What should I do?
ep.8
「俺は小泉悠人、悠人でいいよ」
「僕は樹島春、春って呼んで下さい」
悠人は兎も角春は緊張して噛まないかなんて思ったけど普通に平気みたいだ。
先輩でもなく注目の的でもないからだと。
緊張して噛みっぱなしじゃないんだとむすっと言う春はちょっと可愛いかった。
「犬飼榮、榮でいいから」
宜しくと言う二人に頷く榮の顔は少し嬉しそうだった。
「氷真…部屋ありがとう」
「俺掃除得意だから、いいよ。
又はないからな」
うんと微笑む榮は、イケメン無表情が笑うと以外と可愛い。
これが世に言うギャップ萌え?
うん、萌えーは分からないけどモテるだろう。
無表情イケメンからの笑みが可愛い、絶対モテる。
男子校じゃなかった……いや、ここホモ校じゃん。
男子からも…モテるか。
どんまい、榮。
哀れみの目で見ると榮は分からない視線に首を傾げていた。
「氷真、掃除得意なら俺の部屋もオ・ネ・ガ・イ 」
「キモッ、無理」
「春~」
キモいものはしょうがない。
十五の男が手を合わせてウインクすれば誰もが思うだろ。
しかも春に抱き付いてるし。
春がやれば似合うな。
「氷真がヒドイよ~」
「僕も掃除手伝うよ?
それにほら、もう少しで食堂だからね」
苦笑いする春は悠人の背を擦りながら食堂札を指差した。
たぶん離れて欲しいんだろう。
分かるよ春、気持ち悪いもんね。
「俺も手伝おうか?」
「おう、ありがと。
春も榮も優しいのに氷真は薄情者だったとは」
「悠人からは冷淡無情で優しさの欠片も無いと思われてもちっぽけも傷付かないから」
「いや、俺もそこまでってか逆にこっちの方が傷付いたし!」
ぎゅっと胸を掴む悠人を見てにやりと笑ってやった。
「冗談なのか!?」
「さぁ早く飯食べよう。
お腹空いたしー」
悠人を無視して俺は春と榮と一緒に食堂の中に入った。
後ろから何度も何度も聞いてくる悠人に教えてやる気は毛頭ない。
「氷真って素直じゃないね」
そう言う春に頷く榮だった。
◇
一つ空いていたテーブルに座り辺りを見渡す。
メニュー表では無くタブレットが置かれていた。
一テーブルに一つずつ。
悠人はそれを取り電源を入れてスライドしているのを俺は覗き見た。
「うわっ、高!!」
驚く俺に首を傾げながらそう?と揃って言う三人。
いや、君達金持ちだからね?
俺、庶民!凡人だから!
金持ちには庶民のたった一人の食費なんて知るわけないか。
たった一食に五千円も出してたら生活出来るわけないだろ。
食費に月十五万も出せるわけもない。
今は学園費用は気にしなくてもいいし思う存分食べさせてもらうけど。
「さあさあ何食べる?」
スライドしてメニュー欄を見てみると、A定食、B定食、丼やらパスタラーメンうどん、B級グルメetc…。
「ここって御曹司だらけの学校なんだよな?」
「そうだと思うけど、僕よりも凄い人一杯いるからそんなにだよね」
「まあな~、生徒会長が一番だし」
それに榮も頷いていた。
生徒会長、寝てたし知らん。
御曹司だろうが金持ちが集まるパーティーなんて行った事なんて無いし、凄い奴だろうが顔見たって俺は絶対分からない自信はあるな。
「そんなにって、有名じゃないのか?」
「僕の所は啄木鳥屋ってお菓子メーカーだよ」
「俺は名前の通りKOIZUMI店」
「俺、旅館」
うん、信じた俺が馬鹿だった。
めっちゃ知ってるし、正直啄木鳥のお菓子食べた事あるし、KOIZUMI店って高級スーパーじゃん。
眺めるだけ眺めて買えないってパターンが多くてもう行かないと決めている。
「榮って旅館っぽい!」
「休みあったら皆で榮の旅館に泊まりに行きたいな!
何処にあるの?」
春の言葉に来て欲しそうに頷く榮。
「箱根が一番有名かな?」
…一番?
「他にあるのか?」
「三つだけ」
…一つだけでも十分だろ?
なんだろうか、俺一人疎外感を感じる。
何も感じずわいわい話す三人に俺はB級グルメメニューを見ながらその会話に関して黙秘し続けた。
「てか御曹司だらけで何で庶民食だらけなんだよ!」
メニューを見ながら突っ込む俺。
庶民食なんて当たり前のように食べてたんだから、御曹司が食べるような高級食を思い浮かべていたのに…。
たぶん、これはこれで庶民食よりも美味しいんだろうけどがっかり感が半端ない。
「ん?
庶民食、食べてみたいじゃん?」
「何時も食べてるより美味しいもんね!」
「俺も好き」
うん、榮の部屋を見れば好きなのは知ってる。
金持ち感覚では庶民の味に惹かれるわけね。
逆に庶民は高級食に惹かれると。
いやいや、絶対家でも庶民食食べれるよね?
絶対!!
「僕オムライス」
「じゃあ俺はしょうが焼き定食だな」
「天丼!」
見事にバラバラ。
てかオムライスもしょうが焼きも天丼も食べた事あるから即決したよな?
悩む事無かったし絶対庶民食食べてるな、こいつら。
俺の思いも知らず、味か楽しみだと話す三人を羨ましげに見詰め、高級食は諦めてトマトパスタにした。
トマトパスタと俺でも作れる料理だけど、一流シェフが作ってるだけあって、めっちゃ美味しかった…。
次回、7月24日投稿予定
(後回しにしてしまいそうなので、期限決めました。
過ぎたら申し訳ございません!)
