俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件
第53話 文化祭の打ち上げ【後編】
トイレに駆け込んでから二十分。
俺はようやく六花がいる個室に戻ることにした。
それにしても二十分は長すぎた。たぶん、戻った後ガミガミ文句を言われるかもしれない。その際はトイレの大がめちゃくちゃ出まくったとでも言っておこう。
俺はそう決めて個室に戻った。
「しょーくぅーん!どぉーこぉー行ってたのぉー?」
戻るなり、そんな声がいきなり聞こえた。
俺は個室を間違えたかと思い、一旦外に出ることにした。
が、どう見てもここで間違いない。
ならば、あいつは誰だ?外見が六花だけど中身が六花じゃない。
いったいどうなってんだ?
悪魔にでも取り憑かれたのだろうか。
なら、俺がテレビでよく見るような感じで悪魔祓いをしてやる!
「お、お客様申し訳ございませんっ!」
と、その時だった。
いきなり女性の店員さんが慌てた感じで水が入ったコップを持ってきた。
それを六花に渡すと、なんだかわちゃわちゃしていて本当に焦っているのが分かる。
「あのー……どうしたんですか……って、んん?」
俺は状況はいまいち分かっておらず、その店員さんに聞こうとした時、どこかで見たような顔に気づく。
で、その顔をマジマジと見ていたら、そんなに見ないで……と言って、顔を逸らされる。
うーん。その反応可愛いなぁ。
でも、見ないわけにはいかない。
だって、よく見たら美月である。
今日は用事があって打ち上げには来れないと言っていた美月がなぜかいる。
六花が呼んだのかと最初は思ったけど、その考えも一瞬にしてなくなった。
美月のやつ……さっき六花のことをお客様って言ってなかったか?
なら、バイトか?こんなめでたくないけどめでたい時に俺たちを差し置いてバイトしてんのか?
「なぁ……美月だよな?」
「いいえ、美月は私の双子の兄です」
あれ?このセリフどこかで聞いたことがあるぞ。
俺は記憶を探りながら、美月を見つめる。
美月は俺に見つめられているせいか、手をモジモジさせて下を向いてしまっている。
「ああ!水姫ちゃん?あの美月の自称双子の妹の!」
やっと思い出した!あのメイドさんだ!
「自称じゃありません!」
水姫は、頬を膨らませてプンプンしていた。
ああ。ハムスターのモノマネでもしてるのかな?正直、似てないけど可愛いからオッケー!
「それよりさ、六花に何があったの?」
つい水姫の話題で忘れてしまっていた六花のことについて俺がいない間に何があったのか聞いた。
すると、水姫は表情を慌ただしくして何度も俺に謝ってきた。
なぜ、謝られているのか分からないが、その後何があったか説明してくれた。
「はぁ……なんかゴメンね」
説明を聞き終えると、なんかこっちが悪いような気がしてきた。
我がついていながらなんてことを……。
水姫が説明するには、俺がいない間に六花から注文が入ったらしい。その注文内容がなんて言うか……とにかく水姫には申し訳ないことをした。六花が注文してきた内容はなんでもいいから何か飲み物を持ってきてということだったらしい。それで水姫は何がいいのか分からず、バイトを始めたばかりということもあり、ジュースかと思って持ってきた飲み物が実はチューハイだった。それを六花が飲んで酔っ払い状態になったと。
「いいえ、私のミスです。本当にごめんなさい!」
そう何度も謝ってくる水姫。
なんていい子なんだ!
とりあえず、俺は六花の方を見ると……いつの間にか寝ていた。
ソファーの上でヨダレを垂らしながら気持ちよさそうに寝ている。
しかも、なんか寝言が聞こえるし。
「はぁ……水姫ちゃんはもう戻ってていいよ。本当にゴメンね」
「……分かりました。では、失礼します」
そう言って水姫は俺たちがいる個室から出たが……どうしよう。
この状況はヤバい。
普通の男子なら襲おうとするかもしれない。
こんなに可愛い学校一の美少女が無防備に寝ているんだから。
それに制服が上に捲り上がっている。
もう少しで六花の胸が、下着が見えそうな位置までに。
さて、どうするか。
俺の中の悪魔と天使が脳内で囁きあっている。
悪魔の方はそのまま襲っちゃえよとか言って、天使の方は制服を胸まで捲り上げて触っちゃえと言っている……って、どっちも悪魔じゃねぇかよ!天使はどこ行った?俺の天使は!ねぇ、どこなの!
「あああああああ!俺は何を考えてるんだ!」
思わず壁を殴ってしまった。
痛い。
防音ということもあり、隣の個室には聞こえていないだろうが、硬い壁を殴ると痛い。
とにかく落ち着こう。
ここでオオカミになってはいけない。
もし、襲ってる最中にでも六花が目覚めてしまったらなんの言い訳にもならんし、そもそも俺は襲う気持ちなんてない!
いや、本当にないんですよ?たしかに俺の脳内には悪魔しかいない。でもね、俺の理性を甘く見ちゃいけない。俺は我慢強い男だし、そういう行為は両者の了承があって初めてやるもんだって思ってるから大丈夫。
「と、言いたいが……トイレ行こう」
自信がなくなってきた。
座ってスマホをイジイジしていたが、ネットニュースで強姦の記事を見て自信がなくなってきた。
ここで性犯罪を犯して未来永劫閉ざされた人生は嫌だ!
と、いうことで念には念を!
