What should I do?
ep.6
「でお前ら何号室だった?
カードキーに書いてあるだろ?」
エレベーターに乗り、悠人は自身のカードキーを見せて裏側に書かれた部屋番号を指で指した。
鍵がカードキーってのも金持ち使用だし、俺には普通の鍵の方が馴染むんだけどと、そう考えながら自分のカードキーの裏側を見た。
「905号室って悠人と同じ部屋だ」
「おっ、相方春か!
よろしくな~」
がしがしと頭を撫でられる春は嬉しそうに頷く。
他のクラスメート達とかなら春が心配でもあったが、悠人なら大丈夫かな。
「悠人に何かされたら言えよ。
ドア壊してでも行ってやる」
その時は何をしようか。
春は意味が分からなそうに首を傾げ、悠人は顔を真っ青にして俺に向かって首を振るう。
「いや、俺の部屋も春の部屋だからドアは壊すな!
何もしないから、絶対!!」
たぶん、しないだろう。
怯える姿に吹き笑う俺を見て、悠人は冗談で言った事が分かり怖かったと呟いていた。
俺ってそんなに怖いか?
また怖がられるのも嫌だった為、聞かなかった事にした。
「俺は906号室だって。
相方いい奴だったらいいな」
「俺達の前の部屋か。
まぁ、最悪な奴だったら泊めてやるからな」
「その時は僕のベッド一緒に使おう!」
なんと好いチワワか…。
悠人のベッド汗臭そうだと笑い、俺は春の頭を思いっきり撫で、二人に感謝の気持ちを込めて伝える。
「ありがとう」
学園は最悪だけど、いい奴等と出会えた。
少しは楽しくなりそうかな。
「晩飯食堂で食べようぜ。
時間になったら迎えに行くな」
部屋に着き悠人達は自分の部屋に入って行った。
俺もカードキーをかざしガチャッと音が鳴ったのを確認後、ドアノブを回して部屋に入る。
悠人が春が心配してくれていたけど、俺はそんなに弱くはない。
ドアを腰掛けふっと息を吐く。
裏表があるやつって嫌だろうな。
俺も嫌だしっと言いながらも、ふっと笑えてしまう。
悠人みたいに真っ直ぐじゃないし、春みたいに純粋でもない。
たぶん、バレたら嫌悪されるんだろうな。
『誰も信用するな。誰にも本性を見せるな。誰の前でも仮面でいろ。お前はもうお前のモノではないのだから』
必死に足掻いて生きて来たんだし、後悔はしてない。
中庭にいた時のような深く暗い瞳で床を見つめていた俺は奥の方から聞こえてくる足音に、首を振り気分を入れ換えて俺は靴を脱ぎ部屋の中に入った。
リビングのドアを開けると俺は足を止めた。
やはり金持ちの感覚がわからん。
なんだ、これで狭い?
目安だけどリビングで15畳あるぞ?
もう俺の部屋より広いし、L字ソファーに絨毯、60インチTVにキッチンも広く、寮ではない家だ家!
ドアが開いた音にソファーに座っていた男が振り返った。
黒く前髪が長く少し癖毛の髪に眠たそうな二重の目。
鼻筋もよく綺麗な顔立ちの男だ。
なんだ、ここは。
美形が多いのか?
わざとか?自覚させる為の苛めか?
キャンディー舐めながら又TVを見る男にムカつく。
「一応一緒の部屋なんだし自己紹介はしような?」
怠そうにこっちを見た男だったが、俺を見るなり顔を強張らせわかったと何度もコクりと頷いた。
…俺って怖いのか?
ちょっと殺気出てる?
まぁ、それで聞くきになるならいいか。
「俺は四宮氷真だ。
氷真って呼んでくれ。
相方だし出来たら楽に話したいんだけど、嫌ならいいわ。
まぁ嫌だろうが初対面なんだし挨拶はしろよな」
小さく何度も頷く姿にシベリアンハスキーが震えているように見える。
俺の目は可笑しいのか?
チワワやハスキーやらに見えてしまうんだけど?
目付きはちょっとハスキーっぽいし犬好きだから全て犬に置き換えてしまうのか?
