俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件

ながしょー

第23話 修学旅行2日目ゲーセンイチャラブデート【六花編】

 翌日、今日も俺たちは大阪市街地をぶらりとしていた。
 先生の指示では、今日も自由行動。某有名な遊園地に行くグループもいれば、だるいから一日中ホテルにこもるというグループもいる。俺も正直、部屋でごろごろしながらソシャゲに勤しみたかったのだが、コイツらがそれを許さなかった。
 
 「で、どこ行くんだよ」

 ちなみに現在の時刻は朝の10時を回ったころだ。

 「僕はゲーセンに行きたいな!」

 「私もゲーセンでいい」

 「じゃあ、ゲーセンで決定だね!」

 と、いうことでゲーセンに行くことになったのだが……ねぇ、俺の意見は聞かないの?

 「あ、でもゲーセンに行ったら何する?」

 六花がふいにそんなことを言い出したが……ゲーセン行ってやることと言えばゲームしかないだろ……ゲーセンだし。

 「しょーくん、そういうことじゃないんだよなぁ」

 「じゃあ、なんだよ」

 どさくさに紛れて俺の心を読みやがって……。

 「久しぶりに部活でもする?」

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 ゲーセンに到着した後、早速久しぶりの部活が始まった。
 今回のテーマは『彼氏とゲーセンイチャラブデート』という今にでも吐き気がしそうだ。

 「じゃあ、まずは私からね!」

 さっそく六花が俺の腕に腕を絡めてきた。

 「いきなりかよ?!」

 「いきなりで悪い?」

 と、上目遣いで聞いてくる仕草……ここで「YES」と答える奴はいないだろ。
 
 「わ、悪くないです……」

 「それじゃあ、行こっか♪」

 イチャラブデート【六花編】が始まってしまった。

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 他の2人がどこかで時間を潰している間、俺と六花は本当のカップルのように遊びまくった。

 「ねぇねぇ、このぬいぐるみ取ってよ!」

 六花に制服の袖を引っ張られながら1台のUFOキャッチャーの前に連れてこられた。

 「結構デカいな……取れるかなぁ……」

 デカいぬいぐるみって、意外と取れないんだよなぁ。
 ここはあきらめようと六花にそう告げようと思ったが、

 「お願い……取って?」

 「お、おう!任しとけ!」

 上目遣いに負けてしまった……。どうやら俺は上目遣いに弱いらしい。
 六花の期待を背に俺は100円玉を投入した。

 「よし…………取れた!」

 思ったよりもあっさり簡単に取れてしまった。
 
 「はい、大事にしろよ」

 ぬいぐるみを六花に手渡すと、子どものようにはしゃぎ、

 「ありがと!」

 と、無邪気な笑顔を見せた。
 ――ああ、なんかこういうのもいいなぁ。
 恋愛なんてクソだるいと思っていたが、思っていた以上に恋愛の素晴らしさを知ったような気がした。

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