俺は再び逃げるようにトイレへと向かった。
俺はようやく六花がいる個室に戻ることにした。
それにしても二十分は長すぎた。たぶん、戻った後ガミガミ文句を言われるかもしれない。その際はトイレの大がめちゃくちゃ出まくったとでも言っておこう。
俺はそう決めて個室に戻った。
「しょーくぅーん!どぉーこぉー行ってたのぉー?」
戻るなり、そんな声がいきなり聞こえた。
俺は個室を間違えたかと思い、一旦外に出ることにした。
が、どう見てもここで間違いない。
ならば、あいつは誰だ?外見が六花だけど中身が六花じゃない。
いったいどうなってんだ?
悪魔にでも取り憑かれたのだろうか。
なら、俺がテレビでよく見るような感じで悪魔祓いをしてやる!
「お、お客様申し訳ございませんっ!」
と、その時だった。
いきなり女性の店員さんが慌てた感じで水が入ったコップを持ってきた。
それを六花に渡すと、なんだかわちゃわちゃしていて本当に焦っているのが分かる。
「あのー……どうしたんですか……って、んん?」
俺は状況はいまいち分かっておらず、その店員さんに聞こうとした時、どこかで見たような顔に気づく。
で、その顔をマジマジと見ていたら、そんなに見ないで……と言って、顔を逸らされる。
うーん。その反応可愛いなぁ。
でも、見ないわけにはいかない。
だって、よく見たら美月である。
今日は用事があって打ち上げには来れないと言っていた美月がなぜかいる。
六花が呼んだのかと最初は思ったけど、その考えも一瞬にしてなくなった。
美月のやつ……さっき六花のことをお客様って言ってなかったか?
なら、バイトか?こんなめでたくないけどめでたい時に俺たちを差し置いてバイトしてんのか?
「なぁ……美月だよな?」
「いいえ、美月は私の双子の兄です」
あれ?このセリフどこかで聞いたことがあるぞ。
俺は記憶を探りながら、美月を見つめる。
美月は俺に見つめられているせいか、手をモジモジさせて下を向いてしまっている。
「ああ!水姫ちゃん?あの美月の自称双子の妹の!」
やっと思い出した!あのメイドさんだ!
「自称じゃありません!」
水姫は、頬を膨らませてプンプンしていた。
ああ。ハムスターのモノマネでもしてるのかな?正直、似てないけど可愛いからオッケー!
「それよりさ、六花に何があったの?」
つい水姫の話題で忘れてしまっていた六花のことについて俺がいない間に何があったのか聞いた。
すると、水姫は表情を慌ただしくして何度も俺に謝ってきた。
なぜ、謝られているのか分からないが、その後何があったか説明してくれた。
「はぁ……なんかゴメンね」
説明を聞き終えると、なんかこっちが悪いような気がしてきた。
我がついていながらなんてことを……。
水姫が説明するには、俺がいない間に六花から注文が入ったらしい。その注文内容がなんて言うか……とにかく水姫には申し訳ないことをした。六花が注文してきた内容はなんでもいいから何か飲み物を持ってきてということだったらしい。それで水姫は何がいいのか分からず、バイトを始めたばかりということもあり、ジュースかと思って持ってきた飲み物が実はチューハイだった。それを六花が飲んで酔っ払い状態になったと。
「いいえ、私のミスです。本当にごめんなさい!」
そう何度も謝ってくる水姫。
なんていい子なんだ!
とりあえず、俺は六花の方を見ると……いつの間にか寝ていた。
ソファーの上でヨダレを垂らしながら気持ちよさそうに寝ている。
しかも、なんか寝言が聞こえるし。
「はぁ……水姫ちゃんはもう戻ってていいよ。本当にゴメンね」
「……分かりました。では、失礼します」
そう言って水姫は俺たちがいる個室から出たが……どうしよう。
この状況はヤバい。
普通の男子なら襲おうとするかもしれない。
こんなに可愛い学校一の美少女が無防備に寝ているんだから。
それに制服が上に捲り上がっている。
もう少しで六花の胸が、下着が見えそうな位置までに。
さて、どうするか。
俺の中の悪魔と天使が脳内で囁きあっている。
悪魔の方はそのまま襲っちゃえよとか言って、天使の方は制服を胸まで捲り上げて触っちゃえと言っている……って、どっちも悪魔じゃねぇかよ!天使はどこ行った?俺の天使は!ねぇ、どこなの!
「あああああああ!俺は何を考えてるんだ!」
思わず壁を殴ってしまった。
痛い。
防音ということもあり、隣の個室には聞こえていないだろうが、硬い壁を殴ると痛い。
とにかく落ち着こう。
ここでオオカミになってはいけない。
もし、襲ってる最中にでも六花が目覚めてしまったらなんの言い訳にもならんし、そもそも俺は襲う気持ちなんてない!
いや、本当にないんですよ?たしかに俺の脳内には悪魔しかいない。でもね、俺の理性を甘く見ちゃいけない。俺は我慢強い男だし、そういう行為は両者の了承があって初めてやるもんだって思ってるから大丈夫。
「と、言いたいが……トイレ行こう」
自信がなくなってきた。
座ってスマホをイジイジしていたが、ネットニュースで強姦の記事を見て自信がなくなってきた。
ここで性犯罪を犯して未来永劫閉ざされた人生は嫌だ!
と、いうことで念には念を!
俺は再び逃げるようにトイレへと向かった。
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