「俺は…犬飼榮」
犬!?
苗字に犬とかめっちゃ合ってるじゃん!!
考えいた事にふっと笑った俺に、震えは止まり眠たそうにしていた目が見開いていた。
「ごめんごめん、榮って呼んでいいか?
よろしくな」
手を上げ謝ると、間を開けて頷いたからいいんだよな?
まぁ、仲良く出来そうかな。
キッチンの横のドアは風呂場か、リビングの奥に左右にドアがある。
「俺の部屋どっち?」
「…右」
ありがとうと伝え、俺は右の部屋へと入った。
真っ白な部屋に段ボールが二つ置かれていた。
白いふかふかのベッド、白いタンスに白い机に座り心地のよさそうなチェア。
真っ白なそんな部屋に、右腕を掴んだ。
俺は部屋を出て榮の元へと向かった。
「タンスとかって部屋に付いてるもんだよな?
それって、全部真っ白なのか?」
榮は考えてるのか沈黙が続き首を傾げた。
「俺全部家だから」
…金持ちか。
榮は部屋に入っていいと聞かれ頷いた。
俺の部屋に入って一つ一つ家具を見るなり分かったのか頷く。
「たぶん、違う。
クイーンベッドだし、チェアも座り心地良さそう。
メーカーも聞いた事あるし、たぶん良いやつ。
一つの部屋にこれだけ出さない…たぶん?」
ポケットに入れていたスマホの電源を入れると、LINEの通知に歯を食いしばる。
【私からの入学祝だ。】
…籠の鳥ってか?
開けられても空を飛べるはずもないのに。
白…清潔や純粋。
俺から程遠い。
「氷真?」
呼ばれて握り締めていたスマホの電源を切り、顔を上げた。
心配そうにする榮に、スマホを見せて笑みを浮かべる。
「ごめん!
これ入学祝だってLINE入ってたわ。
驚かせたかったのかサプライズ的なってやつ」
笑う俺に安心したのかそうと呟き良かったねと言った榮に、俺は言葉に出来ず頷いていた。
カードキーに書いてあるだろ?」
エレベーターに乗り、悠人は自身のカードキーを見せて裏側に書かれた部屋番号を指で指した。
鍵がカードキーってのも金持ち使用だし、俺には普通の鍵の方が馴染むんだけどと、そう考えながら自分のカードキーの裏側を見た。
「905号室って悠人と同じ部屋だ」
「おっ、相方春か!
よろしくな~」
がしがしと頭を撫でられる春は嬉しそうに頷く。
他のクラスメート達とかなら春が心配でもあったが、悠人なら大丈夫かな。
「悠人に何かされたら言えよ。
ドア壊してでも行ってやる」
その時は何をしようか。
春は意味が分からなそうに首を傾げ、悠人は顔を真っ青にして俺に向かって首を振るう。
「いや、俺の部屋も春の部屋だからドアは壊すな!
何もしないから、絶対!!」
たぶん、しないだろう。
怯える姿に吹き笑う俺を見て、悠人は冗談で言った事が分かり怖かったと呟いていた。
俺ってそんなに怖いか?
また怖がられるのも嫌だった為、聞かなかった事にした。
「俺は906号室だって。
相方いい奴だったらいいな」
「俺達の前の部屋か。
まぁ、最悪な奴だったら泊めてやるからな」
「その時は僕のベッド一緒に使おう!」
なんと好いチワワか…。
悠人のベッド汗臭そうだと笑い、俺は春の頭を思いっきり撫で、二人に感謝の気持ちを込めて伝える。
「ありがとう」
学園は最悪だけど、いい奴等と出会えた。
少しは楽しくなりそうかな。
「晩飯食堂で食べようぜ。
時間になったら迎えに行くな」
部屋に着き悠人達は自分の部屋に入って行った。
俺もカードキーをかざしガチャッと音が鳴ったのを確認後、ドアノブを回して部屋に入る。
悠人が春が心配してくれていたけど、俺はそんなに弱くはない。
ドアを腰掛けふっと息を吐く。
裏表があるやつって嫌だろうな。
俺も嫌だしっと言いながらも、ふっと笑えてしまう。
悠人みたいに真っ直ぐじゃないし、春みたいに純粋でもない。
たぶん、バレたら嫌悪されるんだろうな。
『誰も信用するな。誰にも本性を見せるな。誰の前でも仮面でいろ。お前はもうお前のモノではないのだから』
必死に足掻いて生きて来たんだし、後悔はしてない。
中庭にいた時のような深く暗い瞳で床を見つめていた俺は奥の方から聞こえてくる足音に、首を振り気分を入れ換えて俺は靴を脱ぎ部屋の中に入った。
リビングのドアを開けると俺は足を止めた。
やはり金持ちの感覚がわからん。
なんだ、これで狭い?