「僕は樹島春、春って呼んで下さい」
悠人は兎も角春は緊張して噛まないかなんて思ったけど普通に平気みたいだ。
先輩でもなく注目の的でもないからだと。
緊張して噛みっぱなしじゃないんだとむすっと言う春はちょっと可愛いかった。
「犬飼榮、榮でいいから」
宜しくと言う二人に頷く榮の顔は少し嬉しそうだった。
「氷真…部屋ありがとう」
「俺掃除得意だから、いいよ。
又はないからな」
うんと微笑む榮は、イケメン無表情が笑うと以外と可愛い。
これが世に言うギャップ萌え?
うん、萌えーは分からないけどモテるだろう。
無表情イケメンからの笑みが可愛い、絶対モテる。
男子校じゃなかった……いや、ここホモ校じゃん。
男子からも…モテるか。
どんまい、榮。
哀れみの目で見ると榮は分からない視線に首を傾げていた。
「氷真、掃除得意なら俺の部屋もオ・ネ・ガ・イ 」
「キモッ、無理」
「春~」
キモいものはしょうがない。
十五の男が手を合わせてウインクすれば誰もが思うだろ。
しかも春に抱き付いてるし。
春がやれば似合うな。
「氷真がヒドイよ~」
「僕も掃除手伝うよ?
それにほら、もう少しで食堂だからね」
苦笑いする春は悠人の背を擦りながら食堂札を指差した。
たぶん離れて欲しいんだろう。
分かるよ春、気持ち悪いもんね。
「俺も手伝おうか?」
「おう、ありがと。
春も榮も優しいのに氷真は薄情者だったとは」
「悠人からは冷淡無情で優しさの欠片も無いと思われてもちっぽけも傷付かないから」
「いや、俺もそこまでってか逆にこっちの方が傷付いたし!」
ぎゅっと胸を掴む悠人を見てにやりと笑ってやった。
「冗談なのか!?」
「さぁ早く飯食べよう。
お腹空いたしー」
悠人を無視して俺は春と榮と一緒に食堂の中に入った。
後ろから何度も何度も聞いてくる悠人に教えてやる気は毛頭ない。
「氷真って素直じゃないね」
そう言う春に頷く榮だった。
◇
一つ空いていたテーブルに座り辺りを見渡す。
メニュー表では無くタブレットが置かれていた。
一テーブルに一つずつ。
悠人はそれを取り電源を入れてスライドしているのを俺は覗き見た。
「うわっ、高!!」
驚く俺に首を傾げながらそう?と揃って言う三人。
いや、君達金持ちだからね?
俺、庶民!凡人だから!
金持ちには庶民のたった一人の食費なんて知るわけないか。
たった一食に五千円も出してたら生活出来るわけないだろ。
食費に月十五万も出せるわけもない。
今は学園費用は気にしなくてもいいし思う存分食べさせてもらうけど。
「さあさあ何食べる?」
スライドしてメニュー欄を見てみると、A定食、B定食、丼やらパスタラーメンうどん、B級グルメetc…。
「ここって御曹司だらけの学校なんだよな?」
「そうだと思うけど、僕よりも凄い人一杯いるからそんなにだよね」
「まあな~、生徒会長が一番だし」
それに榮も頷いていた。
生徒会長、寝てたし知らん。
御曹司だろうが金持ちが集まるパーティーなんて行った事なんて無いし、凄い奴だろうが顔見たって俺は絶対分からない自信はあるな。
「そんなにって、有名じゃないのか?」
「僕の所は啄木鳥屋ってお菓子メーカーだよ」
「俺は名前の通りKOIZUMI店」
「俺、旅館」
うん、信じた俺が馬鹿だった。
めっちゃ知ってるし、正直啄木鳥のお菓子食べた事あるし、KOIZUMI店って高級スーパーじゃん。
眺めるだけ眺めて買えないってパターンが多くてもう行かないと決めている。
「榮って旅館っぽい!」
「休みあったら皆で榮の旅館に泊まりに行きたいな!
何処にあるの?」
春の言葉に来て欲しそうに頷く榮。
「箱根が一番有名かな?」
…一番?
「他にあるのか?」
「三つだけ」
…一つだけでも十分だろ?
なんだろうか、俺一人疎外感を感じる。
何も感じずわいわい話す三人に俺はB級グルメメニューを見ながらその会話に関して黙秘し続けた。
「てか御曹司だらけで何で庶民食だらけなんだよ!」
メニューを見ながら突っ込む俺。
庶民食なんて当たり前のように食べてたんだから、御曹司が食べるような高級食を思い浮かべていたのに…。
たぶん、これはこれで庶民食よりも美味しいんだろうけどがっかり感が半端ない。
「ん?
庶民食、食べてみたいじゃん?」
「何時も食べてるより美味しいもんね!」
「俺も好き」
うん、榮の部屋を見れば好きなのは知ってる。
金持ち感覚では庶民の味に惹かれるわけね。
逆に庶民は高級食に惹かれると。
いやいや、絶対家でも庶民食食べれるよね?
絶対!!
「僕オムライス」
「じゃあ俺はしょうが焼き定食だな」
「天丼!」
見事にバラバラ。
てかオムライスもしょうが焼きも天丼も食べた事あるから即決したよな?
悩む事無かったし絶対庶民食食べてるな、こいつら。
俺の思いも知らず、味か楽しみだと話す三人を羨ましげに見詰め、高級食は諦めてトマトパスタにした。
トマトパスタと俺でも作れる料理だけど、一流シェフが作ってるだけあって、めっちゃ美味しかった…。
次回、7月24日投稿予定
(後回しにしてしまいそうなので、期限決めました。
過ぎたら申し訳ございません!)
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