午後は何をするかは特に決まってないが、とりあえず夜のクリスマスパーティーの準備になるだろう……ん?……あれ?

 「おい六花。今日の夜ってクリスマスパーティーするんだよな?」
 
 「そうだけど……それがどうしたの?」

 「お前さ……美月とか愛に連絡したか?」

 「……そういえばしてなかったね」

 昼食の準備をしながら冷静に答える六花。
 いやいや、冷静に言ってる場合じゃないでしょ。……これから連絡しても遅いよね?三人だけのクリスマスパーティーになったらどうするの?めっちゃつまんないものになるよ?
 俺は深い溜め息を吐くとコタツムリを名残惜しみながらやめ、一応美月と愛に連絡をするため自室へと向かった。
 今日予定が空いてればいいが、都合良くこの日が空いているやつなんていないだろう。空いていたとしても非リア充のやつらでオタクじゃないやつ。
 非リア充の大抵はアニメ好きかアイドル好きのオタクだ。
 クリスマスはアニメのイベントやアイドルのイベントがよく開催される。
 俺はアニメ好きの非リア充だが、そういうイベントは行かない。……だって外寒いし、わざわざ遠出はしたくない。そのイベント限定のグッズが販売されてたとしても最近はメ〇カリやラ〇マなどのフリマアプリで簡単に手に入るから現代って本当に素晴らしいね!
 まぁ、それはともかく自室に辿り着いたことだし、まずは美月に電話をかけるか。
 俺は枕元に置いたままだったスマホを手に取り、電話帳を開く。そして美月の番号を選択した。

 (プルルルル……プルルルル……プルルルル)

 コール音が耳元で鳴り響く。
 でも、何回鳴っても美月がでる気配はなく、遂には『ただ今電話にでることができません。発信音の後……』などと言うお姉さんの声が耳元に聞こえてきた。
 ……まぁ、用事でもあってでれないんだろう。
 俺はそう解釈すると通話を切り、続いて愛にかけることにした。
 ……したのだが……そういえば愛の電話番号知らねぇ!
 なら、L〇NEはどうだと思ったが……今思えば俺ってぼっちだったからL〇NEなんて言うものしてなかったわ。
 と、いうことで愛への連絡はするまでもなく俺の根本的な問題で仕方なく断念することにした。……すまねぇ!

 「まぁ……仕方ない……」

 今夜は三人だけのクリスマスパーティーになりそうだ。
 たぶん……つまんないものになりそうだが……そうならないためにもなんかしらの準備をしよう。
 そう決めた……のはいいが、つまんないものにしないためにはどうすればいいのか分からない。そもそもクリスマスパーティーって何するの?去年は家族でただケーキを食べただけだから正直クリスマスパーティーは人生初イベントだ。
 定番ってなんなのか……ビンゴ大会?いや、三人でやるビンゴ大会って実質二人だよな。一人がビンゴの番号とかなんやらをする係とすればそうなる。じゃあ……なんなんだよぉぉおおお!
 ……こういう時こそググろう。
 我がGoo〇le先生の手に掛かればクリスマスパーティーの定番などちょちょいのちょいだ!
 さっそく検索しよう……と思ったが、リビングから六花の呼ぶ声が聞こえてきた。たぶん昼食が出来たのだろう。
 俺は返事をするとリビングへと向かった。検索はご飯を食べ終わった後からでもできるしね!

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