チート×異世界転移=最強・・・?

あるみん

第22話 襲撃

相変わらず、俺以外のみんなはぷちぷちしている。

今は、街から5日ほどの所にいる。 あと2日くらいで着くので、もう少しの辛抱だ。

そして、みんなはただただぷちぷちしている訳ではなく、たまに他の人と話してたりする。

ロディックさんとシャルさんは、いつも通りのように話しているが、意外なことに勝とソニアさんとで、馬があったらしく、そこの2人でも話している。

となると俺はリリィと話してる訳だが、リリィは普通に可愛いし、猫耳ついてるしで、俺は目を合わせて話すのが大変だった。

リリィと話していると当然、ぷちぷちを勧められる。
あまりにも言ってくるので、仕方なく少しだけぷちぷちしてみると...
意外なことに、かなりハマってしまった。

だが、その後、リリィの話をあまり聞かず、ただぷちぷちしていたらリリィが拗ねてしまったので、ハマりすぎには注意しよう。

「あ、そうそう、聞いてくださいよケイゴ様、前、私が宿屋で働くことになった時の話なんですが...」

リリィは話し上手で、自分のことも混じえつつ、俺にも話を振ってくれるので、内容は話しやすかった。
それと目を合わせることは別問題だが。

そんなこんなで、王都まであと1日といったところで、前の馬車からこんな報告が来た。

「敵襲!魔物です!数は15体ほど、オークの中に、ア、アークオークが混ざっています!」

「みんな、戦闘態勢を整えろ!」

「「了解しました!」」

前の方からそんな声が聞こえてくる。

「僕達も行きましょう!アークオークですよ!お肉が美味しいですよ!」

おい勝、そこじゃないだろ。危険だからとかの理由にしとけよ。

「行くか。」

いざ、俺と勝が席を立とうとした時、ソニアさんから止めが入った。

「いえ、私達は行かない方がいいわ。」

「なんでですか!?」

「一応あの人たちは、護衛として雇われてるわ。だから、私達は護衛されている側になる訳、つまり、護衛されている側が護衛を助けちゃうと、その分貰える給料とか、評判とかが落ちちゃうのよね。だから、あまり関わらない方がいいわ。」

「な、なるほど...」

護衛の人には、俺達が給料を払えばいいが、確かに評判はどうすることも出来ないなぁ。

「じゃあ、静かに待ってますね。でも、どうしても危なくなったら助けに行きますよ!」

勝としても、そこは譲る気は無いらしい。

「ええ、じゃあ見ておいてちょうだいね。」

結果から言うと、10分くらいで片付いた。
護衛の人数は5人なんだけどなあ。そこは、戦闘慣れしているということか。

「良かったあ。思っていたよりも危なく無かったね。」

「そうだな。戦いに慣れているんだな、多分。」

その後、とりあえず落ち着いたので、またみんなでぷちぷちし始めた。

ぷちぷちしだしてから2分後くらいだろうか、前の方から悲鳴が聞こえてきた。

「な、何が!?」

「あ、あれはまさか...」

ソニアさんが青くなっている。

「ま、魔の森の...あ、アシッドスライム!?」

アシッドスライムってあれか。具合悪そうなやつか。

「あれってそんなにやばいんですか?」

「やばいわよ!人間なんて、毒で溶かされて食べられちゃうわ!」

おお、恐ろしい。

「と、とにかく、私たちの力も必要よ!ロディックはシャルを守ってて!私とショウくんとケイゴくんで行ってくるわ!」

「だってよ。行くぞ、勝。」

「うんー。」

やる気出ないなぁ。アイツって経験値そんなに美味しくないからなぁ。

いざ、降りると、目の前で護衛の人達と、アシッドスライム3匹が戦っていた。

...まず、1人足りない。まさか...

「お、おい!お前ら!なんで4人なんだ!?」

「ひ、ひぃ!?あ、圭吾様ですか!た、助けてください!もう仲間は1人食べられました!1匹、でかくなってるやつです!」

こ、こいつ...!人間を食べやがった!

「もう容赦しねぇ。護衛さん、下がってていいよ。」

「は、はひ!」

俺はまず、でかいやつから倒すことにする。

「『風舞』!」

俺の剣に風がまとわりつく。この技は、風を纏うことによって斬撃を風の刃として飛ばせるようになる技だ。

俺はその技がちゃんと発動したのを確認したあと、軽く剣を振る。

すると、剣の刃に沿うようにして、斬撃が飛んで行った。

ズバァン!

と、実際に音がした訳では無いが、そんな音が聞こえてもいいくらいに綺麗に切れた。

「おー、今日も綺麗に切れたねぇ。」

「ああ、そうだな。この切れ方は勝には負けないと思うが?」

「まだまだ、甘いよ!『水禍!』」

水禍は、水を刃の形に作り替え、そのまま対象を追尾するような形で飛ばせる技だ。

「まじか勝、それ出来るようになってたのか...」

「僕の成長は止まらないよ!」

なんてことを言いながら、どんどん倒していき、あと1匹となった。

「さぁ、最後は!」
「めったぎりだぁ!」

「『剣舞、上』!」
「『火槍、上』!」

と、それぞれ、初球技術の上位版を使い、残り1匹のアシッドスライムを倒した。

「ごめん、もっと早く出て来れば、もう1人は死なずに済んだかもしれないのに。」

「ごめんなさい、気づくのに遅れちゃった。」

俺と勝は護衛たちに謝った。

「い、いえ!自分たちが助けて貰ったので!きっとあいつも、覚悟はしていたはずですよ...」

その日の夜は、いつものような賑やかさはなかった。

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