俺の高校生活がラブコメ的な状況になっている件

ながしょー

第15話 求人部新入部員!

 「で、なぜお前がここにいるんだ?」

 2学期が始まった翌日。
 今日もいつもの通り、放課後部室に向かうと、

 「なぜあたしがここにいるか知りたい?」

 愛が部室にいた。
 随分と待っていたのか知らないが、長机の上には宿題と思われる数学のワークが広げられていた。
 ――一体なんのようなんだ?なんか嫌な予感がするのって俺だけ?……この場だと俺しかいないから当たり前か。

 「……」

 「な、何よ!そんな変な目で見ないでよ!……分かったから言うから言うからっ!」

 何をそんなに取り乱しているのだろうか。
 俺は別にただ「めんどくせぇ奴だな」と思いながら凝視していただけなんだが。

 「えーと……」

 今度は急にモジモジしはじめる愛。
 ……なんなんだよ。今日の愛、いろいろと忙しいな。

 「あ、あたし……この部活に入ったの!」

 「……へぇー。」

 「な、何よ、その反応は!」

 俺のごく普通の反応にプリプリ怒る愛。
 さっきからいろいろな感情、表情が出て面白いな…。

 「別に。ただ入ったんだぁーって思っただけ」

 「それだけ?!もっと……なんて言うか、嬉しいとかあーちゃんと一緒とか思わないの?」

 そんなことを言われてもなぁー。
 嬉しいとか……そもそもこの部活に入った時点でない。
 俺にとっては面倒な奴が増えるんだなって、そう思って……

 「憂鬱になる……」

 「はぁ?!」

 あ……やばい。地雷踏んだ。
 
 「憂鬱って何よ!だいたいしょーちゃんは昔からそうだよねっ!」

 「ごめんごめん、違うって!てか、何が昔からだ!」

 いくら幼なじみだからって、すべてを知り尽くしていると思うなよ!
 
 「しょーくん何を部室の前で言い争っているの?」

 そんなときだった。
 廊下の奥の方から美月と一緒に歩いてくる六花が現れた。

 「そうだよ。どうしたの?」
 
 「いや、別に大したことじゃないけど」

 美月にそう答え、六花は部室に入っていく。

 「なんであなたがここにいるの?」

 六花は愛の存在に気づいたらしく、俺と同じ反応をしている。
 …あれ?でも、この部活に入部したこと知ってるんじゃないの?部長だし…

 「なぁ、六花。お前知ってたんじゃないの?入部するとき部長のサインとか必要だろ?」

 俺たちの学校は部活に入部するさい、部長のサインが必要なのだ。
 だから、愛が入部したということは必ず部長である六花にそのことが伝わっているはずだ。
 でも、六花の反応は、

 「いや、全然知らないけど」

 ということは、つまり…愛はまだ入部してないということだ。
 そのことに気づく、俺と六花。そして、何も気づいていない美月。
 それぞれが違う思いで愛をみつめる。
 当本人である愛はただひたすらオドオドしており、視線をあっちこっちにさまよわせている。額には汗が。

 「あーちゃん♪なんで嘘をつくのかな?」

 「しょーちゃん笑顔が怖いよぉー」

 「それは気のせいじゃないかな?あーちゃんが嘘をついたからそう見えるだけだよぉー」

 「そっかぁー。今も笑顔が怖く見えるのはそーいうことなんだね!」

 あははははははは。

 「で、なんで嘘をついた?」

 「いきなり真顔で言うのやめて?!」

 
 愛からそれなりの事情を聴いた。
 事情っていうか、一応説明するが、俺たちの部活に入ろうとはしていたらしい。
 だが、いろいろと都合が合わず……というか、昨日この学校に転入してきたばかりだったよな?!
 まぁ、今日入部届を出そうとしていたから嘘をついたということらしい。
 もう入部するから部員同然でしょという考えだったのだろう。

 「まぁ、別に嘘をついたからといって怒ってたわけじゃないからな?」

 「部長!今しょーちゃんが嘘をつきました!」

 「そうね。しょーくん嘘をついたらいけません!」

 「ええ?!そんなに怒っているように見えた?美月は俺が怒ってないってわかってたよな?」

 「ごめん、表情見てないからわかんない」

 「部長!今美月が嘘をつきました!」

 「却下」

 「なんでだよ!」

 俺の扱いが一段と酷くなってないか?
 絶対、美月の奴嘘をついたぞ。だって俺と会話しているときに顔見てたじゃん!
 まぁ、とりあえず愛の求人部入部が決まったのであった。
 

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