目安だけどリビングで15畳あるぞ?
もう俺の部屋より広いし、L字ソファーに絨毯、60インチTVにキッチンも広く、寮ではない家だ家!
ドアが開いた音にソファーに座っていた男が振り返った。
黒く前髪が長く少し癖毛の髪に眠たそうな二重の目。
鼻筋もよく綺麗な顔立ちの男だ。
なんだ、ここは。
美形が多いのか?
わざとか?自覚させる為の苛めか?
キャンディー舐めながら又TVを見る男にムカつく。
「一応一緒の部屋なんだし自己紹介はしような?」
怠そうにこっちを見た男だったが、俺を見るなり顔を強張らせわかったと何度もコクりと頷いた。
…俺って怖いのか?
ちょっと殺気出てる?
まぁ、それで聞くきになるならいいか。
「俺は四宮氷真だ。
氷真って呼んでくれ。
相方だし出来たら楽に話したいんだけど、嫌ならいいわ。
まぁ嫌だろうが初対面なんだし挨拶はしろよな」
小さく何度も頷く姿にシベリアンハスキーが震えているように見える。
俺の目は可笑しいのか?
チワワやハスキーやらに見えてしまうんだけど?
目付きはちょっとハスキーっぽいし犬好きだから全て犬に置き換えてしまうのか?
「俺は…犬飼榮」
犬!?
苗字に犬とかめっちゃ合ってるじゃん!!
考えいた事にふっと笑った俺に、震えは止まり眠たそうにしていた目が見開いていた。
「ごめんごめん、榮って呼んでいいか?
よろしくな」
手を上げ謝ると、間を開けて頷いたからいいんだよな?
まぁ、仲良く出来そうかな。
キッチンの横のドアは風呂場か、リビングの奥に左右にドアがある。
「俺の部屋どっち?」
「…右」
ありがとうと伝え、俺は右の部屋へと入った。
真っ白な部屋に段ボールが二つ置かれていた。
白いふかふかのベッド、白いタンスに白い机に座り心地のよさそうなチェア。
真っ白なそんな部屋に、右腕を掴んだ。
俺は部屋を出て榮の元へと向かった。
「タンスとかって部屋に付いてるもんだよな?
それって、全部真っ白なのか?」
榮は考えてるのか沈黙が続き首を傾げた。
「俺全部家だから」
…金持ちか。
榮は部屋に入っていいと聞かれ頷いた。
俺の部屋に入って一つ一つ家具を見るなり分かったのか頷く。
「たぶん、違う。
クイーンベッドだし、チェアも座り心地良さそう。
メーカーも聞いた事あるし、たぶん良いやつ。
一つの部屋にこれだけ出さない…たぶん?」
ポケットに入れていたスマホの電源を入れると、LINEの通知に歯を食いしばる。
【私からの入学祝だ。】
…籠の鳥ってか?
開けられても空を飛べるはずもないのに。
白…清潔や純粋。
俺から程遠い。
「氷真?」
呼ばれて握り締めていたスマホの電源を切り、顔を上げた。
心配そうにする榮に、スマホを見せて笑みを浮かべる。
「ごめん!
これ入学祝だってLINE入ってたわ。
驚かせたかったのかサプライズ的なってやつ」
笑う俺に安心したのかそうと呟き良かったねと言った榮に、俺は言葉に出来ず頷いていた。
コメント
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すごく面白いです!
主人公に一体どんな秘密があるのか.........(*´ ꒳ `*)
応援してます!